株式会社内山精工
挑戦と改善を楽しむ成長するものづくり企業

株式会社内山精工

代表取締役社長 内山彰博

精密機械加工の分野で高い技術力を培ってきた株式会社内山精工は、富山県中新川郡に本社を構える。緑あふれる自然の中で、産業機械や各種機械部品の精密加工・製造を手掛けているものづくり企業である。切削加工をはじめ、多品種少ロットから量産まで柔軟に対応できる生産体制を強みに、品質と納期を両立した製品を提供し、多くの顧客から信頼を獲得してきた。「会社は仕事を通し、みんなが幸せになるため努力する場所である。」という経営理念のとおり、3代目社長である内山社長を筆頭に、社員一人ひとりの成長と働きやすい職場づくりを大切にする文化が根付いている。品質・環境マネジメントの継続的な改善にも取り組む同社は、技術力と挑戦する姿勢を武器に、地域産業の発展と日本のものづくりを支え続けている。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

「自分たちでやる」が、挑戦を楽しむ文化をつくる

同社の社風を一言で表すなら、「自分たちでやってみる会社」である。その根底にあるのは、創業者から受け継がれてきた「感謝 心 人の和」の精神。できない理由を探すのではなく、できる方法をみんなで考える。不良や失敗に対して責任を追及するのではなく、「次に起こさないためにはどうするか」を考える教材として捉える。そうした積み重ねが、一人ひとりの主体性を育み、挑戦する風土を築いてきた。さらに同社が大切にしていることが、「働くとは傍を楽にすること」という考え方である。お客様の困りごとを解決することはもちろん、社内でも困っている仲間を助け、仕事を、より楽に、より良くすることを目指して改善を重ねている。ここでいう「楽」とは、工夫によって無駄をなくし、働く人もお客様も笑顔になれる状態をつくることである。だからこそ内山精工では、挑戦を楽しみ、人を思いやり、皆でより良い仕事をつくり上げる文化が醸成されている。その文化こそが、長年受け継がれてきた内山精工の大きな魅力である。

改善を文化に変えた「改善力」が強み

内山精工最大の独自性は、改善を一過性の活動ではなく、企業文化として根付かせている「改善力」である。同社では年間400件を超える改善提案が社内から寄せられ、その実施率は80%を超える。ここまで高い率を維持できる理由は、内山社長の「提案されたことは必ず向き合う」という姿勢にある。たとえ実施が難しい案件であっても理由を伝え、放置しない。社員は「言えば変わる」と実感できるため、次々と新たな改善提案が生まれる好循環が続いている。改善を進めるうえで、同社がスローガンの先頭に掲げているのが「より楽に」という考え方である。大前提にあるのは、QCD(より良いものを、より安く、より早く)の追求だ。作業者に負担をかけないために、自分の仕事を「より楽に」する方法を考え、その改善がQCDの向上につながり、仕事をより良くするための取り組みだという意識にも変わる。改善を積み重ねることで仕事は楽しくなり、人も会社も成長する。その文化こそが、内山精工ならではの独自性であり、強みなのである。

ものづくりを通して、困りごとを解決する会社へ

内山精工が目指しているのは、単にものづくりをする会社ではない。ものづくりを通じて、お客様の困りごとを解決する会社であり続けることである。お客様が最も求めていることは品質以上に納期であるケースが少なくない。試作品や緊急対応など、「今すぐ必要」という要望に対し、社員一人ひとりが知恵を出し合い、お客様の期待に応えようと行動する姿勢が、内山精工の信頼を支えている。だからこそ同社は、前述した改善力を武器に挑戦を続けている。実際に、難易度の高い超薄型の試作品の製造に関しても、同社は「お客様を驚かせてやろう」と楽しみながら挑戦を重ねる。実際にお客様の期待を超えるクオリティの試作品を完成させ、驚いたお客様が工場まで駆け付けたというエピソードもある。創業100年を目前に控えた同社。創業者から受け継ぐ感謝の精神と長年培ってきた改善力。これらを磨き続けることで、内山精工は「ものをつくる会社」から「お客様の課題を解決する会社」へと進化していく。

「感謝 心 人の和」を形にする、内山精工のものづくり

改善が文化として根付いた背景を教えてください。

「改善を続けられる仕組み」をつくってきたことだと思います。現場で自然と行われていた改善を、制度として仕組み化しました。提案書は気軽に出せる簡単なフォーマットにし、件数や実施状況を見える化していますし、表彰制度や年2回の改善事例発表会を通じて、改善を共有し、称え合う機会を設けてきました。ただ、制度以上に大切なのは「言ったら変わる」という実感だと考えています。せっかく提案しても何も変わらなければ、誰も声を挙げてくれなくなります。そのため、できる限り改善を実行し、難しい場合も理由を伝えることで、社員自身が「自分の声で職場が良くなる」と感じられているのだと思います。その積み重ねが改善への意欲を生み、内山精工ならではの文化として根付いているのでしょう。

