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リングアンドリンク株式会社

実績が語る技術力と 驕ることのない挑戦の姿勢

リングアンドリンク株式会社 代表取締役社長 金丸 信一

同社ほど、変遷を経てきたメーカーはないのではないだろうか。一般的に、中小企業のメーカーは1つの技術を極めていく傾向があるが、同社は時代に合わせて会社を変化させてきた。1965年、部品加工メーカーとして同社は誕生した。だが今では、オーダーメイドで精密検査装置などの製造をし、不動産支援ソフト事業を全国展開するなど、革新に次ぐ革新を起こしてきたのだ。2代目社長である金丸社長は、2度の経営危機を乗り越えて同社を成長させてきた。中でも不動産ソフト事業は、経営危機の渦中、1人の社員と2人だけで立ち上げ成功させたというから驚きだ。今回の取材では、現在もなお、新たなビジネスを生み出すために挑戦を続けている同社の、根底にある原動力を探っていく。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

信頼の根底には「誠実な社風」があった。

「誠実な社風」があると金丸社長は語るが、それは言葉通りの意味だけではない。同社が倒産の危機に陥ったとき、会社を潰さないため、社員のために奔走していることを社員に信じてもらうために、経営計画や財務情報も含め、会社にある全ての情報を社員に公開したのだという。それから15年、内にも外にも「やると言ったことはやる」など、誠実に経営を続けてきた結果、社員にもそれが文化として根付いた。上司が部下に「任せる」と言えば、失敗を覚悟の上で、最後まで任せる。良い製品を作るために、皆でフォローできる体制を取ることができるように、良い情報も悪い情報も全ての情報を共有する。など、互いを信頼していなければ難しいことが、この社風があるからこそ当たり前のように行われている。金丸社長も「今では何を言っても信じてもらえるようになった」と社員との信頼関係を実感している。経営層と現場が信頼で結ばれている同社は、今後も誠実さを基盤に発展し続けていくに違いない。

圧倒的な経験値と、それを支える「諦めない精神」。

同社の独自性は、圧倒的な経験数に裏打ちされた技術力と、諦めない精神である。この20年間で受けたオーダー数は、ライバルと言われる会社の2倍にあたる2万件だ。設計から行う会社でここまでの数をこなす会社は他にない。しかもこの2万件のうち、できなかったオーダーは1つもないというから驚きだ。これは「社員の諦めない精神があるから実現できた」と金丸社長は語る。「やると言ったらやる」という誠実な社風のもと、社員は諦めるということを絶対にしないという。オーダーメイドを行う企業の中には、途中で投げ出してしまう企業もあると言うが、同社は絶対に投げ出さない。難しい仕事に対し「どうしたらできるのか」を話し合う時も、他社にはない経験値があるからこそ、解決できる問題も多い。この絶対に投げ出さない仕事ぶりが信用され、さらに仕事を任されることでまた技術力が積み上げられる。技術力と信用の好循環が生まれている同社の進化は留まることを知らない。

会社一丸となって挑戦していく。

「自社製品を作りたい」それが金丸社長の語る同社の展望だ。同社は大量のオーダーを受けることで身に付けてきた圧倒的な技術力がある。金丸社長はその技術力を「ロケットを作ることもできる」と表現する。まさにどんなものでも作ることができる技術力があるのだ。しかし、これまでは受注したものを設計から手掛けてきており、それだけでも他社には真似できないのだが、それはあくまでも「設計」であると語る。そして、これからは0から1を創る「開発」を行っていくと言うのだ。培ってきた技術力はどこにも負けない。そこに開発が合わされば鬼に金棒である。しかし、この挑戦は社員と一丸となって行わなければ成功は難しい。そこで、金丸社長は自分から「これをやる」とは言わず、社員からの提案を受け入れることを大切にしているという。一丸となるためには「任せる覚悟」が必要であると考えているのだ。現状に満足せず、会社一丸となって挑戦をしていく同社であれば、必ず成功させるに違いない。
毎年多くの講演を行ってきた金丸社長
社運をかけて開発した不動産支援ソフト
今年も新たな仲間が増える

安心して挑戦し、成長していける環境がある

―リングアンドリンクが発展してきた理由を教えてください。

営業に力を入れてきたことですね。製造業では、営業に力を入れていない会社も多く見受けられますが、今は良いものを作れば売れるという時代ではありません。そのため営業に力を入れなければ、仕事がなくなってしまいます。そうなると社員が高めてくれた技術力を発揮する場所もなくなります。その点弊社では昔から営業に力を入れていて、営業社員の成果に対する評価水準も他社よりも高くしています。技術力を高めることは製造業として当然のことですが、営業にも力を入れてきたおかげで潤沢な仕事量を確保することができました。その潤沢な仕事量のおかげで数をこなせたことで、結果として技術力も上がっています。営業に力を入れてきたことが今の技術力を育んだと言っても過言ではありません。

―社員育成についてどのような考えをお持ちですか?

