何事も諦めず 自分の成長に向けて努力し続けてもらいたい
東洋グループ 代表取締役社長 村上愼吾

名曲、坂本九の『上を向いて歩こう』が街角に鳴り響いた1961年。その時代に東洋グループは洗浄剤、防錆剤を扱う企業として事業を始めた。それから半世紀以上の時が経ち、今では、株式会社東洋化学商会を中心に据え、工業用潤滑剤を始めとした特殊ケミカル品の製造、販売を行う企業として活動するまでに成長した。今回、取材に当たるのは、2006年から同グループ代表取締役社長を務める村上愼吾氏だ。その村上愼吾氏は2代目社長として同グループの商品開発から、営業まで最前線で活躍されてきた。また、現経営陣は、村上社長が就任当時から共に戦ってきたメンバー。村上社長はこの盤石なメンバーと共に、同グループの未来を更に輝かしいものにしていきたいと意気込んでいる。今回はその村上社長に話を伺った。
伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
礼節を重んじて、何事にも全力で取り組む
『全社員が立ち上がり、笑顔で挨拶をして迎え入れる』それが、来客時の東洋グループの日常である。全力で、元気にお客様に挨拶をすることがモットーだ。『挨拶というものは心の所作が出るものです。最初は照れくさい挨拶も、次第にやっている自分が気持ち良くなるんです。そうなると、挨拶は自然と明るいものとなり、それが、お客様や社内に良い雰囲気をもたらしています』と村上社長は語る。村上社長自身、中学と高校に柔道をやっていた経験から、礼節の大切さを強く感じている。だからこそ、その浸透に労は厭わない。
また、『何事にも全力で取り組む』ことも東洋グループの特徴の一つ。村上社長自身、営業を行っていた頃からお客様の要望に対して、翌日には対応することを徹底していた。『仕事はダラダラやっても生産性がないですからね』と語るように、会社として定時までに仕事を終わらせ切ることを徹底し、生産性の高い環境を目指している。
このように、礼節を重んじる文化、全力で取り組む文化があるからこそ半世紀以上に渡って存続し発展してきたに違いない。
商品、ではなくヒト
『私達の強さの秘訣は、商品は勿論ですけども、それ以上に、社員一人ひとりの人間的な部分も大きいです』と語る村上社長。東洋グループの商品は非常に幅が広く奥が深い。例えば工業用潤滑剤一つを取っても、お客様のニーズは様々。『もっとこういうのがあれば良いのに』『使えるけど、イマイチしっくりこない』この『あったら良いな』に応えるのが東洋グループである。商品ラインナップはもちろんだが、宝の持ち腐れでは意味が無い。お客様の所へ足繁く通い、ニーズを的確に捉える。誠実な対応、相手の立場に立った会話、今どんな商品を使っているのか。耳にすること、目に見えるもの、心で感じること、あらゆるアンテナを立て『この人に相談したらなんとかなるかも』そう思わせるのが最大の強みでもある。
商品力に頼り切るのではなく、人という付加価値を添えて提案する。『もしも、他のビジネスをしてもこのメンバーであればやっていける自信があります』一人ひとりが考えぬき、熱意を持って仕事に取り組む姿勢こそが、他社の追随を許さない東洋グループの独自性である。
社員満足感の徹底追求
『時代変化のスピードが急激な今、数年先を読むことは非常に難しくなってきます。言葉や文字だけの目標を立てるよりも、目の前の仕事がどうすればうまくいくのかを本気で追求し、臨機応変な対応を心掛けて発展していくことが大切です』と村上社長は語る。半世紀以上の歴史を積み重ねてきた東洋グループとはいえ、極端なことを言えば事業転換も厭わない。それは、一人でも多くの人に『東洋グループで働けて良かった』と思ってもらうため。
『人生の大半の時間を占めるのが仕事。その仕事を嫌々やっているのでは勿体無い。やるからにはイキイキと、ワクワクと、幸せだと感じられる仕事がしたい。だからこそ泥船に乗せる訳にはいかない。やるからには成功させる』これが東洋グループの考え方である。 社員は家族同然。皆が幸せを掴める会社にする。村上社長の覚悟は強い。

