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小田原ガス株式会社

小田原ガス株式会社 取締役社長 原正樹

1913年に神奈川県小田原市にて創業した小田原ガス株式会社。創業当時、小田原市内1,100戸への供給から始まり、1953年は足柄下郡箱根町湯本・塔之沢地区へガス供給を開始し徐々にガス供給地域を拡大。1989年には通商産業省よりガス保安功労者として通商産業大臣表彰を受賞。また、阪神淡路大震災や東日本大震災の際には応援要員を派遣するなど幅広く活動している。創業より小田原を始めとする周辺地域の皆様に愛されてきた小田原ガス株式会社。近年では小田原の地域性に合わせ、ガス事業のみならず電力事業やリフォーム事業などにも幅広く手掛けている。今回は、小田原ガスの社長である原正樹氏にお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

小田原の生活を支える、縁の下の力持ち集団

原社長は自社の社風を「縁の下の力持ち」であると語り始めた。小田原ガスは地域の皆様に愛される会社である。それは、ご利用いただいているお客様の生活を支えているからだ。日々の生活で何気なく使用されているガスであるが、原社長は、「だからこそ安定的に供給できることが一番」であると話す。そして、「何かあればすぐに駆け付けることができる」ということが小田原ガスが愛される理由の一つであるという。原社長は、「通常、ガスは不自由なく使用できているインフラであるからこそ、ガス会社の存在が日の目を浴びることは少ない。もし浴びるとするならば、何か問題があった時。であれば、何もない平和な状態が一番である」と話す。これからも、小田原をはじめとする地域の皆様の生活を支える一員でありたいと話す。

ガスだけでなく電力も小田原ガスで

「電力自由化など時代の変化に応じて弊社でも電力会社を開始しました」と原社長は話し始めた。2016年、電力やガスの自由化が開始された。これは、今までエリアで独占できていた販売市場の危機でありチャンスでもあった。原社長はこれをチャンスと捉え、湘南電力と手を組んだ。これまで各インフラごとに担当者や連絡先がバラバラになっていたが統一できる点に目を付けた。それは、小田原の地域を愛し、お客様からも愛される存在になるためには必要なことだと考えていたという。元々、小田原の土地柄もあり、お客様からガス以外の困りごとも頼まれていたという。そこから、ガスだけでなく、リフォーム事業やとある大手家電メーカーと協力して家電販売を行うなど事業は多岐にわたっている。お客様の声から生まれる事業も多いのだという。長年の歴史を受け継ぎつつ、新たな挑戦をしているのが小田原ガスである。

単なるガス会社では留まらない

原社長は「単なるガス会社で留まっていてはもったいないんです」と熱く語った。ガスの自由化開始を皮切りに、これからインフラ事業の自由化や多様化が進むと言われている。これまでは、ひたすら小田原エリアのお客様へガスを供給する業態であったが、これからは様々な付帯サービスを通じて自己発信していくことが必要であると考えているという。また、小田原ガスだけでなく他社との繋がりを活用してシナジーを生み出す必要もあると考えているという。今後の日本における人口の推移や時代の進化に対応し、サービス領域のみならず発信していくことが必要である。その第一弾として、小田原市がSDGs未来都市と選定さているSDGsの啓蒙活動を小田原ガスでも率先的に取り組んでいるという。日々新たな情報へ耳を立て、新たな事業や物事への取り組みを行うことで「ご利用いただいているお客様から、地域の市民から頼られる小田原ガスになっていきたい」と話した。
ガスホルダーを前に100周年の記念撮影
SDGs啓蒙活動としてEV自動車のカーシェアリング
湘南電力で応援している湘南ベルマーレ

原社長から見た社員を教えてください

当社は歴史が長いからこそ、これまで何十年も当社を支えてきたベテラン社員から若く活気のある若手社員まで幅広く在籍しています。当社の未来を描いた時に、若さと活気で柔軟な対応ができる若手社員だけでは力不足ですし、それを補えるのがベテラン社員ばかりでもいけません。お互いが共に知恵やノウハウを出し合うのが重要だと思っています。そのため、私にとっては、どちらもなくてはならない存在であると思います。これからも小田原ガスが地域の皆様に愛されるために、ベテラン社員と若手社員の融合を今以上に活性化させて、小田原ガスだからこそできることをお客様に提供していきたいと考えています。

