未知への挑戦を続け「街を、未来をスマートに」
株式会社エコライフエンジニアリング 代表取締役社長 藏並 弘人
常に時代の先端を走る企業。それが、エコライフエンジニアリング。横須賀の地で創業し街の電気屋さんとして、個人宅の空調設置や電気工事などを手掛けてきた。約40年の時を経た今では、メガソーラーや風力発電、バイオマス発電の設置から、オペレーション・メンテナンスなどの再生エネルギー事業に取組み、今では当たり前のようにある太陽光及びその関連設備も同社が先駆け。信頼と実績を背景に、着実な業績推移を辿っている。また、新規事業にも積極的にチャレンジしており、近年では、アメリカ発の「CASPAR」を用いたAIスマートホーム事業に取り組んでいる。今回は、メイン事業のみならず新規事業も含めて幅広いお話を伺うことができた。
伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
信じて任せる。
「ゆるい会社だと思います」。藏並社長が感じている社風は、意外なものであった。「悪く言えば野放し。良く言えば放任。」そんな言葉を用いて「ゆるさ」を解説してくれた。この放任度合い。各事業がなにをしているのかといった詳細までは把握していないほどのものなのだとか。それでも事業を堅調に伸ばし続けられるのは、社員一人一人が役割を理解し、仕事に取り組んでいるからであるという。このような動きができるようになったのは「どんどんチャレンジをさせて、何かあったらケツを拭く」というスタンスを貫いてきたから。社員が会社を理解し、常に会社がどこを向いて仕事をしているのかを認識しているからこそできる文化形成。まさに、社員を信じることから始まるコミニュケーションであり、これからも大切にしていきたい姿勢のひとつなのだという。先を見て、誰よりも早く動き出す。
誰も動いていない時にスタートを切る。それが同社の独自性であり強みだ。 例えば同社の太陽光事業は、世間で太陽光が全く注目されていない時代に、藏並社長が「これは伸びる」と目を付けたことが始まりだ。扱っている会社が他になかったため、真似をすることも、聞くこともできなかったが、藏並社長を先頭に会社一丸となってがむしゃらに取組んだことで業界のパイオニアとなった。そして他社が参入してきたときには、太陽光の学校を立ち上げ自ら積み重ねてきたノウハウを教えるまでになっていた。今では他社が真似できない、開発から設計、調達、工事、施行後のメンテナンスまで、全ての工程を行える状態をつくりあげている。そして、AIスマートホーム事業も同じ道を辿る。こちらも扱っている会社が他にないため「地獄を見た」という程、立ち上げに苦労した。だが社長も幹部も、そして我々も、時代は同社を追い、その時にはこの業界のパイオニアとして存在していると確信している。誰よりも早くスタートを切る。この強みがある限り、同社の勢いが衰えることは無いだろう。人とエネルギーと生活がつながる未来づくり。
「人とエネルギーと生活がつながる未来づくり」藏並社長から飛び出した同社の展望を詳しく伺った。根底の思いは「人の豊かさを高めていきたい」ということ。同社は創業時から空調の無いところに空調を、太陽光の無いところに太陽光をと、生活を豊かにするための事業をしてきた。2016年から始めているAIスマートホーム事業も、人によっては全く関係ない事業を始めたと思うだろうが、その延長線だ。スマートホームというと1つの家の中のことだけだと考える人がほとんどだと思うが、自分の家と家族の家がつながって生活状況が分かるようになるなど、社会をつなげていくものになると藏並社長は考えている。そのように生活レベルで社会をつなげていき、人の豊かさを高めていくこと、その未来づくりを藏並社長は「人とエネルギーと生活がつながる未来づくり」と表現している。まだまだ始まったばかりの未来づくりだが、藏並社長の頭の中にはすでにその未来像が明確に描かれている。
社員総会でビジョンを語る
CASPAR展示会では社長自ら説明をする
社外のセミナーで講師も務める
何よりも、姿勢や思いが大事
なぜ太陽光という専門性の高い領域に挑んだのでしょうか?
楽しかったから。これにつきます。私がこの会社に入社した当時は、エネルギーや太陽光に関する知識はありませんでしたが、自分の知識の有無や知識人からの反対意見などは気にしなかったですね。知識も設備も「ゼロから創り上げていく」その過程が、楽しかった。太陽光の事業を始めるまでは、そのような楽しさを経験したことがありませんでしたので、どんどんハマっていきました。そう考えると最近手掛けているAIスマートホーム事業も同じかもしれませんね。今ここに無い道を自ら先陣きって歩んでいく。もちろんそこには、仲間の存在があり、連携して創り上げる。そう考えると「楽しさ」が、自分の原動力であり、一見難しいと思われる領域に踏み込める理由なのかも知れません。今後のために、今行っていることは何ですか?
