井戸鉄建株式会社 代表取締役社長 井戸功誠
東京都青梅市に本社と鉄骨加工工場を構える井戸鉄建株式会社。日本で初めてのオリンピックが行われた1964年に創業した同社は、住宅から公共建築物まで幅広い事業を展開し、これまでの56年間、地元青梅市に根付き、愛されてきた。地元のみならず、幅広く支持される同社が創業以来ずっと大切にしてきた考え方が存在する。それは、「お客様にとって未来の思い出の「あの時・あの場所」を創造する」という強い思いだ。その思いを大事にする同社の存在は、青梅の街で「何か困ったら、まずは井戸鉄建と言われるほど絶大な信頼を得ている。創業から56年を迎える今年。更なる発展をし続ける同社のビジョンを代表取締役社長、井戸氏にお話を伺った。
伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
助け合い、協力し合うその先にあるチームワーク
同社の社風は、お互いに助け合い支え合う、そんな「協力し合う社風」である話す。そして、今後はより一層チームワークを高め強い組織にしていきたいと井戸社長は考える。同社は20代から70代までの幅広い年齢層に加え、様々な国籍の人が働いている。世代や国籍が異なる社員が集う中、同社には創業時より大切にしてきたみんなで助け合う、支え合うという文化が浸透している。そんな「協力し合う社風」からは、意見を出し合い、コミュニケーションの場を率先してつくりだす「アットホームな空気感」が生みだされている。恒例の社員旅行を始めとする数ある社内イベントでは、社員同士が年齢を問わず和気あいあいと盛り上がる様子が見受けられる。これまでの歴史の中で育んだ「協力し合う社風」は、今後より強い「チームワーク」となって井戸鉄建の発展を支え続けるだろう。鉄骨加工工場を持つ希少価値の高い建設会社
同社の独自性は、「本社に鉄骨加工工場を併設していること」と井戸社長。同社の持つ工場は国土交通大臣認定を受けているMグレードの工場である。基本的に、日本では鉄骨工場自体が少ない。また、その鉄骨工場を持つ企業の多くは、鉄骨加工を専業に行っており、同社のような建設業は珍しい。その中で同社は様々な案件を扱う総合建設業でありながら、Mグレードの鉄骨加工工場を持つ希少価値の高い会社である。なぜ、その希少性が実現したのか。それは、創業時に秘密がある。実は、同社は鉄骨業から創業し、時代の変遷の中で総合建設業へ進化を遂げた。鉄骨のプロフェッショナルとして、建設に従事するからこそ、お客様のニーズにとことん寄り添うことができる。例えば、お客様に対し、総合建設業者と鉄骨の専門業社との両面からプロフェッショナルな視点で意見を言えることで、お客様の要望により高い視点で応えることができるのだ。だからこそ、高難度の案件も次々とこなし、建設業にその名を刻んでいる。「建物の診療所」のような青梅に欠かせない企業へ
同社の展望は「5年で現在の規模の倍にまで成長すること」と語る井戸社長。そのためにも今以上に地元から愛され、必要とされている企業にならなければいけない。では、どのようにその姿を目指していくのか。井戸社長は「建物の診療所のような企業になっていくべきだ」と語る。診療所と聞いて、どのような姿を思い浮かべるだろうか。井戸社長は次のように例を話す。「体調が優れないとき、誰もが気軽に相談をしに行ける地元の病院。治療だけでなく、地元民に安心感を与えられる存在である」。同社が目指すのも、まさに診療所のような、地元の人が建物について、気軽に相談ができるような存在であり続けることだ。現在も、「建設のことで困ったら井戸鉄建に相談したら良い」という声を青梅の街でよく聞くことがある。そんなかけがえのない存在を目指しながら、現在の倍の規模となった未来を見据える井戸鉄建。5年、そう遠くはない未来が今から楽しみである。
国土交通大臣認定のMグレードの鉄骨加工工場
写真からもアットホームさが伺える社員旅行
青梅市内から多数声がかかる
社員教育への取り組みを教えてください
社内で隔週に1度勉強会を開催しています。勉強会の内容は様々で、ISOやITについてなどの実践的な内容から、私が外部セミナーで学んだ内容をみんなに伝えたいとの思いで発信することもあります。この取り組みは9年前から行っており、社員が集まって共に学びを深め合う時間を大切にしたいという思いから始まりました。また、安全教育責任者の資格を取ってもらうため、会社でその費用を負担するようにしています。他にも積極的に資格を取得できるように様々な資格の取得を会社で奨励しています。資格取得や勉強会を通じて、より「みんなで高め合う」文化をつくっていきたいと考えています。
