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相羽建設株式会社

つながる人すべての暮らしを豊かにする

相羽建設株式会社 代表取締役 相羽 健太郎

今回取材をさせていただいたのは、東京都東村山市にある相羽建設株式会社だ。2010年に事業継承を行い、現在は2代目相羽社長が指揮をとっている。先代が「良いものをつくっていれば認められる」という考えで築き上げてきた技術力を元に、「いかに価値を伝えていくか」に注力をしている。そのための方法として、広報はもちろん、数多くのイベントを手掛けている同社。自社が関わってのイベント数は年間で80を超えるという。感謝祭や家づくり学校など、数多くのイベントを企画しながら、自社だけでなく、地域として認知を広めていくことを目指している。社員が一致団結し、さらに価値観を同じくする周りの人たちを巻き込みながら、地域に渦を起こそうと取り組む。本取材では、同社の強みと魅力について相羽社長からお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

お互いに言いたいことを言い合うことができる関係性

「弊社には、お互いに言いたいことを言い合うことができる環境がある」と話す相羽社長。その理由として、先代相羽社長(現会長)の時代から仲間として仕事をしてきた同世代の社員が、現在の中核を担っていることを挙げた。同社の社長に就任したのは約6年半前。「先代に仕えていた社員が残ることで、事業継承がうまくいかない会社も見てきた」と話す相羽社長は、世代交代に向けて、相羽社長と同世代の幹部社員の育成に注力して、事業継承の準備を整えてきたのだ。だからこそ「全員野球で、フラットにやることができている」と相羽社長が語るように、お互いざっくばらんに言い合うことができるのであろう。 そして、その仲間たちで掲げた言葉が「信念・挑戦心・継続」。信念を持って仕事に取り組み続け、挑戦心を忘れない。同社では、この考え方にワクワクする人が集まってきている。皆が同じベクトルを持ち、言いたいことを言い合える関係性のある同社では、さらに多くの仲間を増やしていくに違いない。

「伝える」ための企画力と、その企画への巻き込み力

同社の優位性として、地域の魅力を伝えるための企画力、そして、多くの人に協力してもらう巻き込み力を挙げた相羽社長。「これまでに築き上げられた技術を地盤に、新しいイノベーションを起こし、未来を育てる」ためにはこれが必要不可欠なのだという。とはいえ、企画をするだけで協力者を巻き込めるわけではない。相手を巻き込むには、「まず相手を勝たせること」が最優先だと相羽社長は語る。あくまでもビジネスなのだから、相手にとってどのようなメリットがあるのか、ということを考え続けているという。単発のイベントならば興味だけで外部の協力を得られることもあるかもしれないが、何十年と付き合いを続けるためには、相手からの信用が不可欠となる。同社では、毎年多くのイベントを開催しており、その数は年間で80を超えるという。毎回のイベントに全力を注ぎ、相手を勝たせることで信用を勝ち取る。これにより人を巻き込んでいく同社。価値観を同じくする人とのつながりや協同プロジェクトは、さらに拡大していくことであろう。

地域から必要とされる企業になるために

同社の今後について、「地域の人々からさらに必要とされる存在になりたい」と語る相羽社長。20代になった頃、相羽会長から事業継承の話を受けた際、「人生で初めて、自分より上の大人から自分という存在を必要とされた」という。その時の喜びは深く胸に刻まれ、20年以上経った今でも、「社員やお客様、地域に必要とされる」という基本理念を変わらずに持ち続けている。 しかし、多くの場合はいきなり「自分を必要としてくれ」「応援してくれ」と言って、それが叶うわけでもないのは明白だ。「自分たちが応援されるために、まずは相手を応援できる会社になろう」と相羽社長は語る。そのために、社内のことはもちろん、社外のことについても情報を発信し、地域の人を応援していく体制をとっている。まずは自分たちから応援することで、相手からも応援される会社となり、そして必要とされる会社となることを目指しているのだ。経営理念である「つながる人すべての暮らしを豊かにする」を成就していく同社の発展が楽しみだ。
手仕事を体感するイベント
同社の手がける『木造ドミノ住宅』
40周年式典で相羽社長が事業を継承した

