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ゼネラルヒートポンプ工業株式会社

ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 代表取締役 柴芳郎

1984年11月、名古屋市中川区で産声を上げたゼネラルヒートポンプ工業株式会社。世界的には20世紀前半から導入が始まっていた「ヒートポンプ」だが、近年の日本では冷暖房だけでなく給湯器や洗濯乾燥機さらには自販機などにも搭載され、人々の日常生活を支えているインフラといっても過言ではないほどの大活躍を見せている。さまざまな種類のヒートポンプの中でも、地中熱などの再エネ熱に特化して事業を行っている同社が高い意識で取り組んでいるのが年々、世界中で注目されている環境問題だ。再生エネルギーによる省エネに注力することで、日本国内のみならず活躍の場を海外にも展開している同社を牽引している柴代表は、エネルギーに携わる会社としてどのような考えをお持ちなのか。今回はヒートポンプの技術が作り出す新時代の展望と、環境問題に対する想いを伺った。

伝統の継承と未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

社風が存在しない社内環境こそが辿り着いた社風

柴代表に社風について伺うと、「弊社の社風は社風というような明確なものがないところです」と意外な回答が返ってきた。社風がないことには大きな理由があるそうだ。「社員各々が自身の得意なことや、個性を存分に発揮してほしいと思っており、適材適所に配置して全員がお互いを尊重しながら業務に取り組んでいます。もともと型にあまりはまらず、自主性を尊重したいという考えがあったので、明確な社風が生まれなかったのだと思います」そして「グループ活動だけではなく個性からも生まれるアイデアも大切にしたいと考えています。そうしたアイデアを重視してヒートポンプの中でもニッチな地中熱などの再エネ熱という分野に挑戦していることが、関係各所に認められてきたこともあり、弊社の発展に繋がっております。そういう意味では、社風を作らないことこそが社風だと思います」と続けた柴代表。自社の社員を信じているからこそ実践できる社風であり、同社が高い技術を有している理由が垣間見えるような社風である。

ヒートポンプの中でも「地中熱、再エネ熱」に特化した製品を供給

独自性について柴代表はこう答えてくれた。「ヒートポンプを扱う大手企業は多くありますが、そのほとんどが空冷式・水冷式のものをメインとして取り扱っています。その中で私たちが開発しているものは、地中熱などの再生可能エネルギー熱(再エネ熱)を利用するタイプのものです。外気などの外的要因に左右されず、常に一定を保てるため利用しやすいことが特徴です」と独自性を答えたあとに「機械販売だけではなくシステム設計から制御装置に至るまで、全ての流れに対応できることは強みですね。近年はモニタリングシステムで効果を見える化し、お客様にしっかりと理解をしていただいた上で、安心と安全をお届けできるように尽力しています」という優位性も併せて答えてくれた。ニッチな業界の中で「地中熱、再エネ熱」という分野に特化している同社は今後、ヒートポンプのみならずエネルギー産業の業界全体を牽引していく企業としての中核を担っていくことだろう。高い技術力を有している同社が、自信を持って明示できる独自性といえる。

ヒートポンプの市場拡大とお客様のニーズに寄り添うために

未来の展望について柴代表の考えを伺うと、壮大なビジョンを答えてくれた。地中熱ヒートポンプの普及と地中熱堀削(ボーリング)技術の向上、そしてそれに伴うコストダウン。ヒートポンプについて確かな技術を有する同社ならではの展望だ。「ヒートポンプの中でも地中熱の分野はまだ黎明期だと考えています。今後、製品の供給を続けながら、現在の技術の洗練によるコストダウンを実現していきます。それには、ボーリングの企業様と協力することも必要ですし、他にも建設業界に関係しているさまざまな企業様と共に進んでいく必要があります」と連携の重要性を語った柴代表。今後の取り組みとしては、ヒートポンプの熱量単価を下げるための開発を進めていき、お客様の負担がなるべる少なくなる形でメリットを伝えていきたいと考えており、ヒートポンプの普及によるCO2排出量削減による地球温暖化防止などの社会貢献に会社全体で取り組んでいこうという革新的な展望だ。
ヒートポンプ
表彰状
再生可能エネルギー熱(再エネ熱)

