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株式会社イズミ

株式会社イズミ 代表取締役 長田篤彦

株式会社イズミは、ダイカスト業界で一般的と言われる自動車部品のみならず、医療製品・計測器・産業機械などの分野を主な取引先として事業を拡大している会社である。長野県諏訪市において、創業当時、さほどニーズがなかったダイカストに着目したのが始まりだ。株式会社イズミでは、創業以来、時代に先駆けた設備投資を次々と行い、独自の製品を多品種少量生産、且つ一貫生産体制で提供して事業を展開してきた。今までに築き上げてきた考え方やノウハウを継承しつつ、社員と共にさらなる進化を続けている株式会社イズミの長田篤彦社長にお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

仕事にひたむきに取り組む

「働く社員は真面目な気質で、常に協力し合う体制で仕事に取り組んでいるのがイズミの特徴」と話す長田社長。また、専門的な知識が要求されるこの仕事の中で、どれだけスキルを向上させようかを常に考え、積極的に学ぶことを大切にして知識の習得に努めている社員が多いという。この特徴、長い年月の中で育まれたものであり、イズミの誇れる文化と言える。例えば、業務中に様々なトラブルや問題が出てくる中で課内で仕事をうまく回せずに困っている人がいたらアドバイスをする、手の空いている人が応援に入るという体制をつくり、業務効率の向上や品質の安定化に繋げている。社員たちは、イズミの社訓である「努力・協力・実現」を常に念頭におき、創業時から現在に至るまで日々の努力を怠らず、また協力体制を築き上げてきた。そうして、より短納期で高品質の製品をお客様へ提供することを実現している。

景気に左右されない多彩な商品ラインナップ

市場全体で見ると、ダイカスト生産による製品の8割は主に自動車製品である。しかし、イズミは自動車製品に偏ることなく、工場自動化分野のセンサー、計測器、医療関連機器、産業機械関係など、様々な分野の製品提供を行っている。例えば、医療分野では眼科向けの検査装置、診断装置などの部品や人工透析装置の部品などを生産している。受注製品数が多い理由を長田社長に問うと「一つの分野に依存しないことで、景気に左右されずに安定した業績を残し、社員を守りたいから」と答えた。複数の分野・取引先との関係性を長きに渡って構築してきた同社。ダイカスト部品生産だけではなく、マシニングセンターを地域内でいち早く導入し、二次加工まで一気通貫で行える体制をつくるなど、付加価値向上にも努めてきた。その結果、景気の波に左右されづらいビジネスモデルが構築され、コロナ禍においても受注量も安定しており、売上に大きな影響は出なかった。こうして築き上げてきた多彩な商品ラインナップが今のイズミをつくっている。

社員が「誇り」を持てる会社でありたい

長田社長は「縁あって入社した社員には仕事に対して誇りを持ってほしい。だからこそ、やりがいや誇りを追及する会社となるように心掛けている」と話す。その言葉の根底には、自分の仕事について、家族や友人、地域の方々など関わる全ての人に誇りを持って語れると、働く意欲がさらに増す上、より幸せを感じられるという考え方がある。会社で過ごす時間は長く、人生の大半を占めると言っても過言ではない。それを単なる「作業」として捉えて日々を過ごすのか、誇りを持って仕事に取り組むのか。前者と後者では、働き方や幸せの感じ方は大きく異なる。近年では、今までにはなかった省人化に繋がる産業機械の登場や自動車の電動化へのシフトによる部品点数の減少などにより、ダイカストメーカーの競争は激化している。そんな状況について長田社長は「厳しい業界を生き抜くためには、今以上に社員が仕事に対する『誇り』を持って働けるようにし、それによる社員の成長、その先にある会社の成長を大切にしたい」と話した。
最新鋭機を導入し
「多品種少量生産」を
可能にしている
受注製品数の多さがイズミの業績
社員の幸せを支えている
三次元測定機の活用など
各工程間で徹底した
品質検査を実施