エンジンづくりですね。創業から45年近く経ったところなのですが、特に太陽光事業を始めてからは全社的に前だけを見て走ってきました。そこで、会社の歴史をまとめ、いつ、何を、どのようにして成し遂げてきたのかを見えるようにすることで、弊社の大切にしてきた考え方や、目指していることを、今一度社員と共有していき、今行っていること、これから行っていくことのエンジンをつくろうとしています。そのエンジンをもとに、AIスマートホーム事業など、時代の先を行く挑戦にも会社一丸となって果敢に挑戦していきます。さらなるパワーアップをしていきますので楽しみにしていてください。これから貴社に入社する方に求めていることは何ですか?
弊社の仕事に対しての「想い」に共感できるということです。ただ弊社の仕事が楽しそうだからとか、経験がある、とかではなく「事業の目的」とか「想い」に共感してくれるかどうかが重要ですね。良い仕事をしてくれたとしても、仕事に対する意識やポイントがズレていたら、長く一緒に働くことは難しいと思うからです。例えば今いる社員は、弊社の事業が社会的に重要であると思っていて、具体的な業務内容は違っても、この仕事に誇りを持って働いている人が多いです。弊社の目的・目標を達成していくためにも今いる社員のように「想い」に共感してくれる人にぜひ入ってきていただきたいですね。この会社だから思う存分働ける
株式会社エコライフエンジニアリング O&M事業部 次長 柏倉大樹
柏倉さんは、O&M事業部(オペレーション&メンテナンス)で、実質的にトップを務める入社11年目の社員。前職ではバリバリの営業マンだったとのことだが、安定的に家庭を支えるため、手に職をつけようと同社に入社した。今では同社で1人しか居ない重要な資格の保有者で、同社にとって欠かせない存在だ。取材に同席した幹部も太鼓判を押す。楽しみながら試行錯誤を続け、個人としても、マネージャーとしても力をつけてきた柏倉さん。そんな柏倉さんが描いているご自身の未来と、好きでたまらないという、藏並社長と同社の魅力について伺った。伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い
気が付けば、なくてはならない存在に。
「手に職をつけたいと思って」それが柏倉さんの入社理由。結婚を機に「人生をかけて家庭を守りたい」という責任感が高まり、営業職から手に職をつけて働ける職業へのジョブチェンジを決意した。「手に職と言えば電気関係」と思い立ち同社を見つけ現在に至る。手に職をつけたいという言葉通り、国家試験へチャレンジをし、今では1級電気工事施工管理技士という、全国的に不足している貴重な資格を取得している。ちなみに、同社では柏倉さん1人しかいないとのことである。また、同社のメイン事業であるソーラー事業を行うにはその資格が必要不可欠であり、事実上同社の屋台骨を支えている存在だ。取材に同席した幹部の方からも「最低でも後10年は居てもらう約束だから。そうじゃないと困る」と冗談のように話されていたが、きっと本心に違いない。家族を支えるために入社し、いまや会社をも支えている。これからも同社の無くてはならない存在として活躍を続けていくだろう。試行錯誤って楽しい。
「試行錯誤していくのって楽しいですよね」となかなか聞くことのできないやりがいを、柏倉さんはイキイキと語ってくれた。最初は「チームで働くことが楽しい」と言っていた柏倉さんだが、よくよく聞いていくと「チームで働くこと」そのものではなく「思い通りに動いてくれなかったチームが、試行錯誤して動いてもらえるようになるまでの過程」が楽しかったのだという。チームをまとめる立場になった当時「自分が意図したことと全く違うことをするメンバーがいる」と、自身の伝える力の無さに愕然とした。「自分には向いていない」と諦めてしまう人も居るであろう状況。その中で柏倉さんは「どうやったら伝わるのか、動いてもらうことができるのか」を人にアドバイスを求めたり、勉強したりして試行錯誤していくことによって「少しずつ分かってきました」と実感を持てるほどになった。数々の挑戦を続ける同社に居れば、今後も思い通りに行かないことが多々あるだろう。しかし柏倉さんであれば、試行錯誤しながら、乗り越えていくに違いない。夢のさらに先を探す。
