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株式会社小島薬局

株式会社小島薬局 代表取締役社長 小島晃

静岡県沼津市で調剤、OTC(処方箋のいらない医薬品)販売、在宅医療、漢方、保育園などあらゆる分野において活躍している株式会社小島薬局。創業は終戦直後の1945年、社会情勢としても、医師・薬局不足が叫ばれていた。当時は国民皆保険制度も実現されておらず、あらゆる人が病院に通うことがかなわなかった時代に、小島薬局は患者が相談する最初の窓口として活躍してきた。2代目までは家業であったが、組織化を通じて企業へと転身させたのが3代目である現社長 小島晃氏である。創業時から大切にしている地域密着に加え、専門性を兼ね備えた薬局をつくり上げてきた。時代の変化に対応し、顧客が求めるサービスを模索し続ける小島社長にお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

アットホームな専門家集団

「小島薬局はアットホームな専門家集団」と話す小島社長。地域に根差した薬局として家族経営で創業した小島薬局。地元で縁があった人を中心に薬剤師を雇っていたため、創業時からアットホームな雰囲気だったそうだ。小島薬局の拡大とともに組織化を進め、企業と言える形態になってからもそのアットホームさはなくなっていない。例えば、評価制度を構築した際は実力主義一辺倒ではなく、年齢給を導入することで長く勤めている社員の経験を評価するなど、長い間共存していくことを大切にしている。
そのアットホームさは薬局に来る患者に対しても同様だ。薬剤師と患者という関係ではなく、家族のような関係で関わることを大切にしている。患者にとっての最善を考えることで、調剤だけではなく漢方の処方をするという判断を下したり、在宅専門薬局を立ち上げて患者の家へ訪問するなどの取り組みも行っているのだという。患者様に寄り添い、「かかりつけ薬局」となれるよう様々な分野に取り組みを広げ活動を続けている。

薬局ができるすべてのことを提供

調剤以外にも専門家を揃えている小島薬局。小島社長は「薬局ができるサポートすべての分野において専門的なサービスを提供できる」と自信を持って話す。調剤は薬局、物販はドラッグストア、漢方は漢方相談薬局というように、それぞれが「相手の得意領域を侵さないようにしている業界」と言われる医療業界の中で、小島薬局は異彩を放つ。在宅医療専門の薬局を立ち上げるなど、在宅医療において静岡県東部のパイオニアとして先頭を走っていることや、実際に小島社長は社長業を務めながらも漢方の専門家として現場でも活躍を続けているなど、多岐にわたってサービスを提供している。それは地域に密着しているからこそお客様のニーズを理解できるためだという。
薬局として求められることが変化している現代に、素早い時代対応をしていくことで専門家としての立ち位置を取り続けている。「私自身、長年の漢方治療の経験には自信がありますし、それぞれの分野において自信を持ってサービスを提供できる人材が揃っていることが小島薬局の強み」と話す。

最適なサービスを通じて地域から求められる存在に

「地域に必要不可欠な薬局になる」と力強く話す小島社長。現在の小島薬局の強みである「地域密着」と「専門性の高さ」は厚生労働省のレポートで将来の薬局に必要と謳われている要素である。小島社長は「薬局業務のゴールは、調剤を中心とした商品を提供することではなく健康のサポートをすること。これからは調剤薬局が主流になる前の時代にあったような地域に密着した薬局が求められてくる」と話す。薬局として薬を販売するだけではなく患者にとって最適な健康サポートをしていく中で、病院の紹介や健康教室の開催など、あらゆることに取り組み続けている。
このようなあらゆるサービスに挑戦するには資金が必要になるが、現在の医療財政では、今後行政からの医療補助は減ると考えられる。そんな中でもお客様に寄り添うことを大切にし、地域に不可欠な薬局となるべく新しい事業をつくりながらも長く続く薬局づくりに挑戦し続けている。
薬局で働く社員の様子
豊富なバリエーションのある商品棚
漢方相談薬局の仕事風景

地域に必要不可欠な存在を目指して

必要不可欠な薬局になる上で重要なポイントを教えてください

教育を通じて社員のモチベーションを維持していくことですね。薬局の仕事は1つのミスが大きな問題になる仕事であるだけでなく、薬局に求められている環境が年々変わってきていると感じます。薬局に求められるレベルは上がってきていますが、今までと同じことをしていたら収益が下がる可能性があります。そんな時代ではありますが、薬剤師として誇りを持って仕事に取り組んでもらいたいですね。そのためには「なぜ薬剤師として働くのか」を押し付けて浸透させるのではなく、「大変な仕事だけど地域のために頑張りたい」と深く理解できるような教育体制が必要だと感じます。

