フルード工業株式会社
社員の健康を第一に技術向上に励む

フルード工業株式会社

代表取締役社長 鈴木 一大

フルード工業は、混相流体技術を用いて食品や機械、化学など幅広い分野の製造ラインの効率化と改善を約半世紀行ってきた。混相流体とは、物質の複数の相(気体・個体・液体)が混ざり合った状態の流体のことを指す。わかりやすく言えば、泥は個体と液体でできている混相流体の一種である。同社は、この技術に秀でており、その技術を用いた製品として、同社の代名詞となっているロータリーバルブがある。ロータリーバルブは、粉や粒が集まってできた粉粒体を運ぶ際に、必要な空気の流れを制御する弁になる装置である。同社はこのロータリーバルブを、1978年に日本で初めてJIS標準数仕様の製品として販売している。日本初の製品も生み出している同社にこれまでの歴史や未来について、お話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

自他ともに認める会社の雰囲気の良さ、その秘密に迫る

「社員同士の雰囲気は、とても良いと思う」と鈴木社長は語る。同社に初めて来社するお客様の多くの方々から、口を揃えて「雰囲気が良い会社ですね」とお褒めの言葉をいただくそうだ。なぜ、そこまで社員同士の雰囲気が良いのか、それにはれっきとした理由がある。それは、社内イベントを毎年欠かさず行い、コミュニケーションを取る環境を作っているからだ。同社では年に2回、行楽という日帰りの社内イベントを行い、博物館や美術館などに行っている。まずは楽しむ、そして教養を深めることが目的である。また、その日を出社日と設定しているので、気兼ねなく参加することができる。それに加えて、国内旅行も毎年行っているので、団結力が強い。社員同士の雰囲気の良さは、社員の定着率にも表れる。実際に同社の退職理由は、定年退社と寿退社が圧倒的に多い。和やかで争わない雰囲気が漂うフルード工業は、非常に居心地が良い環境として社員にとって愛されている。

お客様の痒い所に手が届く製品づくり、それがフルード工業流

同社の独自性を鈴木社長は「お客様のお困りになっているところを、しっかり聞いて痒い所に手が届くように製品を作っている」と語る。同社はもともと、混相流体の装置をオーダーメイドで構築していくことが主力の事業であった。しかし、それだけでは受注の波があることから、混相流体で使われている機械を標準化して販売することを始めた。この時に、作られたのがロータリーバルブである。「ロータリーバルブはほとんど市販されていなかった」と当時を振り返る鈴木社長。一部、販売は始まっていたものの、信頼度が足りていないこともあり、売れていなかった。そこに目を付けた同社は、日本で初めてJIS標準数仕様のロータリーバルブを販売した。JIS仕様は国に認められた証拠であり、信頼性は高い。販売を始めてから40年を経とうとするが、売上比率では未だに60~70%を占める主力製品である。お客様のニーズを汲み取り、製品を作っているからこそ、今の同社があると言っても過言ではない。

安定した基盤から、徐々に会社の成長を加速させていく

「会社の成長を、2歩3歩と加速してきたい」と意気込む鈴木社長。同社は自己資本比率が高く、財政面で安定しているので、決して後退することなく着実に進んできた。ここから維持しながらも、加速させていくことが狙いである。「組織として安定してきた」とも語る鈴木社長。以前は技術職が営業も行っていたが、数年前に、文系の営業職を採用した。その社員らが成長してきたこともあり、組織が成長する大きなチャンスである。また、会社を成長させるためには、組織の成長はもちろんのこと、製品を作っている同社では、設備投資も成長には欠かせない要素の一つである。工場の増設やリニューアルをする計画もあり、これらの試みが成長の起爆剤となることを期待している。「5年後も同じレールで事業を行うが、在来線が新幹線になるくらいに成長を加速させたい」と鈴木社長。創業50周年が近づいている同社の、更なる発展に目が離せない。

技術の向上ためには一切の手を抜かない

―経営を行っている上で、大切にしている考え方を教えてください

基本は健康ですね。これは最優先にしています。体調が悪くて休むことに関しては、一切ブレーキをかけません。社員が自分の体調に対して、大丈夫と言っても、私の判断で帰らせることもあります。会社の定期健診のデータも、社員の健康のために私がデータの管理をしていますね。健康を気にするようになったきっかけは2つあります。1つは、私が小さいころあまり体が丈夫ではなかったこと、もう1つは親族に医療関係者が多かったこともあり、健康に気を遣う環境であったことが大きいと思います。やはり、何をするにしても健康は一番大事です。心身共に健康でないと、仕事もうまくいきません。心身の健康を大切にするという考えは、弊社の経営理念にもしっかりと記されています。