SDGsへの取り組みについて教えてください

まず、小田原ガスはガスを扱うインフラ会社であり、インフラという社会共通資本を次の世代にしっかりと維持した状態で渡していかなければいけないと考えています。小田原の地は100年以上続く企業も多数存在しているからこそ、小田原エリアの企業一帯が持続可能なものを維持しないといけないと考えています。また、小田原市はSDGs未来都市でもあります。小田原ガスとして、また私個人として、100年以上続く企業の根底にある持続可能なものは他社に先んじて強く意識していく必要があると考えています。小田原市よりSDGs実行委員会の会長に推薦いただいたことからも、まずは小田原ガスからSDGsを発信していきたいと思います。

小田原エリアを守り続けるためにはどんなことを考えていますか

当社には創業から「公益優先」という言葉があります。ガス会社はインフラを支える企業であり半官半民事業であるため経済産業省の許可のもと行っている商売ですが、当社は株式会社として成り立っている以上、社員のためにも儲ける必要があると考えています。そのために我々がお客様に対し、どんなことが行えるのかというと、地域にガスを提供し、お客様の暮らしの安心安全を守る。そしてガスの安定供給と保安の確保、お客様の安全を確保といったまさに縁の下の力持ちという存在になれたらと思います。私が考える小田原ガスは、普段お客様が我々の存在に気づきもしない、気にもしない姿が正しい姿であると思いますし、そうなっていきたいです。

地元、小田原の地で愛されつづける企業へ

小田原ガス株式会社 営業部 開発グループ リビング開発チーム  課長 小嶋尊志様

今回、お話を伺った小嶋課長は1995年に小田原ガス株式会社へ入社。現在、入社25年目であり小田原ガス営業部開発グループリビング開発チームの課長として日々奮闘されている。小嶋課長は、入社当初から化石燃料から天然ガスへの切り替えに携わり、その後も小田原ガスの新規取り組みなど最先端に携わっており、小田原ガスのエースといっても過言ではない。今回は、小田原ガスを知り尽くし、常に新たなことへ挑戦している小嶋課長へお話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

小田原の地で働きたい

大学卒業が近づき、就職先を考えた時に思い浮かんだのは、「地元、小田原の地で働きたい」ということであったと小嶋課長は語り始めた。生まれも育ちも小田原であり、小田原という街を気に入っていたのだという。実家のガスは小田原ガスを使用しており、幼少期には近所で年に一度開催される「ガス展」に家族で参加するなど、小嶋課長にとって小田原ガスは身近な存在であったのだ。そして、小田原の地で働きたい想いを考えた時に、地元のインフラ企業であれば転勤の可能性も少なく、小田原で働き続けられるのではと思ったのがきっかけであった。大学時代にガスに関することを学んでいたわけではないが、当時化石燃料から天然ガスへの切り替えが始まる準備段階であり、小嶋課長も合わせて計15名の新卒採用が行われたのだという。小嶋課長は、幼い頃から馴染みのあった小田原ガスが地域でも愛される存在であると感じ、自身の小田原の地で働きたいという熱い想いも叶えられると感じ、入社を決めたという。

ガスの良さを伝承していくこと

小嶋課長は、「今日、オール電化など進む中で火にしか出せない良さがある」と話す。それは、火がつくりだす温かみであるという。「例えば、暖房や料理でなど、なにかを温めるということに対して、ガスで行われているのか電気で行われているのかでは、人間性として感じる温かみに差があると考えているんです」と続けて語った。他にも、火を扱うことでお子様に対する危険性の教育にも役立つのだと語る。オール電化の家庭に育ち火を身近に知らなければ、「火=熱い」と認識することもなく、それが理由で火傷をしてしまうことだってあるかもしれないのだ。小嶋課長は、「オール電化にはオール電化の良さ、ガスにはガスの良さがあることを認識し、改めてガスの良さを伝えていくことが私たちの使命であると感じています」と話すと共に、「人間の本能としてガスや火を正しく使用していただき、正しく認識をしてほしい」と話した。