果てしないヒートポンプの可能性と環境改善への想い

ヒートポンプを使用した製品はどのようなところで活躍していますか

皆様の生活で身近にある製品として一番有名なものはエアコンや冷蔵庫ですね。エアコンや冷蔵庫の仕組みにはヒートポンプの技術が使用されているのですが、日本ではこのことはあまり知られていません。欧米では認知度が高く、小学生からヒートポンプについての教育があります。近年では自動販売機やドラム式の洗濯機に使用されるなど、活躍の場は少しづつ広がってきています。それらは一昔前は電気ヒーターで加熱をすることが主流だったのですが、現在はヒートポンプサイクルで行うようになりました。それにより効率が良くなり、比例するようにCO2削減をはじめとした環境改善にも成果が見られました。私の中では、環境と効率は結び付くもので、効率を上げることで電気の使用量が減り、それに伴い排出されるCO2が削減されるといったサイクルが確立されていくと考えています。

環境問題におけるゼネラルヒートポンプ工業の立ち位置はどう考えていますか

ヒートポンプを知ってもらううえで一番大切なことは、環境面で優れているということを知ってもらうことです。CO2削減はもちろんですが、発電所で利用するガスや石油などの削減でも大きな成果をあげています。以前は環境の前にコストを重視するお客様が多くいらっしゃいましたが、一次エネルギーの削減や環境美化の声が年々高まるにつれ、コストよりも環境面を重視するお客様が非常に増えてきています。ゼネラルヒートポンプ工業では、環境とコストの両方を意識した設備やシステムのご提案に力を入れており、開発、営業、設計、製造、メンテナンスの各部署がお客様の負担になるべくならないような商品の提供を日々意識して取り組んでいます。今後は、国や地方自治体、協力会社様と連携を取りながら、環境とお客様の両方に役立てるような企業を目指したいと考えています。

柴代表が大切にしている考え方を教えてください

私が大切にしている言葉に「和而不同(わじふどう)」という言葉があります。チームワークを大切にすることはもちろんですが、個々の個性が集まって一つの仕事に向き合うということも重要だと考えています。複数の社員の特性や考え方が融合することで、今ない技術を開発したり、発見できたりすると思うからです。また、既存の考え方に捉われてすぎないで、常に新しい考え方が生まれるような環境作りにこだわっている中で必要なことが、適材適所に人員を配置することだと思います。各自の得意なこと同士が上手く結びつくことで効果が何倍にもなり、最大の成果が得られると思うので、個が融合した上でのチームワークとそのための適切な人員配備には非常に重きを置いています。

日本全国を超え、 技術を世界へ・・・ エネルギーに 魅せられた研究者

ゼネラルヒートポンプ工業株式会社
西日本営業所 次長 駒庭義人

今回お話を伺った駒庭次長は、全国に展開している同社の西日本事業所を担当している次長だ。学生時代からエネルギーや省エネ、そして環境改善のための施策構築に携わり研究を続けてきた。入社時にはニッチな業界の中で確かなニーズがあること、他社では体験できないであろうさまざまな取り組みに興味を持ち、業務に取り組んできた。技術者、研究者としての知識や経験をもとに、目の前のお客様にとって最も寄り添うためには、どのようなアイデアと提案が必要なのかを日々模索しながら奮闘している。今後、今以上に世界から注目をされるだろう「ヒートポンプ」や「省エネ化」そしてその先にあるであろう「環境問題」について、真摯に向き合っているゼネラルヒートポンプ工業と駒庭次長。認知度が増し、進化が加速していく業界の今に迫った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

