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昭栄印刷株式会社

昭栄印刷株式会社 代表取締役社長 坂井雅之

総合印刷会社として新潟県新発田市に本社を構え、各種制作物の企画・印刷・販促、またデジタルサイネージ・Web事業など、多岐にわたった事業展開を行っている昭栄印刷株式会社。二代目である坂井社長の就任後は、ベトナムや中国などの海外にも積極的に拠点を増やし、グローバルに活動している。またそれと同時に、社員のワークライフバランスの構築に力を入れ、「均等・両立推進企業表彰」の新潟労働局長賞優良賞受賞や「ハッピーパートナー企業」「プラチナくるみんマーク」の認定を受けており、社員の幸せを考えた取り組みを積極的に行っている。常に、業界と自社の10年先を描き理想な会社づくりを成功させてきた同社。本取材では、2代目経営者である坂井社長に、同社が創業から大切にしていることや、今後の展望について伺った。

伝統の挑戦と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

創業から大切にしてきたテーマは‟社員は家族”

同社は創業以来‟社員は家族”と考え、これを第1義に事業と組織を成長させてきた。同社の意志決定には、必ず『この判断は、社員の幸せにつながるか?』という軸がある。坂井社長が部下からの相談や判断を促すときも『それが社員がやっていきたい仕事かどうか。その事業が、果たして本当に社員と社員の家族の幸せに繋がることなのか』ということを毎回真剣に考えさせている。こうした積み重ねで社員は、仕事との関わりが主体的になり、“自分や仲間のため”“仲間たちの家族のため”にポジティブな思考やチャレンジ意欲など、意識の変化につながった。さらに同社では直接的なコミュニケーション機会も重要と考え、創業から64年間欠かさずに社員と家族の工場見学会というイベントを開催している。社員全員の家族を自社工場に招き入れ、現場を見せるとともに社員が出店を出して家族をもてなしている。こういったイベントで、社員の家族にも積極的にコミュニケーションを取り、大きな一つの家族として信頼関係を構築している。

積極的な海外展開

同社の独自性は事業の未来を読み、常に先を行く取り組みを行っていることだ。早い段階で業界動向や世界の変化を捉え、国内販売網の整備と将来に向けたグローバル化対応の体制を構築した。現在同社では、中国やベトナムにも自社工場を構え、印刷ビジネスを展開し大手企業を中心として多くのクライアントから依頼を受けている。そんな同社が海外進出に挑んだのは、二代目である坂井社長が社長に就任して間もなく。入社すぐ印刷業界の将来を見据え‟次の世代に残るクライアントを、1社でも多く残していきたい”と考えたことだった。日本では寡占状態の大手企業も、海外ではパートナーを探していることを知った坂井社長はダメ元の精神で海外への進出を決意。坂井社長の先を見据えた戦略と行動力で、見事に大手企業の信頼を獲得し、取引先を着々と増やしていたのだ。会社として大切にしている想いは変えずとも、経営・営業手法を刷新し、地域密着の営業スタイルから、日本全国、そして世界に進出した同社。今後も常に一歩先を行く戦略で、成長を続けていくのだろう。

次世代への会社の継承に向けた、ノウハウの整理

同社の70周年を機に、社長の座を後継者へ譲ることを明言している坂井社長。既に向こう10年の事業計画を、次期社長候補であるご子息と練り、着実に売り上げを伸ばしていける戦略を構築済みだ。そのため、そんな坂井社長の今後の展望は、自身の経営戦略のノウハウを整理し、次世代に継承していくこと。社長に就任してから、様々なことに積極的にチャレンジしてきた坂井社長。新規事業や海外展開など、会社の発展のために果敢に取り組んできた。そんな挑戦の日々を過ごし、多くの経験を積んだ坂井社長は、次の世代に残すべき教えと、時代とともに不要となる事業や仕組みの取捨選択を行っている。これをしっかりまとめあげ、次世代へ継承していくことを自身のミッションとしている坂井社長。70周年を迎えた後も、坂井社長の情熱とチャレンジ精神を受け継ぎ、同社はますます発展していくであろう。事業継承後の同社の成長にも期待していきたい。
同社が発行する
子育て情報誌
「はっぴーママ」
海外事業である
「昭栄ベトナム」で
働く社員たち
経済産業省より
健康経営優良法人として
認められた認定証

