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株式会社モトックス

株式会社モトックス 代表取締役社長 寺西太亮

今回取材させていただいたのは、大阪府東大阪市に本社を構える株式会社モトックス。世界中のワインの造り手と日本の酒販店や飲食店、そしてその先のお客様を結びつける。それがモトックスの仕事である。同社はこれまで世界の約2000銘柄を扱い、現在も同社自慢の目利きたちが味とコストパフォーマンスに秀でた無名の銘柄を発掘することで、ワインの可能性を広げている。その力は名誉ある賞(中小企業IT経営力大賞2012にて「経済産業大臣賞」を受賞)を受賞するほど。そんなワイン業界を牽引する同社の代表である。寺西社長に、ワイン業界の過去から現在、そして未来の展望について伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

素直で自由、そしてチャレンジングな社風

「社員が素直で自由、そしてチャレンジング」と社風を語る寺西社長。社員一人ひとりが自立しているからこそ、成り立つ「自由」なのだという。実際に社内マニュアルを大事にしつつも、社内外の改革へ積極的な声を挙げる人も多い。なぜここまで社員から声が挙がるのか。それは「なぜこの業務を行っているのか」という「本質」を常に考えながら働いているからだという。「作業」ではなく考え、行動する社員が集まることで、寺西社長が目指す「チーム経営」が実現できているのだろう。ただ仕事をするだけでなく、一人ひとりが自立し、自己実現を追求している人が集まる同社だからこそ、モトックスの未来が明るく見える。

豊富な知識からお客様に寄り添った提案を

商品をリスペクトし、お客様に寄り添った提案を行うこと。それが同社の独自性だと語る。ワインの奥深さは無限大で、一生をかけても、知り尽くすことはないと考えている。だからこそお客様が望むものに少しでも近づける努力をすることこそが、同社が出せる価値だという。同社の社員は留学経験や、勉強熱心な社員が多いため、一人ひとりのワインにおける知識量は豊富であるという。しかし、アカデミックな提案を行うだけではなく、「ワインの専門家」でありながらも「一般的な感覚」は常に忘れず、提案をするべきだと考えている。実際に同社は、要望を聞き、お客様が親しみやすい価格と品質の提案に強いこだわりを持っている。幅広い知識と、顧客に寄り添った提案を行う同社だからこそ、2000種を超えるワインの中から、お客様にとって最適なワインを供給できているのだろう。

人々の暮らしの身近に「ワイン」を

「ワインをもっと身近な存在として感じてもらいたい」と寺西社長は展望について語った。ワインと聞くと「高級レストラン」や「Bar」など格式高い場所で提供されるイメージを持つ人が多いのではないだろうか。同氏はそのイメージを覆し、家庭の「食卓」や「晩酌」の場面など、身近な存在として広めたいと考えている。現在は、コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの飲食店が時短営業を迫られており、お酒を楽しむ方法も変化してきている。この大変な局面だからこそポジティブに捉え、ワインを今以上に知ってもらうことが、現在モトックスに与えられたミッションだという。そのため、ワインはもちろん、ワイングラスなどの関連する商品も、直接消費者に展開することを図る。日本を代表するワイン商社が本気を出した今、誰もが想像したことのない「ワインが身近な生活」が訪れることだろう。
昭和34年の
元なしや商店事務所と倉庫
豊富な種類のワインを
取りそろえるモトックス
お客様に寄り添った提案を
行う様子

モトックスが大切にしていること

モトックスの創業時のことを教えてください

モトックスの創業は1915年で、創業時は「元なしや」という社名でスタートしました。社名の由来は「正真正銘、元手なし」、いわばゼロからのスタートということで創業者が命名しました。元手はなくとも創意と努力で事を成し遂げようとする創業者の精神は、今も弊社の大きな支えとなっています。現在は全国に規模を拡大してきました。知名度も上がってきましたが、個人として、また会社としても社会からもっと必要とされるために、これからも我々は歩みを止めることはありません。

すでに備わっているモトックスの強みを教えてください。

自信をもってご案内できる自社の製品を持っていることです。ワインは生産される国や地域、品種や醸造方法などによってさまざまな個性を持ちます。ワインを実際にお買い上げになるお客様の好みも多様化しています。弊社はこれまでお客様のニーズをIT技術等を駆使し、調査検討を続けた結果、「コストパフォーマンスが高いこと」「プレゼンテーションが良いこと」、そして「産地や品種の個性が十分に表現されていること」という3つの基準へと辿りつきました。「美味しいワインをいつもベストの状態でお届けしたい!」。そんな想いを持っているからこそ、ワイン選定と同じくらい、品質の維持にも高いレベルでこだわっています。そのこだわりがあるからこそ、お客様に自信を持って提案することができるのです。

今後モトックスに新たな課題が出た場合どう解決しますか?