井戸鉄建で活躍している人の特徴を教えてください
実は…、井戸鉄建で活躍しているのは「挨拶ができる人」です。それって、当たり前ですよね(笑)。しかし、挨拶はできて当たり前だと考えられていますが、意外とできている人は少ないです。私たちは経営計画書にも「地域で一番挨拶をすること」を挙げており、挨拶を重要視しています。挨拶は良好な人間関係を築く最初の一歩です。良好な人間関係の中で仕事ができると現場でのトラブルが少なくなり、信頼につながります。 AI化が進む世の中ではありますが、工事現場はまだまだAI化できない仕事の1つだと思っています。人と人のつながりが大切な現場で活躍していくためには、基本的なコミュニケーションが最も大事だと日々実感しています。井戸鉄建が求める人物像を教えてください
「前向きにコツコツ努力できる人」と一緒に働きたいです。私たちが行う仕事は世間一般的に見たら専門性を必要とする仕事です。特に井戸鉄建では様々な案件を扱うのでそれぞれ異なるスキルやセンスが求められます。その中で前向きにコツコツ努力できる人は、携わる幅広い仕事を通じて、自ら成長することができます。例えば、今年入社2年目の社員は未経験で入社し、施工図の読み方すら分からない状態でしたが、コツコツと努力を積み重ねて、大きな現場で施工図の作成を任されるなど活躍しています。このように井戸鉄建では未経験の人でも前向きに努力を積み重ねることによって、活躍の場を広げていける会社だと思います。井戸鉄建株式会社
昭和39(1964)年 井戸功征が青梅市根ヶ布に井戸鉄骨を創業
昭和45(1970)年 青梅市今井2丁目1163番地(現資材部)に本社事務所および工場を移転し、
井戸鉄建株式会社を設立
昭和56(1981)年 青梅市今井3丁目6番地17号に本社事務所および工場を移転
平成20(2008)年 井戸宗征が代表取締役に就任
平成21(2009)年 井戸功誠が取締役工事部長に就任
平成22(2010)年 鉄骨加工工場がMグレード認定を受ける
平成23(2011)年 宅地建物取引業免許取得
平成23(2011)年 ISO9001認定取得
平成25(2013)年 井戸功誠が代表取締役社長に就任
昭和45(1970)年 青梅市今井2丁目1163番地(現資材部)に本社事務所および工場を移転し、
井戸鉄建株式会社を設立
昭和56(1981)年 青梅市今井3丁目6番地17号に本社事務所および工場を移転
平成20(2008)年 井戸宗征が代表取締役に就任
平成21(2009)年 井戸功誠が取締役工事部長に就任
平成22(2010)年 鉄骨加工工場がMグレード認定を受ける
平成23(2011)年 宅地建物取引業免許取得
平成23(2011)年 ISO9001認定取得
平成25(2013)年 井戸功誠が代表取締役社長に就任
創業年(設立年) | 1964年 |
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事業内容 | 土木工事業 建築工事業 舗装業 水道施設工事業 |
所在地 | [本社] 東京都青梅市今井3丁目6番地17号 [今井資材置場] 東京都青梅市今井2丁目1163番地 [研修所] 東京都青梅市根ヶ布1丁目7番地 [飯能資材置場] 埼玉県飯能市大字苅生字上桑寺51-5 |
資本金 | 5000万 |
従業員数 | 20名 |
会社URL |
監修企業からのコメント
今回は取材させていただき、ありがとうございました。
井戸鉄建の持つ協力し合う社風の中で、イキイキと働く社員さんの姿を見て、地元に根づき、愛される理由を感じることができました。また、未経験でも学びながら、安心して仕事に取り組める井戸鉄建の成長環境が素晴らしいと感じました。今後も「建物の診療所」のように地域から必要とされる存在を目指す井戸鉄建に注目です!
掲載企業からのコメント
取材を通じて、代表に就任してからの7年間を思い出すことができました。展望について語ることにより、何が成長し、何が今後の課題なのか明確になったと共に、弊社がこれまで大切にしてきた価値観や「井戸鉄建らしさ」について改めて考えさせられました。
このような思いが社員にも伝わるきっかけとなったら嬉しく思います。