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株式会社英國屋

株式会社英國屋 代表取締役社長 小林英毅

東京都の銀座でフルオーダースーツの製造、販売を行っている銀座英國屋。今回は、同社の代表取締役社長の小林英毅様にお話を伺った。取材を通して小林社長の口から何度も「信頼」と言う言葉が出てきた。この「信頼」こそ、銀座英國屋が発展し続けてきた根源である。オーダースーツを通じたお客様からの「信頼」は勿論のこと、安心して働き続けられる環境を提供することで社員からも「信頼」を得ているのだ。様々な方から「信頼」を得ている銀座英國屋。事業を行う中で小林社長はどのようなことを大事にしているのか、同社の社風、独自性、今後の展望も踏まえて詳しくお話を伺った。

伝統の継承と未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

従業員の共通認識、「信頼と安心を大事に」

徹底しているのは「お客様に信頼していただくこと」と語る小林社長。お客様から信頼していただいてこそ、安心して銀座英國屋にお任せいただくことに繋がるからだ。店舗では、社員同士でお客様の情報を共有し、担当しているスタッフ以外でも、現在の服の制作状況やどのような生地を好んでいるのかなどを把握している。小林社長は「服の状況を聞かれて、担当者しか分からないのでは、安心に繋がらない」と話す。お客様に安心して銀座英國屋に来てもらうためには、信頼してもらうことが重要である。担当社員とお客様が、一対一で信頼関係を育てるのは勿論のこと、さらに社員全体でもお客様と向き合うようにしている。だからこそ「銀座英國屋に任せておけば安心」という言葉をお客様からいただく機会が多いのだ。銀座英國屋が創業当時から大事にしてきた「お客様が安心できる雰囲気をつくる」という考え。この考えを社員全員が大事にしているからこそ、長い歴史を築き上げることができたのだ。

信頼を得られる装いを

「信頼を得られる装いを提供する」銀座英國屋が一番大事にしていることであり、どこにも負けないポイントである。小林社長は「信頼を得られる装いを提供しているからこそ、銀座英國屋に任せておけば安心だよねと言われる」と話す。「安心」という言葉はアパレル業界では聞き馴染みのない言葉だが、銀座英國屋を支持しているお客様からこの言葉をよくいただくという。アパレル業界において「おしゃれ」や「かっこいい」などファッションに関する言葉はよく聞くが、「安心」という言葉はあまり言わない。お客様に「信頼を得られる装い」をご提供しているからこそいただける言葉である。長い歴史の中で英國屋はオーダースーツを通じた安心感のある装いを提供してきた。今まで数多くの安心を届けてきたからこそ、銀座英國屋は創業当時からお客様に選ばれ続けているのだ。まさに、今まで積み上げてきた信頼の賜物である。

ビジネスウェアなら銀座英國屋

今後「ビジネスウェアなら銀座英國屋」と認知をされていくことが小林社長が思い描く展望である。そのためには、すでに銀座英國屋をご存知のお客様に今まで以上に魅力を広めていくこと、銀座英國屋のことを知らないお客様が第一歩を踏み出しやすい入り口をつくることが必須となる。魅力発信については銀座英國屋の価値を広めることを大事にしていく。世の中には数多くのスーツを販売している会社があるが、銀座英國屋はただスーツだけを販売しているわけではない。ある時は自信をつけるため、ある時は相応しい装いを、販売している。また、第一歩を踏み出しやすい入口づくりにも注力している。2020年からスーツの無料オーダー体験についてホームページで発信している。小林社長は「新しいサービスをつくり出すのではなく、もともとある物の根本は変えず、見せ方を変えていく」と話す。今まで長い歴史の中で培ってきたものを積極的に発信し、表現の仕方を変え、新たな年代の方たちに銀座英國屋の魅力を伝えていくことがこれからの未来をつくる鍵となる。
品格ある店内の様子
英國屋のオーダースーツ
様々なメディアで使用された
英國屋のスーツ

現在、大事にしていること。そして、これからの未来について

「ビジネスウェアなら銀座英國屋」と言われるためにどのようなことを行いますか?