働きやすい環境をつくるために取り組んでいることを教えてください

質の高い社員教育、評価制度の構築、福利厚生による貢献に取り組んでいます。部長や管理職の教育に力を入れ、会社の方針や考え方を浸透させています。他には学術研修部という部署を設置し、薬学などについて最先端の学びを得られる環境をつくったことで、質の高いサービスを提供できるようにしています。モチベーションを維持できるように評価制度を構築し、働く社員が納得して仕事に取り組める仕組みをつくることにも取り組んできました。私たちの理念の1つである「社員の幸せ」という観点から福利厚生も大切にしています。社員にとって働きやすい環境があってこそ良いサービスを提供できると考え、出産後に復帰した職員が保育園を無料で利用できる制度などを整えています。

小島薬局が求める人材について教えてください

地域のために薬剤師としてできることが何かを考えて仕事をする意識のある人ですね。小島薬局は専門性を大切にし、サービスの質を常に追求しています。専門性やスキルを持ち合わせていることに越したことはないですが、スキルは働きながら身に付けることができます。やはり「薬剤師として新しい薬を提供していきたい」とか「地域に対して薬を通して貢献したい」という思いや向上心を持っている人と働きたいですね。
小島薬局は専門性を備えられる教育体制やチャレンジが評価される制度を整えております。現在の職員や未来の職員と共に「地域に必要不可欠な薬局」を目指していきます。

自社だけでなく 薬局に関わる業界の成長にも貢献する

株式会社小島薬局
常務取締役・経営企画部長 大石森一郎

今回お話を伺ったのは、常務取締役として小島薬局の中枢を担う大石常務。大学卒業後は薬品の卸売業者で約20年働き、そこで培ってきた知恵や技術を小島薬局に還元している。大石常務は薬剤師ではないため、入社当時は労務に関わっていた。それから採用の責任者や保育園の運営、常務取締役として経営に携わりながらも、介護の世界などの他業界とのパイプ役も担っている。「地域包括ケアシステムの中軸を担い、地域の先頭を走る薬局」を目指す中であらゆる分野において小島薬局を支え、発展させてきた大石常務。今回は、小島薬局の仕事におけるやりがいや大切にしていることなどを詳しく伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

前職の経験を活かし、小島薬局のキーマンとして

大学卒業と同時に、薬品の卸売業者に入社した大石常務。小島薬局に入社した理由は「当時の仕事の顧客である薬局や医療機関を見てみたいという好奇心と小島社長からの熱いアプローチがあったから」と話す。前職で仕事をしていた頃は、「どんな考えで医療に従事しているのだろうか」「自分たちは医療従事者にどんな貢献ができるのか」をよく考えていたという。前職のお得意先様の1社が小島薬局であり、それがご縁の始まり。当時の企業の先輩のつながりで小島社長を紹介され、小島社長から「うちに来ないか」との誘いを受けるようになった。当時、支店長という役職を任されており、結婚し子供が3人いるという事情があり、家族から転職は反対されていた。「タイミングの関係もあり小島社長には『まだ転職できない』と伝えていた中、3年間誘い続けてくれ、入社することができた」と大石常務は話す。前職の経験を活かし、現在は小島薬局の発展に寄与している。

自社の発展と関わる業界の発展に貢献する仕事

「仕事を通じて、薬局業界が介護業界や保育業界などあらゆる業界と共に成長している実感を得られることがやりがい」と熱く語る大石常務。時代の変化と共に薬局業界にも変化が求められている中で、先頭を走る小島薬局だからこそこのような経験を積むことができている。かつて「調剤業務を遂行すればよい」というのが薬局のスタンダードだったが、現在は地域密着などが求められている。そのため新しいところへ目を向けていく必要があり、役員として会社の経営に携わるだけではなく、自ら営業に出向くこともあるそうだ。その仕事をする中で「見たこともないような介護の世界や保育の世界を体感することができる」こともやりがいの1つとなっている。 また、採用責任者として自社の発展にも力を注いでいる。現在売り手市場と言われる薬剤師の採用は、地域の薬局からしたら困難なことも多い中、大石常務は「僕らはできる限りのことを実施して学生に見てもらえるようにしている」と話す。自社の発展と関連する業界の発展の両方に貢献し続けている。

地域の先頭を走る薬局を牽引し続ける存在として

「地域包括ケアシステムの中軸を担い、地域の先頭を走る薬局を目指す」と力強く語る大石常務。医療、介護、保育に携わり、地域と連携しながら仕事に励んでいる。地域連携薬局として地域や顧客に選ばれる薬局であるためには、多くの制約があり乗り越えるべき壁は多い。行政とも連携して地域の先頭を走ることも本当に必要な要素だという。それだけチャレンジし続ける薬局であるがゆえに、このレベルの目標についていくのが難しいと感じてしまう職員もいるそうだ。そんな中でも採用や教育を通じて小島薬局が選ばれる薬局になるために、先頭を走って職員を巻き込み続けている大石常務。 50歳を超えた現在でもプライベートではマラソンをするなど、まだまだ力強さを感じられる。「まだ明確に考えているものではないのですが、60歳を超えたら家の近くである静岡市で仕事ができたらいいな。もちろん小島薬局の仕事としてです」と60歳を超えてからのビジョンまで語る。大石常務はこれからもチャレンジを続けていく。
パンダ保育園の様子
子供向けのイベント開催風景
健康サポート事業