社員一人ひとりが活躍できる会社にするために

ご自身が大切にされていることを教えてください

現地・現物でものを見ること、事実をもとにしっかりと判断することです。仕事で言えば、机にずっと座っているだけの社長にはなりたくないですし、なるべく現場で起こっていることをしっかり目で見ることを心がけています。経営者という立場上、会社経営のために様々な考え方や知識をインプットするようにしていますが、それ以上に大切にしていることは「現場で起こっていることを把握すること」だと改めて気付かされることが多いです。特に経営者になってからは物事を決断し続けていくことが増えたため、自分の目で見て確認すること、事実をもとにしっかりと判断することをより意識するようになりました。

社員が活躍できるように会社として
大切にしていることを教えてください

社員に対し、正当な評価をすることがとても大切だと考えています。人には様々な欲求がありますが、認められることは誰にとっても嬉しいことだと思いますし、それが社員にとってのモチベーションに繋がると思います。その基準、つまり評価基準は会社の方針に沿っているかという点で判断しています。社員一人ひとりの考え方や価値観は様々ですが、社員が会社に対する共通認識を持つためにも評価基準を明確にしています。例えば、弊社の社訓である「協力」に関する評価基準を設けることで、「自分が良ければ問題ない」という考え方ではなく、「積極的にコミュニケーションを取ろう」と思える状況をつくっています。正当に評価し続けることで社員が会社に定着すると思いますし、より活躍できるようになると考えています。

社員に求めていることを教えてください

「自分から進んで学ぼう」「やってみよう」と行動する姿勢です。もちろん、部下に教えることや指示することはありますが、会社は学校ではないですし、「自ら進んで学ぼう」「やってみよう」というスタンスで働くことが大切だと思います。難しい仕事もあるため、誰しも最初は失敗することもありますが、それを怖がらずに積極的に取り組める人であってほしいですね。そのためにも「なぜそのような指示を受けたのか」「なぜその仕事をこの手順でする必要があるのか」を作業を始める前に考えることが大切だと思います。会社の成長のためにも、社員一人ひとりの成長が必要になりますし、これからも「自分から進んで学ぼう」「やってみよう」という姿勢を大切にしてほしいですね。

監修企業からのコメント

お話を伺う中で、イズミ様が大事にする「努力・協力・実現」という社訓一つひとつを大切にしているということが伝わってきました。また、長田社長の社員への熱い想いや現場を大事にする姿に社員が共感し、全社員が一丸となって歩んでいるのだと感じました。

掲載企業からのコメント

今回、取材をしていただいたことで、自分自身の取り組みについて改めて考えさせられる機会になりました。一つひとつのことに対し、何のためにしていることなのかと、目的に立ち返ることができましたし、今まで進めていたことが間違っていなかったと気付く機会にもなりました。

株式会社イズミ
1953年06月 長野県諏訪市において精密機器ダイカスト製品製造に着手。
1955年09月 法人に改組、発足。
1960年09月 設備近代化5ヵ年計画着手。金型製作設備の導入。
      長野県茅野市に工場用地取得。ダイカスト製品加工・組立工場の建設。
1968年10月 長野県諏訪市に工場用地取得。総工費1億5千万を投入。
      第一期工事として金型工作工場とダイカスト製造工場完成。
1971年06月 現在地に第二期工事として、1億円を投入、本社社屋建設。
      株式会社イズミに組織変更。茅野工場200平方メートル増築。
1976年07月 超精密小型・高精度・省エネルギーダイカスト製品成形開始。
1980年12月 本社隣接地に総工費3億5千万円を投入、第二工場の建設。
      MC・NC設備を導入し金型工場の近代化を計る。
1982年06月 加工工場に2億円を投入しMC・NC加工に転換。
1985年09月 資本金総額9千5百万円に増資。
1987年07月 第三工場完成。超精密小型ダイカスト製品成形増設。
1993年10月 本社隣接地にテクノ工場建設。
1996年01月 長田司 社長就任
1997年07月 ISO9002認証取得。
2000年06月 テクノ工場にNC旋盤を導入し精密旋盤加工開始。
2003年07月 ISO9001:2000認証取得。
2006年06月 ISO14001:2004認証取得。
2014年10月 長田篤彦 社長就任
2018年04月 ISO 9001:2015・ISO 14001:2015認証取得。
創業年(設立年) 1953年6月
事業内容 ダイカスト金型設計製作
アルミダイカスト部品製作
所在地 長野県諏訪市中洲4600
資本金 9,500万円
従業員数 100名
会社URL

株式会社イズミ