自分たちがやっていることの価値を伝えていく

―広報に力を入れている理由を教えてください

弊社では、創業者である会長が大工であったこともあり、技術にこだわり抜いて進化を遂げてきました。良いものをつくっていれば認めてもらえる、というのが創業時からの考えとして残っています。 しかし、今は良かろう高かろうでは売れない時代になっています。自分たちが何を目指してどんなことをやっていて、それがどういう価値を持っているのかを伝えていかないといけません。大工さんになろうという子どもが減ってきている現代において、あらためて、「ものづくりをする職人さんってかっこいい」と伝えていく必要があります。これは業界全体の問題だとも考えています。だからこそ、他社様のお手伝いになるのであればと考え、広報にも力を入れています。

―新人教育において工夫している点を教えてください

新たな企画やプロジェクトに、若いうちから参画させることです。弊社では、これまで数多くのイベントを実施してきましたが、業界を代表する建築家やデザイナーさんとお仕事をさせていただくことも多く、それこそ、新人社員が教科書で見てきたような方々です。彼らは、その人たちに憧れて弊社に入っています。そういった素晴らしい方々との仕事に、若いうちから参画させる。これが最大の新人教育です。 僕自身、会長にそうやって育てていただきました。様々な価値観を学ぶとても良い機会になりましたし、自分の思っていたことが、机上の空論でしかないと気付かされたことなどが、最大の財産になっていると感じています。今の新人にも、同じ経験をさせてあげたいですね。

―相羽社長の好きな言葉を教えてください

「どうせやるなら」という言葉が好きです。何事も、どうせやるなら楽しく、一所懸命に取り組んでいます。この考え方は、社員にも大切にしてもらいたいです。僕は、各々の社員がやりたいことを多様に実現できる会社にしていきたいと考えています。彼らが何をしているのか知っている部分もありますが、もちろん知らない部分もあるので、個々で達成してほしいです。おそらく、自己実現をしたくない人はいないでしょう。しかし、本気でそれをやろうとしているかどうかは、また別の問題です。今の幹部を見ていても、腹が決まった人間はパワーがありますね。どうせやるなら、自分自身で目標を定めて、自己実現をしてほしいです。

ものづくりを伝えていく

相羽建設株式会社 広報部 課長 伊藤 夕歩

今回お話を伺ったのは、クリエイティブディレクターとして、相羽建設の広報の中核を担っている伊藤さんだ。良いものをつくることは大前提として、それをいかに世に発信していくかを考え続けている。前職でも広告制作会社に勤め、家をつくる工務店と住まい手のつながりを生み出していた伊藤さん。その活動をさらに広げ、住宅業界や地域のネットワークに関わり広報をするべく、同社に飛び込んだのだ。同社では、職人による手仕事の魅力を伝えていく『わざわ座』を始め、数多くの企画を打ち出している。本取材では、発信することの重要性と伊藤さんが今後どのようなチャレンジをしていくのか、ということについてお話を伺った。

伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い

多くの繋がり・取り組みにより、様々なチャレンジができる

広報として、工務店に特化した広告事業やメディア事業など、様々なチャレンジができること。これが伊藤さんの入社理由だ。 元々、地元長野県で広告制作会社に勤め、住宅事業を中心に携わってきたという伊藤さん。しかし、工務店の広報だけを希望していたわけではない。「建築は、多くの人が関わりながらものづくりが進んでいく。それがおもしろい」と語る伊藤さんにとって、様々なネットワークを運営し、人とつながる同社の活動は魅力的だったのだ。同社では、自社のことについて発信していくだけでなく、他の工務店やデザイナー、建築家などと繋がりを持ち、多種多様な取り組みを行っている。 実際に入社してから、社内のことはもちろん、工務店のネットワークなど、社外の広報も担当している伊藤さん。これにより、さらに多くの情報が伊藤さんの元へと集まってくる。だからこそ、全体の関係性が分かり、窓口として発信することができるのだ。ここからまた新たなチャレンジが生まれていくのであろう。