社員が働きやすい環境づくりを目指して

ワークライフバランスの取り組みについて教えてください

私が社長に就任した際は、まだ少人数だったので、就業規則もとても簡素なものでした。今後それではいけない!と就業規則の見直しを図ったんです。その際に、せっかくつくるので専門家や関係機関に相談しながら、‟社員は家族”という創業からの想いをしっかりした制度に反映させていこうと、社員が更に働きやすい環境になるように制度を整えました。特に社員が長く働くことができる環境のために、結婚・出産しても戻りやすい制度などを国と相談しながらつくっていきました。結果として、働きやすい環境として様々な認定を受けることができたり、産休・育休を経ての復帰率は現在ほぼ100%という実績まで出すことができました。長期で休んだ社員にも『また働きたいです!』と言ってもらえるよう今後も働きやすい環境づくりに邁進して参ります。

社員への教育制度について教えてください

どの職種でも役職を任せていく社員には、社外で合宿形式の厳しいセミナーに必ず出席させています。4泊5日の間、ホテルにほぼ缶詰状態でみっちり行っています(笑)。この研修はまさに弊社における幹部への登竜門ですね。係長以上を対象としており、従業員90名中15~20名ほどがこの研修を乗り越えてきました。とても厳しい内容になっていると思いますが、幹部として会社を支えていく上で、重要な経験になったのではないでしょうか。その後は、会議の場が学びの場になっていますね。様々な議論の中で当初は私の考え方を教え込んでいましたが最近はお互いが切磋琢磨できる環境になりつつあります。成長を続ける会社であるためには、どのような戦略が重要か、納得できるまで話し合うことが重要だと考えます。早く『もう社長が参加しなくて大丈夫です!』という状態になってほしいですね。

人を採ることへの考え方を教えてください

人を採用するときは、長く働いてくれるかという観点で最終的な判断を下しています。実際の採用活動においては私が入るのは最後だけで基本的には社員に任せています。一次面接では、その方の教育担当になる社員と部署長、二次面接では部署長と工場の生産管理本部長に面接をしてもらっていますが、社員がOKを出したのであれば間違いはないと思っています。社員のことを信頼していますし、何より一緒に働くのは社員達になるので。よっぽどのことがない限り不採用という決断は下していませんね。ご縁あって一緒に働くことになりましたら、社員の幸せを1番に考えて、長く働くことができる環境を整えますので、興味をもっていただいた方は面接でお会いできたら嬉しいです。

理想の生活も、キャリアアップも、 全部が叶えられる環境

昭栄印刷株式会社
経営統括本部 経理部係長 本間望

地域に根差した印刷会社から、様々な戦略を用いて新規事業や海外進出を行い、着実に売上を伸ばしてきた昭栄印刷株式会社。そんな同社の経営統括本部経理部係長として、同社の経営戦略の土台を支えているのが、今年で入社18年目となる本間さんである。本間さんが所属する経営統括本部では、経営に関わる重要会議で使う資料の制作などを行い、様々な意志決定をサポートしている。そんな本間さんは、二度の産休・育休を経た後同社に復帰し、現在のキャリアを歩んでいる。まさに、仕事も家庭も諦めたくない人にとっての、理想的なキャリア構築を行ってる本間さん。そんな本間さんに、同社で働くことのやりがいや、今後の夢について伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