心の中にある「エネルギー」への熱い想い

「大学で再生可能エネルギーなどの研究をしており、ヒートポンプは詳しく知らなかったものの、これまでの研究題材と同じエネルギーという分野に近かったこともあり9年くらい前に入社しました」と話し始めた駒庭次長。エネルギー関連の産業はニッチな世界ということもあり、入社前からゼネラルヒートポンプ工業の名前は認識していたとのこと。大手も製造・販売を手掛けているヒートポンプだが、大手とは異なるラインアップを武器に、業界を渡り歩いている同社の取り組みに以前から興味があり入社に至った。業界の中でも「面白いこと」や「変わったこと」に携われると定評のあった同社の業務は、たくさんの経験や知識を与えてくれると同時に、あくなき探求心を湧き立たせてくれるだろうと想像ができた。「興味があることに集中して取り組みたい」という思いを持った駒庭次長は、同社からはもちろんのこと、長年研究してきた「エネルギー」に求められ導かれたに違いない。「過去の研究を活かしてより良い未来を創造するため」とも言える入社の理由だ。

ニッチな世界のニーズに応え続ける

やりがいについて駒庭次長に尋ねると「システム提案などお客様の事を考えてのご提案が採用されたり、お客様と相談しながら大きなプロジェクトを作っていくという部分がやりがいだと思っています」続けて「さまざまな業務に携われることも、とても面白い部分だと思っています」と答えた。現在の主業務は技術営業的なもので、例えば設計事務所から、「地中熱を使ったシステムを構築したんだけど」とご相談をいただいたりした際に、お客様に寄り添った提案をしたり、自社の開発担当と協力しながら製品の販売まで繋げるといった仕事に取り組んでいる。加えて兼務という形で開発関係の業務に携わることもあるという。さらに「大きな組織の歯車としての業務ではなく、大きな流れの全体を見ながら仕事ができることにもやりがいに感じています」と語る駒庭次長は、複数の業務からたくさんのやりがいを感じており、今後も数多くのやりがいを見出していくことだろう。

近未来の省エネ化に向け、確かな技術をお客様へ

「実はゼネラルヒートポンプ工業に入社する以前からずっと思っていることがあるのですが」と話し始めた駒庭次長。「お客様が気を遣わずにというか、無理をしない今まで通りの日常生活の中で、省エネやCO2の削減などが実施できるような商品を開発し発信していきたいと考えています」エネルギーは伝わりながらも省エネを実行できるような商品があれば夢のようだが、研究者であり技術者でもある駒庭次長にとっては実現可能な未来だろう。同社で培ってきた技術を更に洗練することで、画期的な製品を開発し、世の中に発信していくことが大切だという。「お客様のニーズはその時々の社会情勢などで変化していくので、都度しっかり対応していきたいと思います。熱利用に関してお困りごとや相談をしていただいた時に、今以上に良い提案ができるよう常に進化を続けていきたいと考えています」と思い描く技術革新の先には、お客様に対する最善のアイデアや提案がある。省エネ化やエネルギー産業全体の理想の未来に貢献するため、駒庭次長の奮闘は続く。
実例(星のや)
実例(有福温泉)
設備設置例

進化を続けていく会社の内部の魅力とは

駒庭次長から見た柴代表を教えてください

仕事に関してお答えすると、さまざまな業務がある中で例えば、何かを押し付けられるられるような形になることは一切なく、結構大部分を任せていただけたりするなど、社員がやりやすいように比較的自由に仕事をさせてもらっています。押し付けられたりすると、成果が向上せずモチベーションが低下してしまうこともあると思いますが、そういったストレスを感じずに仕事ができるという環境を作ってくださっている点は非常にありがたく感じています。柴代表の性格は非常に穏やかな方で、長年ヒートポンプの研究に携わっており、知識や技術に関しての専門性は非常に尊敬すべきところだと思います。私も同じ研究者として学ぶ部分が非常に多い方です。