ものづくりにかける思いやプロセスを世に発信する

ものづくりを間近で見ながら、それを多くの人に知ってもらうこと。これが同社における伊藤さんのやりがいだ。両親が焼き物づくりに携わっていたこともあり、元々、ものづくりやデザインに興味があったという伊藤さん。しかし、かつての「良いものをつくっていれば売れる」という時代が終わり、ものも情報も溢れるようになった現代では、つくるだけでは差別化ができず、生き残ることもできないのであろう。「つくることと同じくらい、伝えることに力を入れないといけない」と伊藤さんは語る。 では、伝えることに重きを置く中で、「伝えたい」と思える同社の魅力はどこにあるのだろうか。伊藤さんは、同社の一番誇れることについて、「社内・社外を問わずつながって、みんなが熱意や信念を持ってものづくりに取り組んでいること」を挙げた。社外をも巻き込み、お互いの考えをぶつけ、つながる人に喜んでいただく。その思いを世に広めていくことが、伊藤さんにとっての何よりのやりがいなのだ。

多摩・武蔵野エリアをより魅力的な地域にしていく

家をつくるだけに留まらず、イベントなどの取り組みを発信する。そして、東村山を中心に、多摩・武蔵野エリア全体をより魅力的な地域にしていく。伊藤さんは、自身の夢についてこう語る。そして、若い人が「住宅に関わる仕事をしたい」と思った時に、工務店で働くという選択をする人を増やしていきたいのだという。 そのための取り組みの一つとして、広告部門の独立を目指している伊藤さん。魅力的なものづくりの情報や、手仕事の広告を打ち出すことで、さらなる地域の発展を目指す。同社とは別の法人となっている『わざわ座』や『木造ドミノ研究会』のように、相羽建設としてではなく、別会社として広告会社を立ち上げた方が、「伝える」ための手法を広めていきやすいのであろう。また、一般的に、会社が大きくなりすぎると、経営者の目が行き届く範囲が限られてしまう。分社化することで、伊藤さんが経営者となり、より迅速な判断を下していくことも可能になるだろう。 伊藤さんが打ち出す仕掛けから、今後も目が離せない。
地域とつながる拠点『つむじ』
同社が製作するパンフレット
職人によって生み出された家具『大工の手』

社内外のコミュニケーションを大切にする

―「つくって発信すること」についての具体例を教えてください

『わざわ座』で行っている『大工の手』というプロジェクトですね。大工さんの手仕事を広めていこうという取り組みです。例えば、家を建て替える際、古い家の柱を家具として復活させるなど、デザイナーと工務店が支援して、大工さんの技を生かしています。そしてその家具を、大工さんが住み手さんに届けてあげるのです。誰がつくったものか分かると、大事にしたくなりますよね。このように、つくり手と使い手の繋がりが深くなるようなプロセスを計画しながら、大工さんの手仕事を発信しています。 ものをつくるだけでなく発信する。そしてそれを一回で終わらせるのではなく、継続していく。その一つの例が、『大工の手』なのです。

―社内のコミュニケーションについて、意識していることは何ですか

会議や勉強会を多く行っています。各部署のリーダー・サブリーダーが集まる、マネジメントの会議や勉強会もあれば、全社員が集まって共有を行う会議もあります。部署会議もありますし、プロジェクトを推進していく中で、どうやって楽しいイベントにするのかを考える部署横断のプロジェクト型会議もあります。今はコミュニケーションを取ることに注力し、多くの時間を割いています。 今後は、時間を短縮しながらも、今以上の共有を行う必要があります。また、どう生産性を上げていくのか、次世代のリーダーを誰が担うのか、ということについても話し合っているところです。もっと会社を良くしていくために、常に新しいことにチャレンジし続けていきたいですね。

―どのようにして、地域に特化してきたのですか

地域に特化していこうという動きは、現相羽社長になってから始まりました。エリアを絞るために、紙媒体の広告や、モデルハウス『つむじ』に代表されるような、住宅以外の事業を生み出してきました。ショールームだけだと、なかなか知っていただく機会に恵まれません。そこで、モデルハウスを、例えば地域の奥様方が集まれるようにしたり、作家さんやクラフト教室の先生が生徒さんを連れて来られるようにしました。この動きを工務店が起こしている、ということは知られずとも、数年後に家を建てるとなった際、「あの訪ねた場所のような家を建てたいね」という思いを抱いていただけます。このように、つくるだけでなく、それを発信することで、地域に特化することができています。

監修企業からのコメント

東村山を中心に、発信していくことに注力している相羽建設様。相羽社長と伊藤さんのお話を伺って、情報を発信することの重要性、そしてそのための取り組みが伝わってきました。また、取材をさせていただいた場所でもある、モデルハウス『つむじ』は、木の温かみを感じられる空間でした。そのような温かみを、今後も広めていく同社の活動に注目です!

