株式会社オータマ
磁気シールドの世界一へ 私達が世の中を変える

株式会社オータマ

代表取締役 奥村 哲也

磁気をコントロールする技術が、あらゆる研究・開発分野などにおいて、必要不可欠なものとなっていることをご存じだろうか?例えば、半導体のマスクを描画するために使用される電子ビームは、エレベーターの稼働などによって生じる僅かな磁気が周囲にあるだけで、その影響を受けて曲がってしまう。そのような好ましくない磁気を遮断するものを"磁気シールド"と言う。同社は、その磁気シールドを"パーマロイ"と呼ばれる、磁気シールド効果の高い合金で製造している。この製品は加工が難しく、磁気シールドを専門としている会社は世界を含めても数社しか存在していない。まさに、同社は数少ないパーマロイ磁気シールドのスペシャリストなのだ。その秘密と同社が目指すビジョンについて奥村社長に伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

「打つ手は高く、頭(こうべ)は低く」 謙虚な心を忘れない姿勢

「打つ手は高く、頭(こうべ)は低く」これは創業者である五十嵐耕司がいつも説いていたことを、奥村社長が”オータマスピリット”としてまとめた言葉である。高い理想を掲げチャレンジし続ける一方で、例え商売が上手くいっても驕り高ぶらず、謙虚な姿勢を愚直に貫く姿勢を説いたものだ。 現実に、同社しか扱えない磁気シールド案件が多々あるため、仮に納期が遅れても、値段を上げても、クレームを起こしても仕事がなくなることは考えにくいだろう。 しかし、奥村社長は「私が当社に来た時から、社員全員が謙虚にひたむきに、仕事に取り組んでいました」と語る。何があっても納期を守ろうと社員同士が協力し合う、価格を吊り上げることはせず適切な価格で提案するということを当たり前に実践している。 「謙虚な心を忘れてしまえば、事業は上手くいかないと創業者が考え社員へ説き続けたことが浸透しているのでしょう」と奥村社長はしみじみと語った。

国内No.1 磁気コントロールのスペシャリスト

磁気シールド効果の高い合金であるパーマロイを使った磁気シールドは、非常に扱いが難しく、この事業を手掛けている会社は世界的にも少ない。オータマはその1社であり、オータマしか対応できない案件が数多く存在する。その秘密は、「熱処理に特化した加工技術」と「磁界分析によるシミュレーション技術」にある。パーマロイは熱を加えると磁気特性が上がるが、当然、熱が加わった金属は変形してしまい、使えなくなってしまう。その変形を最小限に抑える技術が同社にはあり、奥村社長曰く「板金業も熱処理業も世の中に数多くあるが、両方をできる企業はほとんどない」という門外不出の技術なのだ。また、設計段階でほぼ正確な磁気特性を解析可能にするシミュレーション技術は、同社が何十年にも渡りデータを愚直に取り続けてきた努力の結晶であり、磁気コントロールについて右に出る企業はない。オータマは紛れもなく、世界有数の磁気コントロールのスペシャリストなのだ。

磁気シールドの世界一へ 私達が世の中を変える

「私達しかできないことをやって、磁気シールドで世界一になります」奥村社長は迷わずに答えた。同社も扱うパーマロイを使った磁気シールドは、実は海外では、主に軍事産業へ活用されている。軍事産業を扱わずに発展してきた同社は、世界的に見れば極めて特殊な会社であると言える。だからこそ、同社にしかできないことがあると奥村社長は考えているのだ。 例えば、原子力発電により発生し、処理することができず地面に埋められて対処が先送りにされ続けている放射性物質を研究する世界的なプロジェクトに、同社の技術が必要とされ、参画している。また、体に流れる磁気を医療に活用できるよう、安価で設置が簡単な磁気シールドの開発を、国から研究開発費を貰って同社が進めている。「キーワードは、『誰もやらないから私達がやる』ですね」奥村社長は未来を見据えながらそう語った。その先には磁気シールド世界一と、世の中の発展が待っているに違いない。

奥村社長に聞く、オータマと奥村社長自身のターニングポイント

―オータマにとってのターニングポイントを教えてください

1つは大量生産から、少量多品種へ事業を切り替えたことですね。カセットテープレコーダーなどの需要で、パーマロイを使った大量生産製品のマーケットは1970年ごろから2000年をピークに爆発的に伸びたんです。しかしその後、上記商品の衰退とともに大量生産の市場は縮小しました。当社は「つくれば売れるなんて面白くない」という考えから、市場が盛り上がっていた頃に撤退し、ニッチで少量多品種に舵を切るという英断をしたんです。もう1つはシールド特性を数値化したことです。それまではユーザーの要望通りの図面で製品を加工していたのですが、本当に必要なスペックを計測することによって最適な製品をお届けできる体制をつくったんです。本物のニーズを追究する姿勢が今のオータマの礎になったのだと思います。

