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フジコン株式会社

フジコン株式会社 代表取締役社長 大島右京

フジコン株式会社は、「端子盤」と呼ばれる、電気を流す上で必要な電線をつなぐ電子部品を開発、製造を行う専業メーカーである。
創業当初は端子盤以外も扱っていたが、創業者である大島要二現会長が「端子盤一本でいく」という方針に舵をきり、結果として同社の強みを生み出していく形となった。
今回取材するのは、2015年に二代目社長として就任され、様々な社内改革を進める大島右京社長。
アフリカ・コンゴの平和活動であるサプールの応援や、7つの委員会やスタープロジェクトなど社員の主体的な活動など新しいことに挑戦し続けている。本取材では、大島社長が思い描く「ユニークな会社」の理想像やこれからの挑戦に対する想いを紐解いていく。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

経営コンセプトに沿って、主体的な社員が息づく社風

大島社長が社風について語る中で、同社では、企業理念である「幸せづくり。笑顔づくり。」が体現されている。そして経営コンセプト図の中にある「健康経営」とは、創業当初から継続されている"幸せや笑顔の根源は心と体の健康にある”という考え方。「経営者自らが率先して運動に取り組み、健康を志すことで全社員が心と身体の健康を通じて、尊重し合える組織が生まれる」と大島社長は語る。実際に、幹部層は『運動目標』というプライベートで運動するための目標設定を実施。また、東京・山梨どちらの事業所でも、毎日全社員でラジオ体操を実施している。このほか23項目もの評価基準に基づき審査され、100点満点の評価を受けて「健康優良企業」に認定されていることから、健全な風土が出来上がっていることが伺える。そうした環境だからこそ、同社の社員が生きがい、働きがいを感じることができるのであろう。

お客様に合わせた変幻自在の応用力

フジコンの独自性は、お客様の要望を叶える変幻自在の応用力である。
大島社長が語るように、50年以上の歴史の中で進化させてきた業界No.1の品揃えがある。その資産を活かすために、お客様がカスタムしたり、セレクトオーダーできる仕組みが同社には存在する。セレクトオーダーシステムとは、端子盤の一部部品を目的に合わせて、形状や用途、サイズを選ぶことができるものだ。例えば、ねじ式の端子盤の標準品に対して、これまではお客様が別購入しなければならなかったねじを、同社の商品一覧の中から選び、組み合わせることが可能である新サービスを展開している。このサービスは、お客様の手間をなくすことで、同社への信頼は一層高まり、お客様の抱える問題を解決してくれるかけがえのない存在へとなりつつある。これからも、同社は応用力を用いて今まで紡いできた大きな資産を活用し、お客様の感動を提供し続けるであろう。

業界随一のユニークな会社

「ユニークな会社にしたいんです」声高らかに展望を語ってくれた。
業界内で、どのようにお客様から選び続けてもらえるのか。それは、"他社ではできないことができる"。これがお客様から選ばれる理由であり、大島社長が言うユニークさである。
例えば、同社には"スタープロジェクト”という製造業とは思えないような事業を行っており、その中の宇宙ビジネス事業では社員一人ひとりのスター性を発掘し、輝くことを目指したプロジェクトなど、面白い取り組みが多く存在する。
また、社名の由来も独特である。
創業当時、世間では漢字の社名が一般的であったが、世界を意識して横文字のカタカナの社名を選択するユニークなことも要素の一つだ。
創業者から大島社長まで引き継がれてきた同社のユニークさが、今後どのように輝いていくのか注視していきたい。

    

未来を創る 次世代幹部

フジコン株式会社 営業部 課長 髙荒勇次(右) 技術部 開発設計課 課長代理 岡田満(左)

今回の取材では、2人の社員にお話を伺った。営業部の課長である髙荒勇次一さんと技術部の課長代理の岡田満さん。お二人とも、同社の次世代幹部である。髙荒さんは18年目の社員で、37歳という若さで幹部層の会議に参加しており、新たなお客様のニーズを一つでも多く満たすため、日々営業の強化に努めている。
岡田さんは、13年目の社員。設計としてお客様のニーズに応えようと、現状に甘んずること無く、技術を磨き続けている。お二人とも部署は違えど、フジコンの未来を創るため、日々仕事に励み続けている。フジコンの社員として、そして1人の人間としてお客様に向き合うお二人の仕事に掛ける想いを伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

心落ち着く社風がフジコンにある

〈髙荒〉工業系の高校を卒業後、地元、山梨のために何かできることはないかと考え、面接を受けた髙荒さん。 求人では、4人採用とのことであったが、実際は5人採用され、今でも同期とは将来のことを語り合えるほどの関係だと話してくれた。 〈岡田〉前職の経験を生かしたいと考えて仕事を探していた時に、偶然に求人を見つけたという岡田さん。入社後は、普通の会社では経験させてもらえないような、新製品開発に関わる業務を任され、やりがいを持って仕事をする中で、意見が通りやすく、風通しの良い社風が同社の良さの一つだと感じるようになったという。 取材訪問時も同社の風通しの良い社風を伺うことができた。取材前に大島社長がお二人にポケットチーフをつけてあげる様子や、受付で社員の方が笑顔で温かく迎え入れてくれる様子など、アットホームな社風を心から感じることができた。きっと、その空気に誘われて、またそのような人材が入社してくることがフジコンの社風をつくっているのだろう。