出てきた課題を解決するために、意見を幅広く集めて、全員で向き合いたいですね。弊社は大阪本社と東京、札幌、九州の3つの支店があるため、拠点同士の連携も不可欠なんですよ。縦関係のみではなくしっかりと拠点間で力を発揮できる環境を整えることも使命だと考えております。その一つの施策として、全拠点合同で「販促企画プロジェクト」や「日本ワイン販売促進プロジェクト」など多数のプロジェクトを定期的に開催しています。社員同士で話し合い、積極的に会社に提案してくれるので、こちらも全力で社員の声に耳を傾けますし、評価もしています。トップだけで解決するのではなく、全社員が主体的に動いてくれるため、すごく助かっています。会社を発展させるには重要な取り組みだと考えております。

会社の未来を切り開く若きホープ

株式会社モトックス
大阪営業部
近畿小売チーム課長 池川大喜

今回お話を伺った池川課長は入社6年目になる営業部の社員。「根っからの営業好き」と満面の笑みで語る池川課長は、持ち前の明るさと誠実さで多くのお客様から信頼されている。イタリアへの留学経験もあり、本場のワインを身近で感じている同氏は豊富な知識と、お客様への熱意で多様なニーズに応えている。お客様に寄り添い、ワインの最大価値を提案する同社の仕事は、池川課長にとってまさに天職ともいえるだろう。今回の取材では営業職に情熱を燃やす同社の若きホープに、会社に対する想い、そして、今後の目標について伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

偶然の出会い、モトックスの理念に惹かれて

池川課長はモトックスの理念が、入社の決め手であったという。同社は「Serviceable Company」を実現するために”個人の成長””会社の発展””社会に貢献”を理念として掲げており、池川課長は中でも”個人の成長”という理念に惹かれたのだという。モトックスを知ったのは、現在の直属の上長である方と、たまたま九州のワイン試飲会のイベントで出会ったのがきっかけである。もし興味があればと誘われ、選考が進む中で徐々にモトックスを知り、理念、そして社員一人ひとりの能力を伸ばし人格を高めることを重視することを知り、「絶対ここなら成長させてもらえるな!」と思ったのだという。メンバーの目標を達成に結び付けるという新たな挑戦を語る池川課長の姿からは、この入社当時の思いが実現している様子が見られた。

お客様の“望み”を叶えられること、これが池川課長のやりがい

「お客様の“望み”を叶えられることがやりがいです」と笑顔で答える池川課長。根っからの営業好きであり、自分の人柄を通じて、自社製品の普及によってお客様の問題解決をすることがやりがいだという。モトックスが取り扱うワインは世界各国の400以上の生産者が造り出す年間2,000種以上に及ぶため、他社と比べてもかなり種類は豊富で、商品知識、お客様のニーズをしっかりと把握しなければ、お客様が真に望むワインを提供することはできない。その中でも「今までよりも良くしよう」「ちょっとずつでも良くしていこう」という小さなレベルアップや改善を日々積み重ねることで成長し、お客様のニーズに応えてきた。同社は積極的に動き、成長意欲のある人にとって、最適な会社と言えるだろう。

部下の成長と会社の未来に向けて

池川課長は仕事上で大きく2つの目標を掲げているのだという。 一つは現在、新しいチームの課長として4名のメンバーを抱えているが、そのメンバーが成長し、各自で立てている目標を達成することが一つの目標であるという。マネジメントする中でメンバーの可能性を引き出すことが重要だと考え、メンバーの目標達成を支援している。 もう一つの目標は新規事業の立ち上げである。食の専門商社を目指すモトックスが新たに手掛けていくのはワイン以外の製品。今も手掛ける「水」「ワインテイスト飲料」「オリーブオイル」のみならず、さらなる生活に身近な製品の拡充が予想される。現状維持は衰退だと考える池川課長。会社が成長するためにも、まだまだ歩みを止めるわけにはいかないと意気込んでいる。「後輩の育成」「新規事業」とチャレンジを続ける池川課長の姿は、同社を成長させるために大きな力になるだろう。
業務に勤しむ池川課長
お客様と商談する様子
ワインセミナーを行う様子

モトックスの未来を担う池川課長の想いとは

どんな人がモトックスで活躍されていますか?

