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株式会社成田デンタル

株式会社成田デンタル 代表取締役 石川典男

都市機能の充実した幕張新都心や幕張ベイタウンを擁する区として知られている、千葉県千葉市美浜区。そんな都市の中心に、日本初、全国約170社ほどある技工所のネットワーク化に成功した会社がある。それが株式会社成田デンタルだ。歯科医師と歯科技工士をコーディネートするビジネスモデルを構築し、同じ業界では成田リンクシステムとして名を馳せている。変わりゆく時代の中で、消費者と生産者の架け橋となるべく、常に業界最先端の取り組みを続けている。そんな同社もここまで順風満帆に成長してきたわけではない。今回は紆余曲折を経て、見事業界トップクラスの売上を誇るまで成長した同社の軌跡を石川社長に伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

明るく、元気で、アットホーム

「明るく、元気でアットホームな社風です」石川社長は自社の社風をそのように語った。これは、自然と出来上がった社風ではなく、同氏が強い想いを持って創り上げた社風であるという。成田デンタルは2000年から新卒の採用をスタートし、「とにかく元気」で「自分より相手のことを考えることができる」人材を採用し続けた。地道に採用活動を行った結果、明るく、元気でアットホームな社風ができあがったのだという。採用活動を行う中で、同社の社員は学生に対して「どこから来たの?」「部活は何をやっているの?」など自発的に声を掛ける社員が多数いるという。そのため、同社が合同説明会に出展する際、学生を大歓迎の姿勢で迎えることが非常に多く、その結果、多くの学生が集まる。約20年間で石川社長がつくりあげた社風により、同社では今日も明るい声が飛び交っている。

「下請けをつくらず、下請けにならない」このビジネスモデルが成田デンタルの独自性

成田デンタルのビジネスモデルは個人技工所と歯科医院を繋ぐことである。関係性を構築する上で、下請けをつくらず、下請けにもならない。これこそが同社の独自性と言える。一般的には歯科医院から依頼を受け、同社が個人技工所を繋ぐため、同社が歯科医院の下請け、個人技工所が同社の下請けという構造になりやすい。しかし同社は天地がひっくり返ろうと、下請けをつくらず、自らも下請けにはならない。その理由は、患者様を第一に考えているからである。患者様に満足していただくためには、成田デンタル、個人技工所、歯科医院が一致団結して、製品を届けることが必要だと考えている。だからこそ、歯科医院には、お客様への提案方法を積極的に共有する。個人技工所の営業分野は成田デンタルが代わりに行うため、製造のみに専念でき、得意分野の技工物に注力しやすい状況を作り出せている。この個人技工所、歯科医院とパートナーのような関係性をつくりだした構造を、「成田リンクシステム」と命名し、患者様のニーズに応えてきた。新しいビジネスモデルを業界のスタンダードにしていこうとする取り組みこそが、成田デンタルの独自性なのである。

成田リンクシステムを世に広める。これが石川社長の熱望する目標

「成田リンクシステムを世の中に広めること」が展望であると語る石川社長。同社は先見の明で新たな市場をつくり出したが、競合他社が現れなければ、同業界が衰退していくと考えている同氏。そのためにも成田リンクシステムの認知度を向上させ、世の中に浸透させることが至上命題だという。構想を叶えるためには、歯科業界の市場3,000億円の1割、300億円の売上をつくることが必要であると語った。一般的には独占市場をつくりあげ、競合他社がでないことを願う企業も少なくないだろう。しかし、競合他社が出てくることを願う石川社長は、業界全体を成長させたいという思いを強く持っている。また、長きにわたり、アナログであった職人の世界は、デジタルへと移行しようとしている。それに伴い、歯科業界の現代化を牽引していきたいという想いも持っている。世の中へ良い影響を与えたい。そう本気で思う石川社長の挑戦はまだまだ続く。
社員旅行の様子
社員とのコミュニケーションを
大切にする石川社長
成田デンタルが提案する
オリジナル製品群

成田デンタルが大切にしていること

創業時に苦労されたことはありますか?

実を言うと、成田デンタルは、私が新卒で入社した会社の先輩とスピンアウトし、創業しました。創業してから4年間は、あまり売上も伸びず、上手くいかない日々が続きました。そして、ある日事件が起きました。見兼ねた先輩が借金を残し、夜逃げしてしまったのです。結局先輩は帰ってこず、借金を残したまま会社を去ることになりました。自分も逃げ出したい気持ちもありましたし、助け船を出してくれる方もありがたいことにいらっしゃいました。「ここで逃げたら、逃げ癖が付いてしまう。また同じような状況になった時に自分は乗り越えられるだろうか。いや乗り越えれず逃げ続ける人生を繰り返してしまうだろう。だったら、今辛いけど、この苦難を乗り越えてやろうじゃないか。」そう考え、逃げずに戦うことにしました。もともと、技工士が開発や製造のみではなく「営業」を行っていることに疑問を持っていたため、営業を肩代わりして貢献しようという思いも持っていたので、その分野で絶対成功してみせようと日々精進してまいりました。現在はその分野に磨きがかかり、成田リンクシステムができたので、あの時諦めず、努力した甲斐がありました。

なぜ21年ほど前から新卒採用を始められたんですか?