まず私は、社員を子どものように思っています。最初6名しかいないところから今の規模になったのですが、社員の協力なしにはあり得ませんでしたし、私自身苦労して会社を大きくしてきました。そのため、自分の子供と同じように、真剣に育てようと思っています。その上で気を付けていることはタイミングです。鶏は卵から孵る時、親鳥が外から嘴で雛の手助けをします。実はそのタイミングがベストの日の前日でも翌日でも雛は死んでしまうといいます。ベストのタイミングでなければ、どちらにとっても良い結果にならないのです。そのため、弊社ではベストなタイミングで時間を使って育成することに力を入れています。入社してくれた方たちが少しでも成長できるように力を尽くしていきます。

―どのような方に入社してきて欲しいと考えていますか?

成長意欲の高い方に入社してきて欲しいですね。弊社には豊富な経験を積むことや、安心して挑戦し成長していくことができる環境があります。ジョブローテーションを積極的に行っており、製造の工程を網羅できるだけでなく、その他の職種も様々経験することができるので、これだけでもを大きく成長できるでしょう。また、上場を検討した時期があり、監査に耐えられる制度・環境を整えました。その時につくった制度・環境はそのまま運用しています。そのため、安心して挑戦したり、仕事に打ち込める労働環境が整っているのです。弊社のこの環境を思う存分活用して、自分の成長につなげていって欲しいと考えているので、ぜひ、成長意欲やチャレンジ精神旺盛な方に入社してきて欲しいですね。

「常に疑問を持つ」それが成長の源泉

リングアンドリンク株式会社 精密製品事業部 精密システム課 齋藤 元章

「彼の成長スピードには驚かされた」と齋藤さんについて金丸社長は言う。齋藤さんは入社3年目の新卒入社社員だが、ただの3年目ではない。社長や執行役員から「信じられないほど仕事ができる」と評価されているのだ。齋藤さんは入社間もなく頭角を現し、その成長スピードは、新入社員研修からたった1ヶ月でオーダーメイド品の設計を任されるほどに早かった。私たちがお会いした時、齋藤さんからは成長してきたからこその自信が感じられた。そして、取材を進める中で、齋藤さんの成長が早い理由が明らかになってきた。今回の取材では、誰もに真似して欲しい成長の秘訣と、同社の社員が精力的に働ける環境の詳細を伺った。

伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い

毎日新しい経験と成長が待っている。

オーダーメイド製造を行っていること、製造の工程全てを社内で行っていることが入社の決め手だと、当時を思い出しながら語る。齋藤さんは、大学時代に機械工学を専攻していたことから、加工を行う仕事をしたいと考えていたという。就職活動を行う中で、1つの製品に長く携わる会社にも出会ったが、毎日違う仕事ができる同社の環境が、齋藤さんに合っていた。また、オーダーメイド品の設計から加工、組立、電気、デバックの全ての工程を経験できることも魅力的だった。実際に、入社してから最初の2年間は設計、今年は組立と、様々な工程に関わることができている。そして毎日違う仕事に携わり、様々な工程を経験できる環境だからこそ、日々成長を感じられているという。業務において、入社前後のギャップが存在しないだけでなく、活き活きと働いている様子が齋藤さんから伝わってくる。齋藤さんにとって、同社の環境はまさに望んでいた環境であると言えよう。

努力するほど、働くことが楽しくなる。

齋藤さんのやりがいは多岐にわたる。設計を担当していた時、立体的な設計をPCで行うソフトである3DCADを使用し、自分で1から設計図を描いたものが目の前で動いているのを見た時の喜びはひとしおだったという。組立を担当している現在は、限界まで精度を高められた時に達成感を感じている。様々な工程に関わることができるからこそ、やりがいも多くなる。特に印象に残っているのは、入社1年目に行った設計だ。入社間もない頃、同社が普段扱うものよりも大きな製品の設計を任され、それを1人で描き上げて納品し、お客さんから「1年目だとは信じられない」と言ってもらえた時の達成感は今でも忘れられないという。仕事をする上で、様々なやりがいを感じられること、仕事を任されることは、前向きに仕事に取り組むための大きな原動力になるだろう。齋藤さんが精力的に仕事に打ち込めているのも納得だ。やりがいが多く、仕事を任せる風土がある同社には、楽しみながら成長していける環境が整っている。

いつまでも成長意欲を持ち続ける。

「先輩たちに追いつき、さらに会社に貢献していくこと」それが齋藤さんの目標だ。今でも、社長や執行役員から「仕事ができる」と評価されている齋藤さんだが、その齋藤さんにして「足元にも及ばない」と言わしめる先輩が存在するという。その尊敬する先輩の知識・経験を吸収して、今よりも会社に貢献することが齋藤さんの目標なのだ。十分に評価されながらも、人から学んで成長しようとする姿勢に、齋藤さんの謙虚な人柄が表れている。そして、さらなる力をつけていく中で、自分よりも大きなサイズの製品を、今よりも多く手掛けていきたいと考えている。実力が試される仕事であり、この目標からも齋藤さんの成長意欲が感じられる。3年目にして会社から全幅の信頼を置かれながらも、成長し続ける齋藤さんならば、必ずや成し遂げることだろう。成長し続けようとする姿勢を持つ齋藤さんは、同社の事業と、共に働く仲間の両方に大きな影響を与え続けるに違いない。
知識・経験豊富な社員が多数在籍する
設計からデバックまで行える 環境が整っている
新しい設備の導入も積極的に行う

同社ならではの成長環境

―どのような後輩と一緒に働きたいですか?