遠方の部署とのコミュニケーションはどのように行っていますか

私自身が気をつけていることは、教えてほしいことや伝えたいことが的確に伝わるように意識をしていることですね。中途半端な説明をしてしまうと、わからなくなってしまうこともあるため、遠方の拠点とコミュニケーションを取るときなどは特に気をつけています。お客様に訪問する関係で他の事業所に立ち寄ったりすることはありますが、頻度はそこまで多くないので、やはり会話の質を上げていくことが重要だと考えています。ツールとしては電話やメールなどがメインになるのですが、自身が担当しているエリアの情報共有や、意見交換の機会は多く設けるようにしています。あとは新入社員が入社した時にはオンラインなどで全社に向けて挨拶ができる機会があったりするので、全く知らない社員がいるということがないのは良いコミュニケーション方法だと思います。

ゼネラルヒートポンプ工業の魅力を教えてください

プロジェクトにゼロから関われることですね。いわゆる歯車のような働き方ではなく、いろいろな業務に関われるという部分がとても魅力的なところだと思います。新しいことに取り組んでみたいと考えている人にとっては、非常にやりがいがある会社だと思います。熱利用については高い技術を持っている会社なので、熱利用について学びたい方や、ゼネラルヒートポンプ工業の製品で社会貢献をしたいと考えている方にもおすすめです。ヒートポンプの認知度は年々高まってきてはいますが、まだ知らないお客様も多くいらっしゃると思います。そのようなお客様にヒートポンプを知っていただき、コスト削減や環境問題に対して非常に有効であるということを理解していただいた時は、大きな充実感が得られます。自社の製品に誇りを持てることが最大の魅力だと思っています。

監修企業からのコメント

abe

この度は、取材をさせていただきましてありがとうございました。ヒートポンプというニッチな業界で「地中熱」という分野に特化し、確かなニーズを勝ち取りながら業界全体を牽引していく同社の取り組みに、非常に多くのことを学ばせていただきました。環境問題が深刻化している昨今で、ゼネラルヒートポンプ工業の製品が益々の活躍をされることを確信しております。

掲載企業からのコメント

この度は弊社を取材をしていただきありがとうございました。
環境やコストなど今後もしっかりと向き合っていかなければいけないテーマについてお話しできたかと思います。弊社の事業は専門的な要素が強いため、世の中に知ってもらうことが難しい部分もありますが、日々の業務に対して真摯に向き合いながら飛躍を続けていきたいと思っております。

ゼネラルヒートポンプ工業株式会社
1984年 ゼネラルヒートポンプ工業株式会社設立
1987年 遠隔監視サービス開始
1994年 中央監視・遠隔監視システムZEOS(ゼオス)サービス開始
1997年 代替新冷媒対応ヒートポンプの製品化に成功し販売を開始
2000年 ISO9001(品質マネジメントシステム)認証取得
2005年 東京大学らとのNEDO共同研究開発により「水冷式ZQH(ゼットキューハイパー)」の製品化に成功し販売を開始
2007年 中部電力株式会社との共同研究開発により「洗浄工程用ヒートポンプ」(現プロセスヒートポンプ)の製品化に成功し、販売を開始
2012年 「洗浄工程用ヒートポンプ」が平成23年度省エネ大賞(省エネ事例部門) 資源エネルギー庁長官賞(産業分野)を受賞
2013年 日機装株式会社、株式会社ウォーターテクノカサイとの共同研究開発により「透析熱回収ヒートポンプ」の製品化に成功し、販売を開始
2015年 一級建築士事務所再生可能エネルギー研究所開設
2018年 「透析熱回収ヒートポンプシステムSmart E System®」が平成29年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)省エネルギーセンター会長賞を受賞
創業年(設立年) 1984年
事業内容 ・ヒートポンプ装置製造 ・制御・監視システム製造
所在地 愛知県名古屋市中村区名駅2‐45‐14東進名駅ビル7F(本社統括営業本部) 第1・2工場(名古屋) 支社・営業所:東京・北海道・仙台・富山・大阪・福岡
資本金 7,000万円
従業員数 55名
会社URL

ゼネラルヒートポンプ工業株式会社