―御社が特に力を入れていることは何ですか

商品を売ってますが、本質は技術の会社ですから、技術力をしっかりと育てています。そのために、実験・研究等は常に行い、それらを専門的に行う社員もいます。これを行うことで、この分野で知られていなかったであろう、色々な発見もありますし、次の商品開発につながります。また、実験で実際のデータが取れるので、装置の性能が予測より良い結果が得られたりするのです。この会社の規模で、実験・開発を自社で行っているところは、珍しいと思いますね。実験や研究自体は直接利益にならないですが弊社はここに力を入れており、技術を究める人にとって、技術者としての成長を止めない環境になっています。

―御社のPRポイントを教えてください

粉や粒を空気や水に混ぜて運ぶ混相流体の技術が、私達の得意技ですね。粉はほっといても動きませんから、そこに空気や水を混ぜて運ぶわけですけど、混ぜる時に色々問題が出ますね。圧力の高いパイプに粉を入れようとすると、吹き出してしまいますからね。そこでロータリーバルブなどを使い、問題が起きないようにしています。また、製品の不具合が少ないところも同社の自慢の1つですね。輸送の工程で1ヵ所でも不具合が出ると、その工場全体がストップしてしまいます。不具合を起こすと、金銭的な損失だけではなく、会社としての信頼も失います。ですので、寸法の確認や徹底的な品質管理を行い、問題を未然に防いでいます。

ものづくりに対する飽くなき探求心

ものづくりに対する飽くなき探求心

フルード工業株式会社

技術部 技術第一課 開発・エンジニアリング係 主任  小岩 寛明

入社して7年になる小岩さん。会社の中では、若手であるが、日々の業務は多岐にわたる。現在は開発に携わっており、つくばにある研究所で自ら実験を行い、その実験データをもとに、考察を行っている。例えば実験データをグラフ化したものに対して、なぜそのような傾向が出るのか仮説を立てる。その仮説にしたものが、実際にそのような動きをするのか検証しているのだ。また、同社の主力製品である、ロータリーバルブや二段ダンパの新機種の設計を行った経験もある。多種多様な設計図を自ら書き起こして行う業務だが、常に改善できる箇所はないのか考え、より良い製品になるように取り組んでいる。そんな様々な業務に主体的に取り組む小岩さんに、今回お話を伺った。

伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い

「1から10まで作りたい」技術者としての始まり

大学時代、精密機械工学科を専攻しており、就職活動では機械の設計ができる会社を探していた。規模が大きな会社だと業務内容が細分化されているケースが多い。製品が製造される1つの工程だけをやるのでは、面白みに欠けると感じていた。その中で「1から10までできる会社に入りたい」と思っていた小岩さんが出会ったのがフルード工業である。設計から製造までの全工程を行っている同社は、希望している「1から10までできる」にマッチしていた。それに加え、「フルード工業には固いイメージがなかった」と小岩さん。自由な環境で働くことを望んでいた小岩さんは、同社に面接で訪れた際、社員同士の会話や会社全体の雰囲気の良さも感じられたため、入社を決意したのだ。入社早々、社内では構想と呼ばれる、いわば0の状態から製品づくりをするプロジェクトに参加した。「1から10までできる」フルード工業で小岩さんの技術者としての道はスタートした。

一連の流れに携わり製品として形になる喜び

「自分が作った製品が出来上がって、ちゃんと動いているところを見たときですね」と小岩さんはやりがいを語った。設計したものが、ちゃんと形になることが技術者としての自信にも繋がる。図面を書いても、それが思った通りにいく時もあれば、イメージと違う時もある。その分、想像通りの製品が出来上がった時には感動も大きい。図面という2次元の状態から製品という3次元の状態に変わる一連の過程を体験できるのは、同社の環境があるからこそ可能なのである。実際に、何も無い紙ベースから形にしていくことは、非常に難しいことであるが、そこにやりがいを感じている。ものづくりが好きだからこそ、困難なこともやりがいになるのであろう。入社理由であった「1から10までできる会社に入りたい」は、現在では入社動機からやりがいに変化している。7年前、会社に抱いていた思いを「やりがい」として仕事ができているのは、小岩さんの技術に対する熱意があるからだ。