やっぱり主体性を持っている人ですかね。優秀な大学を出ているとか、そういった過去のことはあまり関係なく、社会人になってからが勝負だと思うので、自分でしっかりと考えて行動できる人が活躍しているのではないでしょうか。モトックスは研修制度も充実していますし、行動すれば成長できる環境は整っていると思います。例えば、ワイン業界ならではの「ワインスクール」のみならず、弊社独自の勉強カリキュラムも存在し、社会人としての心得である考え方なども研修で学ぶことができるので、成長でできる環境が備わっていると思います。後輩たちには、しっかりと経験を積み、自己実現を叶えてほしいですね。

池川課長はどのようなキャリアを描いていますか?

現在は課長という立場で自部署を任されている状況なんですけど、ゆくゆくは今会社に何が必要かを常に考え、新事業の立ち上げなどにも興味をもっています。モトックスは将来食の専門商社を目指す中で、「水」「ワインテイスト飲料」「オリーブオイル」など、まだまだ販路を開拓するチャンスは残されていると思うので、そこに挑戦してみたいです。そのためにも、現在会社から任されている、チームをまとめるというミッションを全うし、しっかりと結果を残すことが求められると思うんですよ。一歩一歩着実に階段を上り、成果が出た時には、社長に申し出て新たなチャレンジを試みたいと考えております。

モトックスの強みを教えてください

モトックスの強みは社風にあると思います。現在拠点が「大阪」「東京」「福岡」「北海道」と4拠点あるんですけど、全拠点を巻き込んだプロジェクトがあるため、本当に各拠点間の風通しが良いんです。寺西社長と社員の距離も近いです。たまにゴルフやご飯も誘ってもらったりもしますし、そのおかげでプライベートも充実しています。部署関係なく楽しく接し合えることもモトックスならではの魅力だと思います。クラブ活動や社員旅行、運動会などのイベントも定期的に開催されるので、これらの活動を通して人や食文化に触れる機会が多く、共通の楽しみも見つかり、新たな交友関係を築くこともできます。これから共に働く仲間にも、公私共に、充実した生活を送ってほしいですね。

監修企業からのコメント

モトックス様は、寺西社長をはじめ、社員の皆様がとても活き活きとしており、明るい印象を受けました。おそらく、社内のコミュニケーションがしっかり取れる環境づくりを寺西社長が率先して行っているからだと思います。この度はワイン業界のトップをひた走る、伝統と挑戦の革新企業様とご縁をいただきありがとうございました。

掲載企業からのコメント

今回このように当社についてお話したことで改めて見直すきっかけとなりました。取材を受けたことで、自社の歴史を振り返る良い機会となりました。新規事業展開に向けて、様々な取り組みを考えておりますが、お客様との関係を大切にしながら、これからも精進して参ります。

株式会社モトックス
1915 9月25日に「元なしや」創業(創業当時は屋号なし)
1920 寺西太吉誕生。
1930 酒販店に専業。「元なしや」が本格的に酒屋として出発。
1932 大阪府中河内郡小坂村大字中小坂四八〇番地に、元なしや本店店舗完成。
1945 創業30周年。大阪大空襲の為「美春」焼失。戦後の食糧難の中で地元の方々に安く食品を提供するため、マル五商会設立。
1954 株式会社元なしやを設立。
1970 寺西太吉 代表取締役社長 就任。
1987 ・輸入ワインの取り扱い開始第1号はフランスワイン・奈良の名酒「白滴」を(株)今西清兵衛商店と共同開発し発売
1988 ・寺西太吉 大阪卸酒販組合 理事長 就任・ドイツワイン 販売開始・寺西太吉 全国卸売酒販組合中央会 副会長 就任
1992 「株式会社モトックス」に社名変更。
1993 ・モトックス独自開発地方名酒「良酒百撰」シリーズを立ち上げる・橘ビル3号館竣工・寺西太吉 勲五等瑞宝章 瑞宝双光章 受賞
1996 寺西太一  代表取締役社長 就任
2005 ・創業90周年・輸入ワインの売上50億円を達成・大手酒類メーカーの特約店権利を返上、ワインと地方名酒の販売に特化
・オーストリアワイン輸入開始
2012 中小企業IT経営力大賞2012にて「経済産業大臣賞」を受賞。
2015 創業100周年。
2018 寺西太亮 代表取締役社長 就任
創業年(設立年) 1915年
事業内容 ■ワイン・酒類他の販売他
■不動産賃貸
所在地 大阪府東大阪市小阪本町1丁目6番20号
資本金 3,000万円
従業員数 200名
会社URL

株式会社モトックス