ホームページのコラムや、SNSなどのWEB媒体を用いて価値のある情報を提供していく必要がありますね。情報を開示することがお客様からの信頼にも繋がると思っているからです。具体的に「オーダースーツの選び方」や「ネイビースーツの着こなし方」など、スーツに関する情報や弊社で作成したコラムの一部分を切り出して発信するなどお客様にとって価値のある情報を提供することを意識しています。大事にしていることは中立的で嘘偽りない情報を発信することです。情報発信の目的は信頼を得ることなので、誇張するような表現をしたり、あたかも自分たちのスーツは良いみたいな表現をしても押し売りをしているような形になってしまうので、常に信頼を得るということを頭の中に入れ、お客様にとって価値のある情報を発信していきます。

働く環境について意識していることはありますか?

お客様と接するのは経営陣ではなく店舗の社員なので、社員のために良い労働環境をつくることを意識しています。そのためには、社員満足を向上させること、働き甲斐がある環境をつくることが必要です。そして、社員が働き甲斐を感じるためには「チームワーク、成長の実感、公平性、誇り」この4つが大事になってきます。特に成長の実感と誇りは非常に重要な要素です。日々の業務の中で今までできなかったことができるようになることで自身の成長を実感します。そして、自身の成長に繋がる仕事をしていることに誇りを感じてもらえることが社員の働き甲斐、社員満足の向上、最終的にはお客様満足の向上にも直結すると考えています。

経営する上で大事にしていることを教えてください!

先代には先代の良さがある。そして、その時代を引っ張ってきた社員にも良さがある。私が意識していることは銀座英國屋の歴史がつくってきた良さを生かし続けることですね。現場の社員が成果を出せるような環境をつくることが社員からの信頼を得られる方法だと気付いたからです。例えば、私は何かを始める際に40年間銀座英國屋で働いてきた取締役に意見を伝え、彼が納得しないものに関しては行わず、納得するまで話し合います。周りの人が成果を出しやすい環境をつくることが会社の成果を上げることに繋がりますし、最終的にはお客様からの信頼にも繋がると思っています。これからも、銀座英國屋が今まで大事にしてきたことを生かし続けることを意識し、新たな取り組みを行っていきます。

様々な角度から 銀座英國屋の魅力を広めていく

株式会社英國屋 植村香菜

銀座英國屋で広報や採用、さらには小林社長のアシスタントにも従事している植村香菜様。スタイリスト職で入社後、入社当時から興味を持っていた広報や採用の仕事など、キャリアの幅を広げている。植村様が今後思い描いている未来は銀座英國屋の魅力をより多くの方に知ってもらうことである。魅力を広めるために今までとは違う情報発信の方法を模索するなど今後も新たな取り組みを行っていく予定だ。広報や採用など様々な業務に精通しているからこそ、会社の魅力を深く感じている。そんな植村様に銀座英國屋の魅力や現在のやりがい、今後取り組んでいきたいことについて詳しくお話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

エグゼクティブのお客様から学び、成長したい

「エグゼクティブのお客様から学ばせていただき、人として成長できる環境がある」そこに植村様が中途入社を決意した理由がある。植村様は和装の販売を行う会社に新卒入社をしている。そしてより幅広く学び、経験するために洋装を扱っている銀座英國屋に中途入社した。入社当初、スタイリストとして様々なエグゼクティブのお客様と関わった経験が自身の成長に繋がっていると感じている。現在は広報や採用、さらに社長のアシスタントを行うなど幅広い業務を行っている植村様。これからの銀座英國屋の歴史をつくる一員として、よりキャリアの幅を広げていく姿が目に浮かぶ。

「人との温かな関わり」がやりがいの根源

「社内外で関わる方は、温かなお人柄の方ばかり。そのような方と日々関わることができるのがやりがいです」植村様がやりがいについて話した時に初めに出た言葉である。スタイリスト職時代に出会ったお客様を始め、優しい方と多く関わることにより、自身も温かさを意識し、自然と誰かのお役に立ちたいと感じているのだ。現在、植村様は社長・役員のアシスタント、広報や採用など多岐にわたる業務を行っており、社内外の様々な方と関わりがある。数多くの方と関わる機会があるからこそ、会社の考えに触れる機会も多く、銀座英國屋について様々なことを吸収しているのだ。そして現在、植村様は吸収してきたものを生かし、周りの方に恩返しをしていきたいと考えている。「広報や採用、アシスタントの仕事は多岐にわたるようで、全部が繋がっている。会社の方針を知ることや広報でお話しした経験が生かされ、選考学生により分かりやすい説明ができるようになるなど、一つの仕事が他の仕事にも繋がっている」と語る植村様。数多くの温かさに触れているからこそ、より一層「何かできることはないか」という気持ちが生まれるのだろう。