長年、企業を支えてきた
エアゾール製品

全力投球で仕事に向き合う

社員旅行で絆を深める
社員が自分自身の中に答えを見出し、 何事にも自分自身の成長に向けて努力し続ける集団を創る
社長就任時の経験で今に生きていることを教えて下さい
『社員と同じ目線に立つことです』創業者である先代の息子として、常に周りの社員から次期社長という目線で見られていたので、いつの日か社長になると社員の時代から常に考えてきました。当時、先代は早期に経営者としての感覚を身に付けることが何より大事だと考えていたようですが、私の考えは異なりました。当時、私にとって何より大切なのは現場を知ることだと思ったからです。そこで、先代社長の反対を押し切って、営業担当になりました。この経験により、現場感を養うことに繋がりました。その後、開発部の立ち上げにゼロから携わりました。部長として部下を持ち事業を行っていく苦労が、リーダーとしての感覚を養ってくれました。
この2つを経験を通じて、社員と同じ目線に立つこと、その大切さを理解することができました。この経験が今の立場での仕事に生きています。
社員に期待することを教えて下さい
私も含め、社員には日々研鑽をしてもらい、自立自走していけるようになって欲しいです。やはり、サービスを提供していくためには、自分でこれをするにはどうしたら良いかと考え、やるべきことを自ら見つけ出すことが大切です。この自らというところが非常に大切です。会社から発信するビジョンや理念も大事ですが、働くということの原点は自分の中にこそあります。社員各自が自分のことを深く理解して、正しく自分のために働けたのなら、自ずとお客様に対して本気で仕事ができます。その結果としてお客様の満足を勝ち得ることができますし、会社も良い方向に進みます。だからこそ社員には、何のために仕事をしているのか自問自答をしながら日々研鑽してもらい、自立自走していけるようになって貰いたいです。若い世代に期待することを教えて下さい
何事も諦めずに、自分自身の成長に向けて努力し続けることです。人生が楽しくなるかどうかは、自分の姿勢一つで決まります。例えば、周りのせいにして物事に対して受け身になってしまえば、やらされ仕事になってしまいます。それでは、仕事も面白くありませんし、環境に依存していては、成長はありません。受け身になるのではなく、きちんと自分と向き合って、根気強く続けていれば、必ず自分にとってプラスになることが沢山降ってきます。仕事の中で得られること、面白いことは必ず仕事の苦労に見合うものです。その苦労が仕事の楽しさに繋がり、ひいては自分の人生の謳歌にも繋がるはずです。だからこそ若い世代には、とにかく一生懸命に頑張ってもらいたいです。
大切なのは 地道に一生懸命やっていく姿勢です
東洋グループ 株式会社ヴィプロス 営業課長 杉浦力
5つのグループから成る東洋グループ。そのグループの中に株式会社ヴィプロスがある。ヴィプロスは自動車やバイク向けの商品を中心に、東洋グループの商品を直販で売っていく会社として、2010年に設立された。同社の名前の由来はVip Pro Usedを略したVipro’s。Vip Pro Usedが意味するようにプロの方が使用しても満足してもらえる商品、高いスペックを追求していくことが同社のコンセプトだ。そのヴィプロスに所属するのが営業課長の杉浦氏である。杉浦氏は、東洋グループの豊富なラインナップと高い品質に魅せられ、営業として入社した。今回はその杉浦氏から東洋グループで働く醍醐味を伺った。伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
『人を大事にする』それが東洋グループの魅力