内山精工では『心を込めたものづくり』を大切にされています。その想いを教えてください。

私が最も大切にしていることは、「感謝を形にすること」です。内山精工には、創業者が残した「感謝 心 人の和」という考えがあります。感謝の気持ちを持ち、人と人とのつながりを大切にすること。それが、会社づくりやものづくりの原点だと考えています。以前、恩師へ感謝の手紙を送った際、とても喜んでいただいた経験から、感謝は言葉だけでなく行動で示すことが大切だと実感しました。例えば、社員一人ひとりの誕生日には、毎年手づくりのプレゼントを渡しています。陶芸やガラス工芸など心を込めたものを贈ることで、「心を込めてものをつくる」という創業者の想いを少しでも伝えたいと思っています。感謝の心を持って人と向き合い、その気持ちを形で表すこと。それが、内山精工らしいものづくりや会社づくりにつながっていると思っています。

これからの内山精工にとって、最も重要だと考えていることを教えてください。

これからも重要になるのは、人の採用と育成だと思っています。多品種小ロット化が進む中で、人の力はますます重要となります。誰でも採用するという考えではなく、会社の考え方に共感し、一緒に頑張ってくれる仲間と働きたいと思っています。実際に、私が自慢したい社員もいます。ものづくり未経験で入社した社員です。入社前には自信のなさも見える子でしたが、研修や仕事を経験してからは、まず「やってみます」と前向きに行動するようになりました。何かお願いをすると必ず前向きに受け止め、自分で考えて動いてくれるんです。そういう姿を見ると、本当に成長したなと感じます。人は環境や経験で変わると思っています。だからこそ採用だけでなく、その後の育成にも力を入れ、一緒に成長できる会社でありたいですね。

挑戦を力に未来をつくる技術者

挑戦を力に未来をつくる技術者

株式会社内山精工

製作2係MCライン係長 佐渡亮太

内山精工には、未経験からの入社でも挑戦し、自ら成長できる風土が根付いている。今回取材させていただいたのは、2006年に新卒で入社し、現在は製作2係MCライン係長を務める佐渡亮太氏である。新卒入社した佐渡氏はもちろん製造未経験であるが、「会社は仕事を通してみんなを幸せにする場所」という経営理念に共感し、地元・富山で働きたいという思いから内山精工を選んだ。現在は、マシニングセンターによる精密加工をはじめ、加工方法の検討や治具製作、後輩への安全教育・技術指導など、製造現場の中核を担っている。今回は佐渡氏に、入社のきっかけや仕事のやりがい、そして技術者として描く将来の夢について伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

未経験から技術者への第一歩

佐渡氏が同社に入社したきっかけは、経営理念に共感したからである。就職活動ではIT企業を含めさまざまな会社を見て回ったが、「会社は仕事を通してみんなを幸せにする場所」という考え方に惹かれ、この会社で働きたいと感じた。また、地元・富山で腰を据えて働きたいという思いも同社への入社を後押しした。ものづくりは未経験だったため、入社当初は機械の操作や製造工程など、覚えることばかりで苦労したが、一日でも早く技術を身に付けたいという気持ちは誰にも負けなかった。量産ラインでは段取り作業から始まるが、指示を待つのではなく、自ら上司へ声を掛けて仕事を任せてもらい、積極的に一つひとつ経験を積み重ねてきた。その姿勢が現在のリーダーとしての土台をつくっている。社員の挑戦する意欲を受け止め、成長を後押ししてくれる環境があることは、内山精工ならではの魅力であるといえるだろう。

挑戦の先にある達成感

仕事で最もやりがいを感じるのは、難しい加工をやり遂げた瞬間であると話す。取り組んでいる最中は苦労も多いが、試行錯誤を重ねた末に完成した時の達成感は何にも代え難い。現在担当しているMCラインは、鉄に穴を開ける加工を行う工程で、材料をどのようにつかむのかを、自ら考え、最適な加工方法を組み立てる必要がある。方法は一つではなく、時には治具を自分で製作することもあり、技術だけでなく発想力も求められる仕事である。普段お客様から直接評価をいただく機会は少ないが、自分の中で課題を一つずつ乗り越えていくことが大きな達成感につながっている。最近では、ゴルフマーカーの製作機会をいただき、デザインから製作、納品まで一貫して携わっている。完成後に「すごく良かった」「とても良くできている」といったお客様の声をいただけた時は、自分の仕事が喜びにつながっていることを実感でき、大きな喜びにつながったと佐渡氏は語った。