製品を見て「何でこういう形なんだろう」「どうしてこうなるんだろう」と疑問を持てる人、そしてそれを解決していける人と働きたいですね。自分で「何故?」と感じて、人に聞いたり調べたりして解決していく人と、人に教わったことだけをやっている人だと、やはり成長の度合いが違います。私もこれを実践して、自分の引き出しが増えてきたことで、今の自信や余裕に繋がっていると感じています。また、弊社はオーダーメイド製造を行っているので、知識を自分で増やしていける人ほど、仕事に幅が出てきて楽しく働けると思いますね。自分自身そうして知識を付けてきたので、後輩にも、何を聞かれても答えてあげられるような姿勢や知識を持っていようと思っています。

―入社前後で感じたギャップはありますか?

会社のフレンドリーな雰囲気に驚きましたね。製造業ということで、皆が黙々と作業をしている環境を想像していたのですが、実際はフレンドリーで、ベテランと若手が気兼ねなく話ができる環境でした。例えば、作業の工程が違えば場所も違うのですが、別の工程の先輩がわざわざ様子を見に来てくれることが多々あります。普通は担当が違うからとか、管轄が違うからとかで直属の上司以外教えないということがあると思うのですが、そのようなことは一切なく、全部署で新人を育てようとしてくれてるのが分かりました。そのような環境なので、どの先輩にも気軽に質問もできるし、伸び伸びと仕事をすることができています。誰が入ってきても、良い人間関係が築ける環境があると思いますね。

―齋藤さんが思う、リングアンドリンクの魅力は何ですか?

弊社はオーダーメイド製造を行っているのですが、その1つ1つの製品を設計から行っていること、様々な工程を担当させてもらえるところです。私は入社して最初の2年は設計、今年は組立を担当していますが、複数の工程に関われることで日々成長があります。また、組立を行う際、普通は紙の設計図を見ながら行うのですが、設計を担当していたことで3DCADを扱えるので、組立の時にも3DCADを用いて組み立てることができます。そのため、より精度の高い組立を行うことができるのですが、これは他社ではまずあり得ません。全ての工程が社内で行われていることと、様々な工程を自分で担当できるからこそ、他社では得られないスキルを身につけることができるのが魅力ですね。

監修企業からのコメント

取材をさせていただく中で、「誠実さ」が一貫しているからこそ発展し続けているということがヒシヒシと伝わってきました。そして、社風は長年の積み重ねによって定着していくということと、どのような社風があるかで企業の強さが左右されるということを学ばせていただきました。新たな挑戦が成功することを楽しみにしています!

掲載企業からのコメント

この度は取材をしていただきありがとうございました。一緒に取材を受けた社員から学ぶこともあり、有意義な時間となりました。この記事には弊社の魅力が多く載っています。この記事を読み、弊社に興味を持たれた学生さんがいらっしゃれば幸いです。成長意欲のある学生さんは、ぜひ弊社に入社して思う存分成長してください!

リングアンドリンク株式会社
1965年08月 東京都保谷市(現西東京市)に、
           機械加工部品メーカーとして創業(個人事業主形態)
1986年11月 会社設立、有限会社金丸精機製作所とする
1992年11月 埼玉県所沢市に所沢工場を開設
1997年01月 リングアンドリンク株式会社に改組
1998年06月 資本金を4,000万円に増資
1998年06月 資本金を5,000万円に増資
1999年08月 北海道函館市に函館事業所を開設
2001年07月 中小企業創造活動促進法認定
2001年09月 埼玉県所沢市に本店移転
2001年09月 @ドリーム発売
2001年12月 函館事業所を閉鎖
2002年07月 埼玉県所沢市に所沢第二工場を開設(本社隣接)
2004年02月 ISO9001認証取得(工場、ソフトウエア)
2007年03月 ISO14000認証取得(工場、ソフトウエア)
2008年04月 所沢第三工場を開設
2008年10月 資本金を8,688万円に増資
2013年05月 「@dream倶楽部」創設
2016年12月 中小企業等経営強化法「経営力向上計画」認定
創業年(設立年) 1965年(1986年)
事業内容 ■精密製品事業 精密検査装置、半導体製造装置、研究開発に用いられる機器など幅広い製品をオーダーメイドで開発・販売をしています。 ■ソフト事業 不動産支援システムのソフト開発やホームページ制作とその営業。さらにお客様サポートと一体化したシステム開発を行っています。
所在地 〒359-0027 埼玉県所沢市大字松郷151-51
資本金 8688.2万円
従業員数 66名
会社URL

リングアンドリンク株式会社