地域密着型の薬局として

この仕事において最も大切なことを教えてください

職員のマインドですね。薬剤師の仕事の本質は「コンピュータにはできないこと」だと思います。でも薬局はそのような意識を持って仕事に取り組むことが意外と難しい環境なんです。医者からの処方箋を指示通りに調剤して患者に指導すればよいという状況になることが多いですし、処方箋の飲み合わせについてはコンピュータが判断してくれます。でも薬剤師の本来の仕事はこれではないと思います。薬が患者の体に入ってからどのような効果や副作用があり、生活に対してどんな影響があるのかを考えて、それを医者に対して提案していくことが本来の仕事。薬剤師がこのようなマインドを持てるように今でも様々な取り組みにチャレンジし続けています。

地域密着型の薬局として大切にしていることを教えてください

関わるお客様の幸せを分け与えられるぐらい自分たちが幸せになることですね。小島薬局の理念は「社員の幸せ」「お客様の信頼」「地域医療への貢献」の3つです。まずは自分たちが幸せでないと関わるお客様の幸せをつくることが難しいですよね。辛そうな顔をしている薬剤師から薬をもらっても幸せを感じられないですよね。働きやすい環境で幸せに働くことができている職場であるほど、より質の高いサービスを提供でき、お客様からの信頼を得られます。薬局は過酷な労働環境とよく言われますし、しょうがないと諦めることもできますが、私たちは労働環境を整えることを本当に大切にしています。労働条件だけでなく、職場内の良好な人間関係も大切にして、長く働き続けられる薬局でありたいと思います。

大石常務が描く小島薬局の理想の状態を教えてください

行政からも地域からも選ばれることは当然として、薬学生が「小島薬局に入りたい」と行列を成すような会社ですね。小島薬局のコンセプトは「生まれる前から亡くなるまで携わること」であり、関わる人の人生の役に立てる会社でありたいです。現在、不妊治療、保育、介護、医療などを事業として持っていますが、人生の役に立てる存在であるためにはもっと多くの分野の専門家になっていく必要があると思います。私たちは薬学に限らず、予防医学、栄養学、運動生理学などあらゆる分野の専門家が必要です。あらゆる分野に精通して人がいることに越したことはないですが、それぞれの分野に特化した人材と働いていくことも考えています。小島薬局は関わる人の人生をサポートしていきます。

監修企業からのコメント

この度は取材にご協力いただき、誠にありがとうございました。
顧客が求めるサービスを追求し続け、薬局という枠組みを超えたチャレンジを続けている点に大変感銘を受けました。
地域に必要不可欠な存在として活躍され、薬局のロールモデルとして活動されることを心より楽しみにしております。

掲載企業からのコメント

取材していただいたことで改めて弊社が大切にしていることに確信を持つことができました。弊社が大切にしている「地域密着」や「専門家」という部分は絶対に守り続けるべきことだと思っておりますし、関わるお客様のためにも弊社のサービスのレベルの向上に努めてまいります。改めて取材していただき誠にありがとうございました。

株式会社小島薬局
1945年 小島大学堂薬局開局
1970年 小島薬品開局
1974年 小島薬局沢田店移転開局(小島薬品閉局)
1981年 小島薬局香貫店開局
1984年 有限会社小島薬局設立
1988年 小島薬局中田町店開局
1990年 小島大学堂薬局閉局
1992年 小島薬局香貫店閉局
2000年 小島薬局フヨウ店開局
2002年 小島薬局本店移転開局(小島薬局沢田店閉局)
2006年 小島薬局サクラ店移転開局(小島薬局フヨウ店閉局)
2007年 株式会社小島薬局に社名変更・小島薬局新橋店開局
2010年 小島薬局アツハラ店開局
2011年 小島薬局筒井町店開局 小島薬局漢方堂開局
2013年 小島薬局東椎路店開局
2015年 小島薬局中瀬店開局
2017年 小島薬局本店と漢方堂を合併
2018年 企業主導型保育施設 パンダ保育園開園
2018年 小島薬局 岡宮在宅店 開局
2018年 かなおか在宅介護支援センター 開設
2019年 小島薬局緑が丘店開局
創業年(設立年) 1945年12月
事業内容 ■調剤薬局
医院・クリニック門前、広域(面)受付、漢方薬局(漢方取扱)、健康サポート
所在地 〒410-0007 静岡県沼津市西沢田335-1 電話:055-928-4488 FAX:055‐928‐4477
資本金 500万円
従業員数 88名(うち薬剤師50名、管理栄養士2名、登録販売士13名、事務23名)
会社URL

株式会社小島薬局