学生時代の学びを活かしたい

2005年6月に中途入社し、現在18年目になる本間さん。学生時代に学んでいたパソコン技能や簿記の知識を活かしたいと、事務職で就職先を探していたという。そんな時にハローワークを通じて同社と出会い、ご縁あって入社を決意した。入社後は電話や来客対応、そして請求書の作成業務などにメインで携わり、学生時代に培ったスキルを発揮してきた。そんな本間さんは、入社後に結婚、そして二度の出産を経験し、出産休暇・育児休暇を数年ほど取得した。自身の大きなライフイベントにひと段落が着いたころ、同社で経営統括本部が立ち上がり、復帰のタイミングで声がかかった。これまでの業務を再び行うのではなく、新たなチャレンジの環境が用意されていた。そんな同社の取り組みが、厚生労働省による「子育てサポート企業」の認定、‟プラチナくるみん”の取得に繋がり、社員にとっては、希望する働き方への万全なサポート体制がある。こうして本間さんは現在経営統括本部経理部の係長として着実にキャリアアップを果たしている。

経営における、意思決定に関わる業務ができること

本間さんが所属するのは、会社の経営における数値全般を取り扱う部署。だからこそ本間さんは、会社のリアルタイムの業績や社員営業成績や評価など、会社の意志決定に携われる数字と日々関わっており、それが大きなやりがいになっているという。そして、そんな重要な役割を任されている本間さんだが、業務をする上で大切にしていることは、日々いかにして業務を効率化できるか常に試行錯誤することだ。事務職はルーティン業務がメインとなるため、慣れてしまえば淡々と業務をこなすこともできてしまう。しかし本間さんはそこでも、頭を使って考えることを止めない。変化していくことが好きだと語る本間さんは、与えられた仕事に対して、「どうしたらもっと早く、正確に業務をこなせるか」常に考え合理化に向けた改善を積み重ねてきた。現状に満足せず、常に良い方法を模索し続ける本間さん。事務というオペレーションの枠を超え、会社運営の根幹の数値を扱う領域での今後の活躍が期待される。

会社の成長に貢献できるよう、知識をスキルを磨いていきたい

変化に合わせて、迅速に対応できるように知識のアップデートを行っていきたい。本間さんは自身の夢をこう語ってくれた。本間さんは現在、会社の経営方針を決定するための会議資料作成を行っている。月次の試算表や、決算時の見込数値を分かりやすく加工し、会議資料を作成しているのだ。そのため本間さんの仕事は、会社の経営にダイレクトにつながる領域と言っても過言ではない。だからこそ、経営陣をサポートするために、高度な分析力を身に着ける必要があると感じている本間さん。自身の知識やスキルをアップデートし、縁の下の力持ちとして、今まで以上に会社を支えていける存在を目指している。さらに本間さんが描いている夢は部署メンバーの成長のサポートだ。将来を見据えると自分自身の成長とともに、部下・後輩の成長も重要となる。そして社員が誰かをサポートしていくには、個々の能力を高めていく土台づくりが必要になる。本間さんはこうした会社と自身の夢に向かって、これからも努力を惜しまずに成長していく。
同社で制作した
飲食店メニュー
お客様からの要望を
実現するために戦略を練る
会議の様子
国内外に多くの
拠点を構える
昭栄印刷本社

成功の秘訣は、積極的に新しいことにチャレンジすること

先代社長と現社長について教えてください

先代社長は、‟人との繋がり”をとても大切にされている方でした。特に社員との繋がりの部分では、毎朝全部署に挨拶に行って、挨拶と日々の感謝を丁寧に伝えてくれていました。また、社員の家族も大切にしたいという想いをお持ちの方でしたので、年に一度開催している社内行事のBBQでは、社員の家族も招いて積極的にお話しされていました。また、現社長も先代社長同様に‟人との繋がり”を大切にし、新しいことに常にチャレンジしていく方ですね。社長に就任する前から、東京事業部の立ち上げにチャレンジしたり、就任後は新規事業に積極的に参入されていて、事業の幅が広がっていきました。今の環境は現社長が創った感じです。社長は更に未来を構想しているようなので、今後も果敢にチャレンジしていく坂井社長を全力でサポートしていきたいと思います。