総合エネルギー企業になるために

「原社長が発信しているように、小田原で総合エネルギー企業として根差すこと、それを私たちが実現することです」と小嶋課長は話し始めた。生活に必要なインフラも自由化の波を受けて時代対応が必要だと考えているのだという。今までは、エリアを独占できる市場であったが自由化により、各会社での価格競争が始まった。小嶋課長は「これからも小田原ガスをご利用いただくためには、地元の人に愛され続ける企業でないといけないんです」と語った。そのために、「ご利用いただいている皆様に寄り添った存在となり、困ったことがあれば小田原ガスへ、小嶋さんへ聞けば安心となってほしいです」とも話す。電力やガスの自由化だけでなく、何でも答えられる総合エネルギー企業になることで、小嶋課長は「これからも地元の皆様を愛し続け、地元の皆様にも愛してもらえる企業になれるよう我々が尽力してきたい」と語った。
毎年11月開催のガス展
風通しの良い社内
地域住民への感謝を込めてお子様も楽しめるガス展

故郷である小田原のお客様に愛し続けられたい

小嶋課長から見た原社長を教えてください

とてもエネルギッシュでパワーのある方だと思いますね。原社長からは、自らが先頭に立って会社を変革しようという熱が日々伝わってきます。普段、社内にいることは多くありませんが、廊下ですれ違った時や何気ない場面でフランクに話してくださったりします。私にとっては年齢が近いこともあり、他の社員よりも話しやすいということもありますが、そうでなかったとしても若い社員からも原社長へ気兼ねなく声掛けができる存在です。だからこそ、私たち社員も原社長の描くビジョン実現のために、力を合わせていきたいと思っています。

総合エネルギー企業になるために小嶋課長が意識していること

お客様の困りごとを小田原ガスがまるっと解決できたら良いのかなと思っています。言われたことだけを提供するのではなく、プラスアルファを提供をする。せっかくであればガスだけでなく、電力事業やリフォーム事業など幅広く行っているのであるからこそ、お客様と触れ合うタイミングで「うちでこれできますよ」と伝えることを意識しています。お客様から「小田原ガスは何でもやっている」という認識を持ってもらうことが大切であり、お客様から小田原ガスという会社だけでなく、自分という人間に指名が入るまで寄り添いたいですね。お客様への寄り添いから困りごとを何でも相談してもらえることが総合エネルギー企業になるために必要な一手だ思っています。

休日の過ごし方を教えてください

私は、趣味の釣りに出かけていることがほとんどです。娘たちも大きくなり、自分の時間が持てるようになってきました。川や湖での釣りが専門で海には出ないのですが、ボートの免許も取得しましたね。最近では、有給休暇を取得し、釣りに出ることも多々ありますね。これまでは、私自身、有給休暇を取得することがあまりなかったのですが時代の変遷もあり、まずは私たちベテランから取得することで会社としても若手が有給取得しやすくなると思っています。これといって釣り以外に何かをするわけではないのですが、昨年は全て有給消化して釣りに没頭しました。

監修企業からのコメント

この度は、取材をさせていただきましてありがとうございました。小田原の地域のインフラを支えている小田原ガス様にご取材させていただき、地域への愛やこれからも小田原エリアの支えとなっていきたいという熱い思いが伝わってまいりました。
これからの小田原ガス様の発展に目が離せません。

掲載企業からのコメント

この度は取材をしていただきありがとうございました。
改めて会社について話すことで、振り返る良いきっかけになりました。今後も小田原地域に愛される企業になるために、より一層気を引き締めていく所存です。これからもよろしくお願いします。

小田原ガス株式会社
1913年 小田原ガス株式会社 創設
1953年 足柄下郡箱根湯本・塔之沢地区へガス供給開始
1962年 飯泉供給所No.1中圧A球形ガスホルダー完成
1982年 本社屋を新築
1989年 ガス保安功労者として通商産業大臣表彰を受賞
西湘ガス産業株式会社 設立
1995年 阪神淡路大震災により大阪ガス株式会社に応援要員を派遣
1998年 関東熱変共同体熱量変更作業開始
2000年 天然ガス受入設備完成
    (小竹メーターステーション~酒匂受入ガバナーステーション)
2007年 
10月 天然ガス熱量変更作業開始
12月 天然ガス熱量変更作業完了
"二宮ガス株式会社を吸収合併小田原市小竹、中郡二宮町にガス供給開始"
2011年 東日本大震災により仙台市ガス局に応援要員を派遣
2013年 創立100周年
創業年(設立年) 1913年
事業内容 ・都市ガス(天然ガス)の供給および販売 ・ガス機器の販売 ・ガス設備工事 ・プロパンガスの販売
所在地 神奈川県小田原市扇町1-30-13
資本金 20,000万円
従業員数 110名
会社URL

小田原ガス株式会社