銀座英國屋の魅力を広めていく

今後の夢について植村様は「銀座英國屋の魅力を広めていくこと」だと語る。植村様は入社当時から採用に関わる仕事に興味を持っており、今は現実のものとしている。現在の立場になってからその想いがより膨らみ、より多くの人に銀座英國屋の魅力を伝えたいと思っている。情報発信の選択肢を増やし、今以上に銀座英國屋の魅力発信に磨きをかけていく予定だ。また、銀座英國屋のことを知らない人に知ってもらうため、スタイリスト職の魅力や職人のこだわりなど銀座英國屋の社員だからこそ知っている魅力を広めていきたいと考えている。これまで広報や採用など数多くの業務を行い、銀座英國屋の魅力を最前線で感じてきた植村様は、今後よりその魅力を外に伝えていく。
英國屋が大事にしているお客様との密なコミュニケーション
生き生きと働く
植村様の仕事風景
後輩に何事も丁寧に指導する
先輩社員の姿

銀座英國屋の魅力を広めるためには

植村様が感じる銀座英國屋の魅力を教えてください!

「人の温かさ」に多く触れることができ、もっと頑張ろう!と思える環境が1番の魅力だと感じています。例えば、スタイリスト職時代の、お客様との出逢いも印象的です。私の出勤日に合わせてご来店していただいたり、また洋服のことでいろいろなアドバイスを求められたり。時には私自身のプライベートにも興味を持っていただき、様々なお話をさせていただきました。このような時間を通して、人として成長したいと思い続けられることも銀座英國屋の魅力だと感じます。

敷居が高いと感じている人に向けてどのような取り組みをしていますか?

人の温かさが魅力の一つでもあるので、一歩入ってもらえたら安心する場所であることを伝えていきたいですね。現時点では、敷居が高く入りづらいと感じているお客様も多く、実際にそのような声もいただいています。無料のオーダー体験などを通して、銀座英國屋に対する敷居の高さを払拭できるような取組みを行っていきたいですね。まずはお気軽にご来店いただきたいです。そのため、情報発信も無料オーダー体験のみならず、広報や採用の仕事を通して数多くの窓口を持ち様々な方に発信していくことも大事だと思います。最初の一歩を軽やかにするのが広報や採用の仕事の一つでもあるので、今後も色々な角度から銀座英國屋の魅力を伝えていきます。

会社を良くするために取り組んでいることはありますか?

若手がさらに成長でき、長く楽しく働ける環境をつくっていきたいと思います。具体的には、社内研修を整備し、若手が感じている悩みや疑問を相談しやすい存在でありたいです。今いるベテラン社員は、接客のプロフェッショナルなので、すごく勉強になると思います。先輩から学んだことを生かし、様々にキャリアを広げながら、長く働ける会社になるように。こうして銀座英國屋がますます長くご愛顧いただける会社になるようにと思っています。

監修企業からのコメント

この度は、取材のご協力をいただき誠にありがとうございます。
長い歴史を誇る株式会社英國屋。今までの歴史の中で何を大事にしてきたのか小林社長から直接伺うことができ、非常に勉強になりました。特に「信頼を得る装い」という言葉はとても印象的でした。今後の進化にも目が離せません!

掲載企業からのコメント

取材を通して改めて自分たちが何を大事にしているのか、今後どのようなことをしていくのかを再認識することができました。今後も今以上に英國屋の魅力を発信できるよう様々なことに取り組んでまいります。我々の活動に注目いただけますと幸いです。

株式会社英國屋
1940年 創業者小林新三郎が日本橋丸善裏に小林洋服店を開業
1952年 銀座英國屋として旧銀座四丁目店を現三越新館正面入口付近に出店
1964年 国際注文服業者連盟の国際総会を小林新三郎が全日本洋服組合連合会 の理事長として日本に誘致、開催する
1973年 オーダースーツ縫製工房(エイワ株式会社)でグループ縫製の研究を開始
2001年 オーダースーツ縫製工房を銀座英國屋グループとして迎え入れる
2011年 「純粋な黒」を実現した「銀座英國屋の黒礼服地」を開発&発売開始
2020年 「無料オーダー体験」を開始
創業年(設立年) 1940年
事業内容 オーダースーツの製造販売(メンズ、レディース)
所在地 東京都中央区新富1-7-4 阪和別館ビル2
資本金 1,800万円
従業員数 92名
会社URL

オーダースーツ銀座英國屋(東京銀座・東京赤坂・大阪梅田・大阪阿倍野・名古屋・京都・奈良)