株式会社伊勢屋
代表取締役社長 湖東悦郎
「think office」オフィスづくりを通じて「生産性の向上」を考える。新しい時代の働き方を考えている株式会社伊勢屋の歴史は100年以上にのぼる。筆墨の販売を主として創業以来、文房具や事務用品、OA機器などの販売を主力事業とし、時代に合わせて新しい事業をつくりあげてきた。そんな進化を続ける同社の代表である湖東社長は、先代である父親の背中を見て育ってきた。次期社長になることを見据え、最初に就職したのはOA機器の販売店で営業職として経験を積んだ。2社目では家具や産業機器のメーカーでお客様の環境づくりに取り組んできた。10年弱、他社で修業を積んだのちに伊勢屋へ入社。これまでの経験を活かし、代表として伊勢屋の進化をつくり続ける湖東社長に、同社の文化や未来について伺った。
伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
コミュニケーションを大切にする会社
「社長、私はこう思うんですけどどうですか?」伊勢屋のオフィスではそんな声が飛び交っている。業種柄、社外にいることが多い営業職と社内にいる事務職との間にコミュニケーションの溝が生まれやすい中、同社はコミュニケーションを大切にしているという。その背景にあるのは「誰が扱っている商品でも、その商品は会社の商品、つまり社員全員の商品。全員の力でお客様に商品を提供している」という考えだ。湖東社長はオフィス内の壁をなくし、常に全体が見えているオフィスにするなど、コミュニケーションを取りやすい環境づくりに尽力してきた。その結果、今では来社したお客様にオフィス全体を見せて「こんなにも良い環境をつくることができるんです」と自信を持って伝えることができているという。社員が主体性を発揮し、積極的にコミュニケーションを取る。それが同社の社風である。
自社で試して、良かったものを厳選
「うちが良くなれば、それが商売につながる」と湖東社長は話す。伊勢屋の特徴的なスタイルの1つが、自社で経験したものをお客様に提供しているという点。このスタイルを確立させた背景には、湖東社長自身の営業経験がある。営業経験を通じて「その商品を自分が使っているか、使っていないかで、お客様への説得力が大きく変わること」を身に染みて感じたという。オフィスづくりに関して、自社のオフィス「think office」をお客様に紹介する際は、実際に働いている様子を見せ、現場の社員が実体験をお客様に紹介している。「4年間トライアンドエラーをしてきたんですよ。このタイミングはうまくいきましたけど、ここでは行き詰まりやすいんですよね」というような生々しい話まで伝えることで、お客様が信頼できる情報として受け止めてくれるそうだ。自社で試し、良かったことを厳選し、お客様に商品として提供する。そのスタイルが伊勢屋を強くしている。
働き方を相談するなら伊勢屋
「『働き方を相談するなら伊勢屋。つまり、テレワークと言えば、生産性と言えば伊勢屋』と言われる存在を目指す」と力強く話す湖東社長。今はまさに、モノ売りからコト売りへと転換している真っ最中だ。湖東社長が大切にしていることは「時代に合わせてお客様に求められ続けること」だという。近年では、働き方改革やDXなど、働き方に関する変化が求められるようになってきた。そんな時代だからこそ、OA機器を売るモノ売りではなく、組織風土の改善など、より良い職場をつくるというコト売りへの転換を進め、オフィスづくりのコンサルという立ち位置を目指している。単にお客様の規模や人数に合わせて最適な職場をつくることよりも、その会社の社長と社員の想いを形にすることを大切にしているそうだ。具体的には、取引先の社長の展望をヒアリングし、社員からの要望をアンケートで集め、それに合わせた職場づくりを提案しているという。コト売りとして、「働き方を相談するなら伊勢屋」という存在を目指していく。



私たちに関わる全ての人に誇っていただける会社へ
大切にしていることを教えてください
「お客様第一主義」という考えですね。先代の社長は「良い商売とは、売る側の目線ではなく、商品を買うお客様の目線で考えている商売だ」ということを何度も発信されており、それが弊社内に浸透しました。仕事とは自分たちのためのものではなく、お客様の役に立つためにあると考えています。だからこそ、関わるお客様が何を求めているのかに向き合うことを徹底していますね。ただ、お客様と関わっている時だけ相手に向き合うような見せかけのお客様第一主義にはしたくないですし、「社内であっても、お客様への不平や不満を口にすることは言語道断」と伝えています。お客様第一主義という考え方があるからこそ、お客様に求めていただけていると思いますし、これからも大切にしていきたい考えですね。
どのように進化してきたのかを教えてください
働き方というコトを売るようになってからですね。自分たちのオフィスそのものが商品になるという点で、誰もが見られる側になったという自覚を持ったからだと感じています。ただ、変え始めた当初は、フリーアドレスにしてもいつも同じ席に座る、同じメンバーが近くにいるという今までと同じ状態でした。そんな時、「くじ引きで席を決めるのはどうか」「血液型で配置を分けたら面白そう」という社員からの声を拾い上げ、積極的に採用したことで今のやり方が浸透してきました。今では「今日はお客様が来るから掃除しておきますね」という声が上がるなど、社員の主体性がさらに発揮されるようになってきたと感じています。
どんな会社でありたいかを教えてください
誇れる会社ですね。つまり、伊勢屋に関わる全ての人に「伊勢屋ってすごいんだよ」と誇っていただける会社であることです。この考えを社員に浸透させるために、私が社長になった時に経営理念を「誇れる会社」に変えました。実は、この理念を考えたきっかけは、常務時代に病気で入院して弱っていた時にお見舞いに来てくれた社員の言葉でした。「僕、会社が大好きなんですよ。だからこそもっと風通しの良い会社にしたいんですよ」という熱い想いを聞き、「社員が『働いていて良かった』と思える会社にしたい」と心の底から思いました。今でもこの時の感情は忘れられないですし、社員が、そして伊勢屋に関わる全ての人が誇れる会社であり続けられるように精進してまいります。
創業年(設立年)
1882年
事業内容
働き方改革支援業
文具、家具、OA機器をはじめとする
オフィス関連商品の販売
ITサポートサービス
所在地
静岡県浜松市中区佐藤1丁目40-28
資本金
1,000万円
従業員
35名
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