―奥村社長にとってのターニングポイントを教えてください

とある大学教授との出会いですね。私はリーマンショックの立て直しのために2009年に当社へ入社したのですが、それまでEMCの試験所で働いていまして、この磁気シールドの業界のことは詳しくありませんでした。そんな中で、とある著名な磁気センサーの先生と初めてお会いして名刺交換をしたのですが、その先生にお渡した私の名刺を見て「お前らシールド屋がぼったくっているから世の中の技術は進歩しないんだ」と言われたんです。その後、社員からも「電磁波シールドの業界は技術の発展が鈍く、いい加減な会社が多い」と聞きました。磁気シールドは必要不可欠なものであるにも関わらず、数社がその市場を独占しているためでしょう。このことがきっかけとなって「誰もやらないなら私達が業界を変える」「世界一の磁気シールド企業になる」と思うに至りましたね。

―奥村社長の会社経営のポリシーを教えてください

私の会社経営のポリシーは、「私がいなくなっても伸びる会社」にすることですね。私は「いればもっと良くなる」存在で良いんです。これからの時代は社長の力だけでなんとかする時代ではないと思うんですよね。 そのためには、社員それぞれが自分の能力を発揮してくれないといけないと思いますし、そのための仕組みづくりや環境づくりは最大限努力したいと考えています。例えば、社員同士のコミュニケーションを確保するための忘年会などのイベントはすべて営業時間内にやっています。営業時間外に自由参加だと全員参加は難しいですし、「これも仕事の一環」としたことで参加する側の意識も変わって意味のある場になりました。これも、社員の働く環境づくりを本気でやるという会社の取組みの1つですね。

磁気コントロールのスペシャリストとして

磁気コントロールのスペシャリストとして

株式会社オータマ

営業部 営業課 瑞慶山 末広(ずけやま すえひろ)

パーマロイを使った磁気シールドメーカーとして、業界トップの実力を誇るオータマ。お客様から同社へ寄せられる相談は、「どうしたらこのような磁気を防げますか?」など磁気コントロールについての専門的で高度なものばかり。その窓口である営業として活躍しているのが、今回取材をした瑞慶山さんである。多岐に渡るお客様を担当している瑞慶山さんは、入社2年目だがオータマの看板を背負う営業マンの1人だ。また、瑞慶山さんは同社にとって重要な海外展開プロジェクトの担当者であり、ますますこれからの同社にとって欠かせない人材となっていくことだろう。 そんな瑞慶山さんから、同社の仕事のやりがいや今後の夢など、色々な話を伺った。

伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い

安定した収益基盤と、さらなる可能性

大学を卒業してからの5年間、切削加工会社で働いていた瑞慶山さん。しかし、「安定と挑戦を両立させながら働くことができる会社に」と考え、転職を決意した。 同社はパーマロイの磁気シールドにおいて国内No.1企業として大きなシェアを握っており、50年間連続で黒字経営をしているという安定した収益基盤があることを知り、大いに惹かれたという。 そして、決定打となったのは、安定した収益基盤があるにも関わらず、それにおごらずに、加速器業界や生体磁気業界など、さらなる挑戦をし続けようとしている姿勢だ。 「この会社なら安心して働くことができるし、やりがいを持って色々な挑戦ができる」そう考えた瑞慶山さんは同社に入社を決意した。 安心できる職場環境に加えて、海外案件を担当するなど、同社のチャレンジの最先端でイキイキと働いている瑞慶山さんの表情を見るに、その判断は間違っていなかったということだろう。

磁気コントロールのスペシャリスト お客様のニーズに応える

パーマロイを使用した磁気シールドは、今やあらゆるの場面で必要不可欠なものとなっているが、ニッチで複雑な分野であるため、磁気コントロールに頭を悩ませる企業は多い。そんな時、専門家として頼りにされるのが業界トップ企業であるオータマであり、営業である瑞慶山さんである。お客様から寄せられる「どうしたらこのような磁気を防げますか?」など専門的な相談の1つ1つに対して、「今回の案件については、アルミとパーマロイを、こんな形で組み合わせると可能だと思います」と対応していく必要がある。 高度な専門知識や経験が要求されるため、決して簡単な仕事ではないが、「オータマなら、瑞慶山さんなら何とかしてくれる」と厚い信頼を寄せてくれているお客様の問題解決に貢献し「瑞慶山さんのおかげで助かりました」と言われた時の充実感は、何事にも代えがたいものだと瑞慶山さんは語る。これからも瑞慶山さんは、お客様の悩みに応え続け、さらなる信頼と感謝を得ていくのだろう。