『社の雰囲気が良かったんですよね。面接の際もよく人を見て下さり、しっかりお話いただけたところですね』入社の決め手を当時を振り返りながら語る。杉浦氏の東洋グループへの入社は9年前。ふとしたことから、東洋グループと出会い、採用されることとなる。最初に配属されたのは、社長直下の部署。ハードルの高い環境の中でありながら『周りが常にカバーをしてくれて、一人じゃないという感覚が強かったです』『厳しい指導の中でしたけれども、成長できるという実感が強くて頼もしかったです』と当時の様子を語る。 また、課外活動においても、人と人との結びつきを大事にしている。例えば課外活動ではスポーツ活動などにも力を入れている。同社は近年の野球の大会でも賞を取っているほどだ。その他にも、ロッテとのスポンサー関係があることから、社長とお酒を飲みながら野球を見に行くこともあるそうだ。 東洋グループには仕事内、仕事外を問わず人を大事にする社風がある。その社風の良さこそが、杉浦氏が惹かれ、今なお感じている東洋グループの魅力である。お客様に受入れられていく充実感
杉浦氏は日々営業活動を行い、販路拡大に努めている。同社の商品が入っていない店舗が多い地域には足繁く通い、一軒一軒入念な準備を行いながら、営業活動を行っている。日々の営業活動の中でお客様からよくいただける言葉がある。『とても良い商品だけど、この商品あんまり見かけないね。知らなかった』価値を感じていただける喜びと、まだまだ自分達の可能性があると感じる瞬間だと杉浦氏は語る。 少しでも多くのお客様に東洋グループの価値を感じてもらう。それも、1件1件顔を合わせながら、本当に困っていることを解決していく。お客様から『ありがとうございます』と言われるのが何よりも嬉しいと杉浦氏は笑顔で語る。『当然、努力はします。誰にも負けないくらい。けど、お客様のありがとうが待っているので、やみつきになっています』 まだまだ無限の可能性があるマーケット。大きなやりがいがここには待っている。取引先10倍の10000社へ、その飛躍の中心たる存在へ
『大きい目標としては、今後、取引先を10000社にまでしたいと考えています』と語る杉浦氏。現在900社との取引がある東洋グループは今までの地道な営業活動や、高い商品力が評価され、今まさに、飛躍の時にある。東洋グループの商品を扱っている店舗、企業が増えてきているので、今後はお客様からの紹介での広がりも相まって、納品先が加速度的に増える見込みがある。だが決して価値の安売りはしない。価格競争に巻き込まれることは避けるため、値段を無理に下げることはせず、品質第一で勝負していくそうだ。 そして、その輝かしい未来の中で、『東洋グループの杉浦さん!』と言われるほどに業界で知名度のある存在になる、という熱い夢を杉浦氏は持っている。『普通のこととか、その他大勢になるのが嫌ですし、業界の歴史に名を刻みたいですね』その目はとても輝いていた。
ツーリングイベントにも参加する同社

その道のプロからも支持される
確かな品質

現場を支える社員達
現場が自ら考えて、 一人ひとりが東洋グループを背負う会社へ
現場が自ら考えて、 一人ひとりが東洋グループを背負う会社へ
『地道に一生懸命やっていく姿勢』です。普通の人がやりたがらないことでも徹底してやり続けます。例えば、とにかく根気強く営業をします。うちはお客様のところに1回行くだけで終わりではなくて何度も根気強く足を運びます。そうやって何度か通ったリピート企業ですと、お客様との関係性もつくることができて、導入していただける確率が格段と上がります。だからこそ10件まわれば1件という高確率で納品していただけます。その根気強さが大事です。代理店制度や商社を活用するなど、手段を変えれば、販路を大幅に増やすことも簡単かもしれないですが、なによりも地道に1件1件対面でやっていくことが信頼を得るためにも必要不可欠なことだと考えています。杉浦さんにとって社長はどのような存在ですか
兄貴のような、父のような存在ですね。また営業に携わる人間として、大変尊敬しています。例えば以前、社長と私で商品を共同開発することがありました。その時に信念を貫くという姿勢を社長から学びました。『例え、上司に何を言われようと、自分が信じることなら、貫き通す強さが必要である』と教わったことが今でも心に残っています。また社長にはそういった貫き通す心、信念があるからこそ、社長と営業という仕事を両立させ、会社を支えることができるのだと思います。社長の指導が自分の東洋グループでの営業のベースともなっていますので、非常に感謝しています。ただ仕事を教えていただくのではなく、心構えまでも教えていただける正に兄貴のような、父のような存在が社長です。これからの東洋グループをどのような会社にしたいですか