しっかりとした社風をつくりたかったからです。新卒採用を始める前の成田デンタルは、規律の欠けた集団だったと思います。売上さえ上げていれば無断で遅刻する社員も多数おり、とてもじゃないですけど、同じ方向を向いて走っているとは言えませんでした。会社を上場させることも視野に入れていたため、このままではまずい、何とか会社を良い方向へ導く術はないのか。そう考えた時に真っ先に思いついたのが新卒で社員を取り、新たな風土をつくりあげることです。採用活動は私自身が説明会から参加して学生と会いますし、それは今でも継続して行っています。合説などで学生を案内し、登壇して話すと、学生からはすごく驚かれますね。これからも同社にマッチした学生に入社してほしいと考えておりますので、採用活動には携わっていきます。

業界トップの売上を目指す上での戦略を教えてください

業界トップの売上を目指す上で大切なことは、市場を自分たちで作ることだと考えております。市場を作り出す上で重要なポイントは、お客様の声に耳を傾けることだと思います。実際に、弊社ではお客様からの声を聞き、新たな製品が開発された事例もあります。例えば、「笑ったときに入れ歯の銀の部分が見えて、なかなかうまく笑えない」というお客様からの声を聞き、食事以外で装着でき、銀の部分が見えない、大切な人や場所に出向く場合のお出かけ用入れ歯を技工所に提案し、開発に至りました。これからもお客様の声を聞き、ニーズに応えられるような製品を提供していきたいですね。

成田デンタルの未来を担う
社員からの人望も厚い若き採用リーダー

株式会社成田デンタル
幕張本社
採用グループ 主任  田辺輝明

「文化祭などのイベントで盛り上がるような人たちと一緒に働きたい」という想いから新卒で入社した田辺主任。6年間営業職で経験を積み、石川社長の声掛けをきっかけに5年前から同社の採用に携わるように。確かな実績と経験を積み重ねた結果、昨年度から、採用グループの主任を任されることになった。石川社長は「優秀な人材でなければ優秀な人材を獲得することはできない」と考えている。そのため、採用担当の主任に抜擢された田辺主任には大きな期待を寄せていることがわかる。そんな未来の成田デンタルを担う若きホープに「なぜ同社に入社したのか?」や「今後、どのような事を成し遂げたいか」などを伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

きっかけは、説明会で受けた成田デンタルへの好印象

千葉で育ち、大学卒業後、新卒で入社した田辺主任。歯科業界に興味を持っていたわけではなかったのだという。当時、自分自身に根拠のない自信を抱いていたと語った同氏は、人柄を売りにする「営業職」を希望していたという。80社から90社ほど見た中で成田デンタルを選んだ理由は、説明会の時に感じた同社の「社風」であった。中学校からバレーボールをやっており、文化祭や体育祭などのイベントには、いつも先陣を切って盛り上げ役を買って出ていた。同社には、イベントで盛り上がるようなタイプの社員が多くいることに説明会を通して感じることができたのだという。そして、選考を重ねていき、三次選考を受ける頃にはいつの間にか第一志望の企業になっていた。見事採用を勝ち取った同氏は、入社後、持ち前の人柄と根気で結果を出し続けている。現在は主任という立場から会社を支えている存在として活躍している。

成田デンタルのキーマンとして生きる

営業での成績が認められ、5年前に採用担当の主任へ抜擢された田辺主任。抜擢された当時は試行錯誤を繰り返しながら、採用活動に臨んでいたという。そんな同氏は、学生に近い目線で接しており、密なコミュニケーションを取るため、自身が採用に関わった学生から入社後、お兄さんのように慕われた時に、「自分は頑張ったな。ひとつの成果を出したんだな」とやりがいを実感するのだという。石川社長が学生に対して「なぜ成田デンタルを選んでくれたの?」と聞くと、「田辺さんが良かったから」と答える方も多いらしい。採用担当に抜擢した石川社長も、そういった話を聞くと嬉しいのだという。入社後もプライベートの面で相談されたり、若手の成長を見れることに喜びを感じるという同氏。入社前のみならず、入社後も兄のように慕われる同氏が採用活動に携わっているため、明るく、元気でアットホームな社風がつくられているのだろう。