コツコツと積み上げる、それが夢につながる

自身の夢について小岩さんは「一歩ずつ着実に技術力を積み上げていきたい」と語った。地位に上り詰めていきたいということよりも、開発や設計などの日々の業務の積み重ねから得られる知識を増やす事や、技術力を上げていくことを望んだ。さらに、「今ある製品に付加価値を付けていきたい」と小岩さん。既存製品を改良してより良い製品を作っていきたいと考えている。例えば、同社の主力製品であるロータリーバルブは、どのようにしたら今よりも高温下の状態でも使用できるようになるのか、より耐久性を上げるにはどのようにしたらいいのか、頭の中にはアイデアが沢山ある。性能の幅を広げていく事で、お客様により満足するものを提供しようとしている。現状に満足せずに、常に自らの技術者としてのスキルを成長させて、会社に貢献していきたいと考えている。コツコツ積み上げて自分のものにしていく小岩さんなら、必ず実現できるだろう。

会社が一体となりより良いものを作っていく

―鈴木社長はどのような方ですか

どんなこともを引っ張っていく方だと思います。プロジェクトにもたくさん入って、意見を出していますね。社員が考えたことに対して、社長に違う観点でアドバイスしていただくこともあります。前に出る社長ですけど、だからと言って社長が全て行うのではなく、仕事を任せてもらっています。色々なプロジェクトに参加しつつ、会社の経営も行っているので本当に凄いです。忙しいはずですからね。後は、社員の健康を気にしてくれますね。週に1回火曜日の昼に、会議があるのですがその時も社長から、健康についてのお話とかありますし、定期健診の時も結果に対してコメントをして社員の健康を大切にしていますね。社員を想って色々なことを行っている社長です。

―入社してから印象に残っているエピソードを教えてください

印象に残っているのは、失敗した経験ですね。今から2年前くらいのことで、通常のロータリーバルブは粉を扱うのですが、その時は粉だけではなくて、液体のものを取り扱っていました。その製品は耐圧性や気密性を重視するものであったのですが、トラブルで中から液体が漏れてしまいました。修理して終わりのはずだったのですが、持ち帰った際にモーターを壊してしまったんです。自分の単純なミスのせいで修理の時間はよりかかり、お客様を待たせてしまう事になってしまいました。一つのミスがあっという間に大きくなってしまうことを身に染みて感じました。また、その経験から万が一ミスをしてしまっても、焦らず冷静に対処して、それ以上ミスを大きくしないことを心掛けています。

―フルード工業の会社としての魅力を教えてください

魅力はいくつかありますね。まず、風通しが良いです。コミュニケーションの垣根がなく、上司とも相談がしやすいです。ワンフロアで業務を行っていることもあり、社長や部長、直属の上司のみならず、隣の課の上司にも気軽に相談できます。行楽と言われる社内行事もあり、業務以外での交流もあるおかげか、社員同士の仲もいいです。仕事以外の話もよくしていますね。後は、色々と仕事を任せてもらえる環境だと思います。実際に入社したての頃に、他の会社ではすぐにできない構想段階の仕事をしています。そして、やはり製品がつくられるスタート段階から完成品ができるゴール段階まで、自分の目で流れを見ていられることが魅力ですね。

監修企業からのコメント

コメント
今回、取材させていただいて鈴木社長の「お客様の痒い所に手が届くようなものを作る」という言葉がとても印象的でした。お客様の困っていることを、的確に聞かなければできない事ですが、貴社の技術力があるからこそ可能にしているのだと感じました。まもまく創業50年を迎える貴社に目が離せません!

掲載企業からのコメント

コメント
この度は取材していただき、ありがとうございました。創業から約半世紀が経ち、自社を振り返ると、様々なことがあっての現在なのだと実感致しました。ここまで続けてこられたのも、お客様との良い関係性があってこそだと思います。これからも、お客様に取引して良かったと言っていただけるように精進してまいります。
フルード工業株式会社

創業年(設立年)

1969年(1970年)

事業内容

空気輸送装置・集塵装置・粉粒体供給 排出機・粉粒体輸送機・粉粒体関連機器・計測器の 設計・製造・販売

所在地

東京都文京区小日向4-6-19

資本金

5,000万円

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