やはり一人ひとりが自立し、協力し合う会社にしていきたいです。そのためにも、自分たちの成長が必要不可欠です。社長の存在も大きいですが、会社はトップの力だけでは立ち行かないタイミングがあります。まさにそれが今だと考えています。だからこそ、現場が自ら考えて、一人ひとりが東洋グループを背負っているという当事者意識を持つ必要があると考えています。そして、同時に協力し、尊重し合う、お互いに色を出し、個性的かつ団結している会社にしていきたいです。社長の『自分が信じることなら、貫き通す強さが必要である』という言葉や、日々働く中で感じる東洋グループの『人』の良さ『助け合い』といったところをこれからもよりいっそう磨いていき、一人ひとりが自立し、協力し合う会社にしていけるように私自身も頑張っていきます。東洋グループ
1961年 商会を創立。
洗浄剤、防錆剤、スパール、エースクリーンなどを
開発し印刷・製本紙工・プラスチック業界を開拓。
拡販業務を社員4名で開始。
1967年 法人株式会社 東洋化学商会を設立。
1970年 本社を東京都江東区に新築移転。
1973年 東京都江東区亀戸に本社社屋を新築。
1989年 名古屋支店を開設。
2001年 東洋化学商会創業40周年。資本金を5,000万円に増資。
2007年 マリンスポーツ専用ケミカルとして『Vipro's』ブランドを開設。
2010年 関連会社 株式会社ヴィプロスを設立。
2011年 創業50周年。(東武ホテル レバント東京にて記念式典)
2013年 株式会社 東洋化学商会 東日本販売の資本金を1,500万円に増資。
株式会社 東洋化学商会 西日本販売の資本金を1,500万円に増資。
洗浄剤、防錆剤、スパール、エースクリーンなどを
開発し印刷・製本紙工・プラスチック業界を開拓。
拡販業務を社員4名で開始。
1967年 法人株式会社 東洋化学商会を設立。
1970年 本社を東京都江東区に新築移転。
1973年 東京都江東区亀戸に本社社屋を新築。
1989年 名古屋支店を開設。
2001年 東洋化学商会創業40周年。資本金を5,000万円に増資。
2007年 マリンスポーツ専用ケミカルとして『Vipro's』ブランドを開設。
2010年 関連会社 株式会社ヴィプロスを設立。
2011年 創業50周年。(東武ホテル レバント東京にて記念式典)
2013年 株式会社 東洋化学商会 東日本販売の資本金を1,500万円に増資。
株式会社 東洋化学商会 西日本販売の資本金を1,500万円に増資。
創業年(設立年) | 1961年 |
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事業内容 | エアゾール製品、シリコンエアゾール、シリコンオイル、 洗浄剤、特殊潤滑剤、接着剤、梱包資材、 製本、プラスチック、機械等の製造・販売、 印刷・製本資材、LPガス、輸入製品全般 |
所在地 | 本社 東京都江東区亀戸9丁目37番1号 |
資本金 | 9,800万円 |
従業員数 | 60名 |
会社URL |
監修企業からのコメント
新規開拓や商品開発。これまで数々の挑戦をして会社を牽引してきた村上社長。
一つひとつのお言葉に説得力があり、「この人についていきたい」と社内で言われるのも納得です。また、、父の厳しさと母の優しさ。経営者として両面を持ち合わせているからこそ、
村上社長を中心に会社が一つにまとまっているのだと感じました。
村上社長の人柄に触れ、多くの人に東洋グループの魅力を感じてもらいたいです。
掲載企業からのコメント
今回みたいな内容は、聞かれないと話さないですが、聞かれた時は考えずに口をついて出たので、本心なんだろうなと感じます。話してみて、新しく気づくことが数多くありました。
非常に新鮮で、貴重な経験をさせていただきました。