成田デンタルの新事業を確立させる

成田デンタルとして、歯科業界の人材に関わる新事業を確立させたい。田辺主任は力強く目標を語った。そのような考えに至ったのは、同氏が採用担当に就任する前、まだ営業を担当していた頃。歯科医院へルート営業を行っている時に、多くの先生方から「衛生士をやりたいって言っている人いませんか?」と度々尋ねられたという。考えてみると歯科医院が増える一方、歯科衛生士の数はそこまで増えていないため、各所で人材不足という問題が起きている。この状況を打破すべく、自身が人材に関わる事業を営み、一度リタイアした人などを紹介できるような事業を確立し、業界全体を盛り上げていきたいのだという。自身がこれまで培った営業や採用のノウハウを駆使し、新事業の確立を目指す田辺主任は、これから入社してくる若い人材にとって、大きな道標べとなっていくだろう。
業務に勤しむ田辺主任
和気あいあいと
選考を進める田辺主任
社員と積極的に
コミュニケーションを取る様子

成田デンタルの未来を担う田辺主任の想いとは

成田デンタルで活躍されている方の特徴を教えてください

弊社で活躍している社員の特徴は「おせっかい」、「連絡がまめ」、「感謝の気持ちを持って誰にでもありがとうと言える」この3つの特徴を持っている方が多いように感じます。前述の特徴を持ち合わせている社員はルート営業で顔を合わせる先生や自身の後輩から慕われたり感謝されており、結果に繋がっていると思います。やはり営業職はお客様に好かれることが大事だと思います。そのため誰からでも好かれる人というのは強みになると思います。感謝されるということは自身の励みに繋がるため、仕事を頑張れる要因にもなりますし、特に患者様から直接「ありがとう」と言われるあの嬉しさはたまらないですね。

田辺さんから見た石川社長は、どのような存在ですか?

よく会社の父という表現を使う会社はありますが、本当にそんな感じですね。心底信頼していますし、どこか安心感のある方ですね。今でも全社員の誕生日には必ず石川社長から祝福の電話が届くので、ありがたいですね。あと、本当に怒ったところを見たことがないです。いつもおだやかで優しいんですけど、時には「10年後に売上300億円を目指す」など志高い言葉をかけてくれるため、会社に一体感が生まれています。個人的には石川社長と仕事の帰りに、ディズニーランドの花火を車で見たことも良い思い出ですね。ただ、綺麗な花火を見る時、隣にいるのが男の自分で申し訳ないと思いましたけど。(笑)

新人が入社した時に田辺主任が約束できることはなんですか?

お兄ちゃんのような立ち位置から、悩みごとを解決していきたいですね。新卒で入社すれば、まず最初、営業を行います。私は採用担当なので別部署になるんですね。別部署であるからこそ、出せる価値もあると思うんですよ。直属の上司には話しづらいけど、別部署でありフラットに考えられるからこそ、相談しやすい人もいると思うので、そういった時に力になれたら良いですね。自分は秘密は絶対に守る主義なので、何でも相談いただけるとありがたいです。社会人1年目はわからないことだらけだと思うので、失敗しても大丈夫です。「明るく」、「元気に」、「前向きに」、仕事をしてくれる仲間を募集しています。

監修企業からのコメント

本日は取材をお受けいただき誠にありがとうございました。創業から苦難の連続であったにも関わらず、ひたむきに努力されてきた石川社長に、我々も負けてられないと非常に前向きな影響を受けました。また200名を超える従業員数の日報を全員分チェックしたりと社員に対する想いは、社員が活き活きと働ける原動力なのだと感じました。これから売上で日本一を目指す株式会社成田デンタルに注目です!

掲載企業からのコメント

今回の取材で、これから目指していくものを整理することができました。当面の目標である売上300億円を達成するために、まだまだ歩みを止めるわけにはいきません。今後も全社員一丸となり、社会の変化に対応し続け、成田デンタルの新たな歴史を創り上げていきます。我々の進化に注目いただけますと幸いです。

株式会社成田デンタル
1983年   歯科技工の製造販売を目的として、株式会社成田デンタルラボを
       資本金200万円で千葉県成田市に設立
1983年   本店を千葉県富里市に移転。称号を「株式会社 成田デンタル」と改める
1991年   将来に備え、本社を千葉県成田市に移転。「成田リンクシステム」を構築
1998年   千葉県知事より中小企業創造促進法による認証取得
2007年   グッドカンパニー大賞 特別賞受賞
2014年   SmileTRU Japan株式会社(マウスピース型歯列矯正)子会社設立
2017年   オリジナル入れ歯洗浄剤「入れ歯作りのプロが開発した入れ歯洗浄剤。
      (Denture Cleanser Premium)」販売開始
2020年   社長の石川が日刊工業新聞社「第38回優秀経営者顕彰」最優秀経営者賞 受賞
創業年(設立年) 1983年
事業内容 歯科技工物の製造・販売業務
歯科医療事業所に対してのコンサルティング、経営指導
所在地 千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1 WBGビルマリブウエスト21F
電話:043-213-8788
FAX:043-213-8223
資本金 9,000万円
従業員数 331名
会社URL

株式会社成田デンタル