お客様の笑顔を見れること

「この部分だけ変えたいのだけど、どうにかならないか」と困り顔で相談をしてくるお客様が、岡田さんのもとに集まる。同社の最大の強みである業界一の品揃えを駆使して、顧客のニーズを実現まで導くこと。それができた時のお客さんの笑顔は、それまでの努力が報われるほどに嬉しいと岡田さんは語る。 髙荒さんは営業でお客様先を訪問する際、"必ず1回は笑顔にさせる”と心に決めていると語る。そこには、一つひとつの笑顔が積み重なれば、最後は受注につながると信じているからである。初訪問時は、厳しい表情を浮かべていたお客様が、何回も訪問する過程で温厚な表情へと変化して、受注にたどり着いた経験が髙荒さんのやりがいとなっているのだ。このように、同社の未来を創造していくお二人が「幸せづくり。笑顔づくり。」を体現されている。

次世代幹部が打ち出す「若手勉強会」

若手の勉強会を発足したメンバーのお二人。髙荒さんは、30代で唯一、幹部層の会議に参加する社員であり、若手社員の引き上げが必要だと感じていた。今の幹部層が築き上げてきたフジコンの良いところを守り、継承して、自分たちのような若い世代が新しい風を吹き込み、フジコンを新しいステージに押し上げていきたいと考えていた。そこで、同じ想いを抱いていた岡田さんや髙荒さんの同世代が加わり、4人で一致団結して、若手社員を対象とした勉強会の開催を大島社長に直訴。大島社長からは、「面白いな、やってみよう」との声を貰い、勉強会を開催して若手社員に対して自分たちの価値観を語り合う場を用意した結果、大成功。お二人は、「世代だから、年齢だからといった垣根をなくし、自分たちの思いを表現して、フジコンの幸せ創造企業になるというビジョンと向かえたら良い」とおっしゃっていた。若手勉強会からフジコンの未来を担う人材が生まれることを願い、挑戦を続けるお二人が会社をさらなる発展に導いていくのだろう。

フジコンの未来を担うお二人の想い

初めて若手勉強会を開催した感想を教えてください。

〈髙荒〉次世代と呼ばれる世代が持っている価値観を、仲間に共有できたことが良かったと思います。次世代の社員には、良いところは良い、悪いところはなくしていくことが必要です。それがこの勉強会を通じて、共に学び、共に成長することができたと感じました。
〈岡田〉部署間での交流がないため、お互いの仕事を知らない、関心が薄い状態でした。それがこの勉強会を通じてお互いを理解しあうことができる場所を生み出すことができました。今後、若手勉強会を定例化することが決まり、社員同士の交流の輪が広がっていくと思います。

髙荒さんの新たな挑戦について教えてください。

企画販促という営業に使用する資料を作成する仕事です。以前、使用していた営業資料は白黒で写真があまり載っておらず、見にくい営業資料でした。それを3年前から商品のカラー画像を多く盛り込み、素材感が分かるように営業資料の改編を行いました。そうすることでお客様から「カラー画像を使っているからわかりやすくて良いな」というお褒めの言葉をいただきました。お客様に今までの先輩方が守り続けてきた商品を今まで以上に理解してもらえるように、わかりやすい営業資料を作っていきたいです。

岡田さんが行っている仕事の魅力はどんなことですか。

関わる人々の想いを汲み取り、それを具現化し満足してもらえることが魅力ですね。
お客様から直接お話を伺うと、「フジコンさんが最後の望み」だと難易度の高いご要望をいただくことがあります。それが自身の中で難しければ難しいほど必ず要望に応えてあげたいという、達成意欲につながっています。そこから、お客様や営業の社員と打ち合わせを行い、一つひとつを具現化していき、完成までを責任をもってやり遂げること。これは開発から製造までできる、私ならではの仕事の醍醐味であり、1つの商品が完成した時には、何にも代えがたい感動がありますね。

監修企業からのコメント

創業から現在まで業界の最先端を走り続けてきたフジコン。2015年3月より社長に就任した大島右京社長は、創業当初からの「つなぐ」の精神を守りながら、フジコンをスター製造工場にしようと日々奮闘されている。大島社長のユニークな会社にしたいという想いに触れて、私も胸が熱くなりました。ユニークな会社として、さらなる高みを目指すフジコンのご活躍が本当に楽しみです。

掲載企業からのコメント

この度は取材をしていただき、ありがとうございました。取材を通して、弊社の取り組みを社内外に発信できる良い機会になったと感じています。今後も様々なことに挑戦し、ユニークな会社を追求し続けていきます。

フジコン株式会社
1966年4月  電子部品メーカーとして設立。
1968年4月  端子盤専業メーカーに転換。
1976年12月  川崎市高津区に川崎事業所を建設。
1978年10月  "社団法人発明協会より端子盤の発明、開発に対し発明奨励賞を受賞。"
1978年10月  "エンジニアリングプラスチックPBT使用の端子盤を開発、シリーズ化に成功。"
1978年10月  "端子盤とコネクタの両機能を持つコネクタンシ(端子盤コネクタ)の開発に成功。"
1980年10月   業界で初めてUL規格のシリーズ認定を受ける。
1984年4月 "山梨県南都留郡西桂町に山梨事業所を建設。自動化ラインによる生産を開始。"
1990年3月 山梨事業所第二工場建設。
1992年7月 TUV規格認証取得。
2000年9月 ISO9002認証取得。
2003年12月 ISO9001:2000認証取得。
2005年10月 川崎事業所を東京本社へ集約。
2006年9月 山梨事業所にてISO14001認証取得。
2007年10月 全社にてISO14001認証取得。
創業年(設立年) 1966年(1966年)
事業内容 電子部品(端子盤およびその付属品)の製造販売
所在地 東京都大田区久が原3-32-4
資本金 5000万円
従業員数 80名
会社URL

フジコン株式会社