掲載企業からのコメント

この度は取材をしていただき、ありがとうございました。我々がどのような思いを持ってものづくりに取り組み、そしてそれを広めているか。これを改めて発信する良い機会になったと感じております。 今後、弊社の社員が経営者マインドを持ち、各々活躍できるような環境づくりをしてまいります。我々の打ち出す企画に、ご期待ください。

相羽建設株式会社
1971年 相羽正25歳で独立『相羽正工務店』創業
1979年 『有限会社相羽正工務店』設立
1987年 株式会社相羽工務店設立 代表取締役相羽昭一就任
1987年 『相羽建設株式会社』に組織変更
1989年 アーテック株式会社設立 代表取締役相羽正就任
1992年 OMソーラー協会加盟
1998年 相羽健太郎入社・営業部配属
2000年 会社案内リニューアル(制作:ブルックスタジオ)
2001年 『ソーラータウン久米川』モデルハウスオープン
      (設計:OM研究所)
2002年 東村山市倫理法人会(現:東村山・小平倫理法人会)
       開設と同時に入会
2003年 会社案内リニューアル「AibaStyle」
       (制作:ブルックスタジオ)
2005年 創業35周年記念式典開催(於:新宿京王プラザホテル)
2005年 埼玉支店開設 支店長相羽健太郎就任
2006年 「9坪の家」エコビルド賞受賞
2006年 東京都「住宅促進プロジェクト」に採択され東村山市に
       実証実験グループにて25棟を建設(のちのむさしのiタウン)
2007年 本社移転(青葉町1-25-14→本町2-22-11)
2007年 株式会社木造ドミノ研究会設立 代表取締役相羽正就任
2007年 倫理17000ライセンス認証 登録番号第107号
2007年 木造ドミノ住宅 グッドデザイン賞受賞
2007年 木造ドミノ住宅 地域住宅計画賞受賞
2007年 木造ドミノ住宅 エコビルド大賞受賞
2008年 相羽健太郎取締役就任、迎川利夫取締役就任
2010年 OMソーラーの家着工戸数 日本No.1
2010年 創業40周年記念式典(於:新宿京王プラザホテル)
2010年 相羽正会長就任
       相羽健太郎代表取締役就任
       相羽美里取締役就任
2010年 経営理念「つながる人すべての暮らしを豊かにする」
2011年 経営ビジョン「仲間とワクワクやっぱりAIBAは面白い」
2011年 リフォームショールーム「あいばこ」オープン
       (インフィルデザイン:小泉誠、伊礼智)
2011年 ainoha創刊 vol.1発送
2012年 東京都「長寿命環境配慮住宅事業」(府中市)に採択
       16棟のドミノ住宅を建設(のちのソーラータウン府中)
2013年 定期借地事業「多摩湖ソーラータウン」内に多摩湖木造ドミノモデ
       ルハウスオープン(設計:スネヤアキラ建築設計室)
2014年 東村山市久米川町「つむじプロジェクト」始動
2014年 「手しごとフェスタ」初開催
2014年 一般社団法人わざわ座設立
       理事:相羽健太郎・迎川利夫・伊藤夕歩就任
2015年 社員大工初採用(加瀬彰一・長井駿)
2015年 『つむじ』i-worksモデルハウス(設計:伊礼智設計室)オープン
2015年 『つむじ』舎庫(設計:koizumi studio小泉誠)オープン
2016年 『つむじ』木造ドミノモデルハウス
       (設計:相羽建設+インフィル:koizumi studio)
2016年 「手しごと」と「食」をテーマに地域の人と文化が出会い、
       豊かな交流が生まれる場『つむじ』グランドオープン
2016年 わざわ座「大工の手」がグットデザイン賞受賞
2017年 OZONE共催「郊外のすゝめ展」開催
2017年 一般社団法人木造施設協議会設立 代表理事:相羽健太郎就任
創業年(設立年) 1971年(1979年)
事業内容 1.建築工事・土木工事の請負企画設計管理及び、コンサルティング業務 2.建物の保守及び管理に関する事業 3.生命保険代理業務 4.損害保険募集に関する業務
所在地 東京都東村山市本町2-22-11
資本金 3,000万円
従業員数 48名
会社URL

相羽建設株式会社