「人が求める情報を発信していきたい」と自身の夢を語ってくれた。O&M事業部に配属になる前、太陽光に関する講師を務め、延べ3000人に教えてきた実績のある柏倉さん。その時に皆が欲しがる情報を提供することの楽しさを知り、今後も行っていきたいと思うようになったという。取材に、軽快に応えてくれる柏倉さんを見ていると、大勢の前で話している風景が容易に想像できる。しかも、参加者も楽しそうだ。だが「すぐにできそう」と、柏倉さんはその先の「面白いこと」を既に探し始めていた。簡単にできそうなことには魅力を感じないのだろう。それだけ力がある証拠だ。これまでも、自分の思い描いた姿を実現させてきた柏倉さんなら、人が求める情報の発信に留まらず、多くの夢を実現させていくだろう。そして、同社も柏倉さんの夢の実現に向けてサポートしていくことであろう。
社内イベントも行われている
広大な敷地に設置された太陽光パネルを管理する
現場社員と連携してトラブルを防ぐ
社長と会社が好きでたまらない
柏倉さんの業務内容を教えてください。
簡単に言えば太陽光発電所の管理をしておりまして、今は現場のトップをしています。私が管轄しているのは、ゴルフ場だった敷地全てに太陽光パネルを設置している発電所で、そこのマネジメントをしています。30台近くのモニターを常に監視し、発電量低下などの異常があれば、現地に駐在している部下に連絡をして対処してもらいます。現場の社員で分からないことがあれば、自分で確認に行くこともあります。また、就業時間外でも携帯宛に異常アラームが届くようになって、アラームの示す緊急度によっては夜中でもすぐに駆け付けます。夜中3時に、片道3時間かかるところにある発電所からアラームが届いて駆けつけたこともありました。大変なことも多いですが、多くの人に影響のある仕事なので誇りを持って取り組んでいます。藏並社長はどのような方ですか?
抜群のアイデアマンですね。正直、社長が居なかったらこの会社が、いまでも下請けの工事屋だったのではないかと思います。いきなり「特許を取ろう」とか「新しい会社をつくろう」とか、私たちからしたら突拍子の無いことを言うんです。でもそれが面白いくらいに当たる。社長のアイデアを実際に形にするのは私達社員ですが、楽しくて仕方がありません。最近始めたAIスマートホームの事業にも、将来性を含めとても興味を持っています。こういう自分たちが思いもよらないアイデアで引っ張ってくれる。そんな社長だから付いていきたくなるし、ずっと見ていきたいですね。大好きです。柏倉さんの感じている、同社の魅力は何ですか?
自由にできること。これに尽きます。弊社では多分外の人から見たら「えっ」てくらい仕事を任せてくれるんですよね。基本的にやりたいって言った人に対しては、とことんやらせてくれるし、協力もしてくれる。もちろん責任はありますけど、それが最大の魅力ですね。例えば、社長に連絡をするのはお金の発生する決裁をいただくときくらいです。ちょっとしたトラブルが起きたくらいだと連絡はしません。基本的に自分で対応できますし、社長もそう思ってくれていると思います。ただ、任せてくれたあとは、良くも悪く放任気味なのは内緒です(笑)でもそれが良いところだと私は思っています。株式会社エコライフエンジニアリング
創業年(設立年) | 1974年 |
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事業内容 | ◇再生可能エネルギー事業 ・産業用太陽光発電所開発・システム保守管理・メンテナンス(O&M) ・バイオマス発電所開発・システム保守管理・メンテナンス ・産業用太陽光発電所保守管理・メンテナンス ◇住宅用設備事業 ・創エネルギー設備(太陽光発電等)の販売・施工 ・省エネルギー設備(オール電化等)の販売・施工 ・蓄エネルギー設備(住宅用蓄電池等)の販売・施工 ◇ハウジング事業 ・リフォーム、リノベーション ・ゼロエネルギーハウス設計施工 ・スマートホームシステム販売・施工 ◇その他設備工事等 ・高圧受電設備の保安業務 ・電気工事 ・管工事 ・土木工事 ・空調設備販売・施工・メンテナンス ・不動産業 ・電気自動車販売・リース販売 |
所在地 | 東京都新宿区新宿1-14-5 新宿KMビル5F |
資本金 | 8000万円 |
従業員数 | 約60名 |
会社URL |
監修企業からのコメント
取材のお時間をいただき、誠にありがとうございました。太陽光事業やAIスマートホーム事業などを藏並社長が先陣切って進めてこられたということが分かり「藏並社長が会社をつくってきた」と強く感じた取材でした。今後も会社のビジョンに向かって挑戦を続けていくことでしょう。エコライフエンジニアリング様の今後の動きに注目です。
掲載企業からのコメント
この度は取材していただきましてありがとうございました。CASPARについて取材を受けることは多くなってきていたのですが、今回のような取材を受けること機会はあまりなかったので、今まで発信していなかった部分も発信できたのではないかと思っています。これからもビジョンに向かって挑戦を続けていきます。