昭栄印刷が、事業拡大に成功している要因を教えてください

「新しいことに、積極的にチャレンジしていこう」という気持ちが、先代の時代からゆるぎなくあるからだと思います。現在、DXの発達によって、紙媒体をはじめとした印刷事業は衰退は避けられないものだと思います。そんな中で綿密な戦略を立てて、新規事業の構想を練ったり、海外展開も成功させました。またそれだけでなく、社内のデジタル化もスピード感を持って取り組んでいるので、私自身も会社がめまぐるしい早さで刷新されていっている実感があります。こういった市場や外部の変化に対して、柔軟に変化していけるからこそ、昭栄印刷は着実に事業拡大に成功しているのだと思います。

働く環境の魅力について教えてください

社長が社員のライフワークバランスを社員以上に考えてくれているので、働きやすさは抜群の会社だと思います(笑)。社長はいつも“会社の色をつくるのは社員”と言っていて、社員の意見を積極的に聞き入れています。制度や職場の環境も常にアップデートしている感じですね。また坂井社長は男女問わず活躍を期待していて、女性管理職の増加を目指す取り組みも積極的に行っています。そのために社員の人生を大きく左右する子育てなどのライフイベントも、会社全体で応援してくれますし、復帰後のキャリアアップのフォローを手厚く行ってくれます。私自身も経験しましたが、現在も家事・育児と両立しながらキャリアアップに励むことができるのは、本当に嬉しいですよね。

監修企業からのコメント

この度は取材にご協力いただきまして誠にありがとうございました。「社員の幸せを第一に考える」創業からの精神を大切にしながら、永続する企業になるために営業手法を大幅に変え、積極的に新規事業や海外事業を展開した坂井社長。社員のワークライフバランスの充実を図りながら、同時に業績も伸ばし続ける同社が今後どのような成長を遂げていくのか、取材をしていてとても楽しみになりました。今後もますます、同社の発展に期待してまいります。

掲載企業からのコメント

取材を通して、社長に就任してから様々なことにチャレンジしてきたことを思い出しました。新規事業への参入や、ベトナム・中国をはじめとした海外進出…。改めて、失敗を恐れずにチャレンジしてきたことこそが、未来を切り拓くために必要なことだったと思います。またそれを支えてくれたのは、紛れもなく一生懸命働いてくれている社員です。これからも社員、そして社員の家族の皆様への感謝を忘れずに、邁進していきたいと思います。

昭栄印刷株式会社
1959年
設立
1992年
東京事業部開設
菊半4色機導入
1996年
加治工場建設
菊全4色機導入
2001年
CTPシステム導入
2004年
印刷工場増設
菊全8色機導入
2006年
製本工場新設
高速無線綴機・高速中綴機・紙折機導入
環境マネジメントシステムISO14001認証取得
プライバシーマーク認証取得
2008年
品質マネジメントシステムISO9001認証取得
2009年
昭栄ベトナム設立
2010年
昭栄チャイナ設立
2011年
昭栄ベトナム バクニン印刷工場設立
大阪営業所開設
2012年
エスプレス・メディア出版設立
2014年
厚生労働省認定「くるみん」認定
2018年
自動断裁システム導入
経済産業省認定「地域未来牽引企業」認定
2020年
厚生労働省認定「プラチナくるみん」認定
2022年
中綴製本システム導入
2024年
UV印刷機導入
創業年(設立年) 1959年
事業内容 印刷物全般/企画・デザイン・見本帳制作/
web・モバイルサイト制作/システム構築
所在地 新潟県新発田市住田97
資本金 1500万円
従業員数 100名
会社URL

昭栄印刷株式会社