技術者とともに未来をつくる

夢は、技術者を増やし、社員一人ひとりが楽しく働ける職場をつくることであるという。そのためには、まず自分自身が高い技術力を身に付け、素早くて正確な加工ができる技術者へ成長したいと考えている。一方で、理想の職場づくりには技術だけでなく、人を育てる環境も欠かせない。現在は教育の仕組みや指導する時間が十分とは言えず、現場まで考え方や技術が浸透しきれていないことを課題に感じている。だからこそ、自分自身もコミュニケーションを大切にしながら、後輩が安心して学べる環境づくりに貢献していきたいと話す。将来的には役職に就くことを目指し、会社全体の成長を支える存在になることが目標である。また、製造業の魅力やものづくりの面白さを若い世代へ積極的に発信し、「製造業で働きたい」と思う人を一人でも増やしていきたいのだそう。それらの積み重ねが、内山精工のさらなる発展につながると前向きに考えている。

挑戦する人を育てる風土の中で、技術と人づくりを追求する佐渡氏の歩み

大切にしていることは何ですか?

私は、安全を第一に考え、後輩へ経験を伝えることを最も大切にしています。どれだけ技術があっても、安全が守られなければ意味がありません。現場では鉄を扱うため、手を切ってしまうことや、摩擦熱により、皮膚の火傷が発生するなどの危険が常にあります。そのため、マニュアルにそって、教えるだけではなく、自分自身が経験した失敗や危険な場面を交えながら、「なぜ気を付けなければならないのか」を自分の言葉で伝えるようにしています。また、若手の頃に先輩社員へ相談できる機会が少なかった経験があるからこそ、後輩には同じ苦労や不安を感じてほしくありません。一人ひとりと向き合い、安心して成長できる環境をつくることが、内山精工の技術や品質を次の世代へつないでいくことにつながると考えています。

内山社長は、どのような方ですか?

社長は、社員一人ひとりの成長を真剣に考え、挑戦を後押ししてくれる方だと思います。私自身、製造業未経験で入社しましたが、「会社は仕事を通し、みんなが幸せになるため努力する場所である。」という経営理念に共感して入社を決めました。その理念は、今も会社全体に根付いていると感じています。現場では改善や挑戦を前向きに受け入れる風土があり、自分から行動すれば仕事を任せてもらえる環境があります。また、経営層や幹部の考え方もすごく前向きで、「会社をもっと良くしたい」という思いを強く持っている気がします。社員の成長を信じ、挑戦する人を支えてくれる姿勢が、内山精工の魅力だと日々感じています。

今後、どのような会社にしていきたいですか?

私は、製造業の魅力やものづくりの面白さを若い世代にもっと知ってもらい、「内山精工で働きたい」と思ってもらえる会社にしていきたいです。その理由は、内山精工には高い技術を学びながら、自分自身も成長を実感できる環境があり、ものづくりの楽しさを日々感じられる会社だと感じてるからです。実際に私も先輩方から多くのことを学び、できることが増えるたびに仕事の面白さを実感してきました。これからは私自身も後輩の育成に積極的に関わりながら、ものづくりの魅力や内山精工ならではの良さを発信していきたいです。そして、「ものづくりをやってみたい」「ここで成長したい」という想いを持つ人材が集まる会社にしていきたいと思っています。

監修企業からのコメント

コメント
内山社長のお話から、会社の強みは技術だけでなく、「人の心」を何より大切にする経営姿勢にあることを強く感じました。感謝を手づくりの贈り物で伝える取り組みや、お客様や社員と真摯に向き合う姿勢は非常に印象的でした。理念を言葉だけでなく行動で実践し続ける姿から、多くの学びと気づきを得たインタビューとなりました。

掲載企業からのコメント

コメント
今回のインタビューを通じて、自分自身が大切にしてきた「感謝を形にすること」や「心を込めたものづくり」の考えを改めて振り返る良い機会となりました。創業者から受け継いだ理念や仲間への感謝を、これからも行動で示しながら、人が育ち、お客様の期待を超える会社づくりを続けていきたいと感じました。
株式会社内山精工

創業年(設立年)

1931年

事業内容

軸受部品、自動車部品、油圧機器部品、刻印台金製作などの機械加工

所在地

富山県中新川郡上市町広野3132

資本金

1,000万円

従業員

65名

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