アメリカへの進出 その最前線で活躍する

同社の現在の取引の多くは日本、アジアであり、アメリカに関しては、ほとんど取引がない状態だ。そんな中、同社は未知の市場であるアメリカへ展開する動きを強化しており、その重大プロジェクトの担当となったのが瑞慶山さんだ。瑞慶山さんはこの件について、「私には海外営業の経験もなく、語学もまだ心もとないのですが、営業部の中で私が一番若く、成長を期待されてのことだと思います」と前向きに受け止めている。 一方で、扱っている磁気の難しい専門用語への対応など、語学力の問題でお客様からの質問に対してすぐに回答できないこともある。現在は、英語を話せる社員など色々な人を頼りながら仕事を進めているが、この壁を突破するため、同時に語学の勉強も進めている。 「会社として非常に大切なことを任されていると考えています。担当として、より活躍できるよう、頑張っていきたいです」語学の壁にめげることなく、目を輝かせてそう語る瑞慶山さんの今後の活躍に要注目だ。

瑞慶山さんに聞く、オータマの雰囲気

―今までオータマで働いていて、印象に残っていることを教えてください

アメリカへの海外展開の活動の中で、アメリカの大学で開催された展示会に出展した時のことですね。 展示会に向けたポスター製作をすることになったのですが、関係者への報連相や人を巻き込むということができていなくて上手く進めることができなかったり、社長を含めて展示会へ行った3人は英語を話すことができたのですが私だけが英語を話すことができないということもあり、「今の自分ってまだまだだな」と思い知らされました。 この一連の経験を通して、「もっと成長しなければ」という思いに駆られるようになりましたので、今後の自分にとっても間違いなく財産になるものだったと思います。この経験を生かして、これからもっと成長していきたいですね。

―会社の雰囲気について教えてください

社員同士のコミュニケーションをとても大切にしていると思います。 BBQ大会や忘年会など、社員同士でコミュニケーションを取るための場がいくつもあるのですが、オータマでは何と、就業時間中に実施するんです。例えば、忘年会は14時からスタートします。「他の社員とコミュニケーションをとり、お互いを理解し合うことも仕事なんだ」という考えを持って、それを就業時間中にやってしまう会社は多くないと思いますね。沖縄への社員旅行も労働日に行きましたが、社長から「メリハリをつけるために、社員旅行中は仕事の話をせず、思う存分楽しむように」ということで、皆さんとプライベートの話なんかをしながら、すごく楽しむことができましたね。

―これから入社してくる方へ、メッセージをお願いします

私もそうでしたが、入社してくる方のほとんどは、磁気シールドや磁界について、今まで関わった経験がないと思います。でも、前向きな気持ちがあれば、新しい知識をどんどん吸収して、面白みが出てくると思います。また、社員同士のコミュニケーションを大切にしていて、社内のイベントもたくさんあるので、何か辛いことがあっても、また前向きに仕事ができる環境があります。 そして今、海外進出、生体磁気業界や加速器業界等の新しい分野を広げることによって会社が変わろうとしているタイミングです。50年以上の歴史がある一方で、さらにまだまだ伸びていける会社だと思っています。なので、会社と一緒に成長していきたいと考えている方と是非働きたいと考えています。

監修企業からのコメント

コメント
パーマロイを使った磁気シールドにおいて業界トップの実績と実力を誇る同社。 それにも関わらず、決しておごることなく、新たなチャレンジを続けているその姿勢に脱帽しました。これから社会の発展に欠かすことのできない技術の発展に少しでも貢献しようという奥村社長や、スペシャリストとしてお客様の声に応えようとする瑞慶山様の思いが少しでも当記事を通じて伝われば幸いです。

掲載企業からのコメント

コメント
「打つ手は高く、頭(こうべ)は低く」の精神を忘れずに、これからも精進してまいります。よろしくお願い致します。
株式会社オータマ

創業年(設立年)

1964年(1964年)

事業内容

・磁気遮蔽部品製造 磁性材料(各種パーマロイおよびその他)、精密板金・精密プレス・熱処理 ・磁気および電磁波の測定とその対策 ・磁気および電磁波遮蔽加工(シールドルーム・キャンセラー他)

所在地

東京都稲城市押立1744

資本金

1,000万円

従業員

約60名

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