株式会社シマブン
世界TOPシェアのグレーチングメーカーを目指して

株式会社シマブン

代表取締役社長 島信英

1871年(明治4年)に創業、瓦の製造販売業をスタートした株式会社シマブン。江戸時代には城の瓦も担っていたという。戦後、建材卸に事業を切り替え、以降、時代と共に事業を変革し成長を遂げてきた。現在では、病院、老人ホーム、リゾート施設等の排水溝の溝蓋(グレーチング)の開発製造を一貫して担っており、それが主力事業となっている。国内だけに留まらず海外へ展開、樹脂グレーチング分野では世界TOPシェアを目指し成長し続けている。今回は、島社長の想いと同社が見据える未来への展望について話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

歴史により培われた、誇るべき社風

「明るい」、「仕事が速い」、「前向き」、それが同社の社風だ。これらは、社外の取引先から言われることが多いと話す島社長。これは今に始まったことではなく、これまでの歴史により培われており、今後もこの社風を変わらず大事にしていきたいと語ってくれた。その社風が形成された背景には、「お客様」に対する想いが存在する。どんな時代においても、「お客様が喜ぶことは何か」を常に考え、追求してきた。「明るい」、「仕事が速い」を例にとると、お客様先ないしは来客があった際に明るい挨拶を心掛けた方が当然喜ばれ、要望があった際に迅速に対応することが、当然喜ばれる。このようにお客様の喜ぶことを追求する過程の中で、社風は形成されてきたのだ。これは「明るい」、「仕事が速い」に限らず、「前向きさ」にも表れている。いざというときは皆前向きに、一致団結によって会社としてのパワーを最大化する要因となっており、部署を超えた協力、連携が生まれているという。お客様のために、それが同社の社風を形成した根幹なのだ。

「世界初」を生み出す

同社の独自性は、「他社の真似をしない、世界で最初の商品を開発する」ということだ。と語りながらも、周りからは「社長自身」が独自性だと言われると笑みを浮かべながら話してくれた。商品を開発するときは「他社が行っていないこと」、「お客さんが困っていること」、この二つの条件を大事にしていた。とにかくお客様のことを第一に考え、人がやっていないことを探し続けていたからこそ今があると語った。その一つが、同業界で初めて営業と業務(見積もり)を分離する組織体制を構築したことだ。当時のお客様から「商品は良いが代理店の対応が遅い」と話を聞いた、しかし、代理店に話を聞くと「メーカーが遅い」と話すのだ。この状態を変えなければ商品を扱ってもらうことはないと考え、思い立った島社長は、大きな行動を起こした。お客様対応を出来る仕組みを作ること、すなわち、営業と業務の分業体制をとるように動くことでお客様の要望を叶えることに成功した。この行動こそがまさにお客様を大事にするという島社長の想いが実現させたことである。

世界TOPシェアのグレーチングメーカーへ

4年後の61期ビジョンとして、世界TOPシェアのグレーチングメーカーを目指すと掲げている。3年前にビジョンを掲げ、現在走っている段階だが、新型コロナウイルス蔓延の影響により海外の展示会が中止になるなど、決して簡単ではない状況があったが「そんな状況でも目標を達成する為に足を止めることはしない」と強い意思を持ち目標に向けて動き続ける。同社は世界で比較すると「まだまだこれからの企業だからこそチャンスはたくさんある」と考えている。世界TOPシェアを目指す上で、最も重要なことは海外マーケットの開拓だ。日本はマーケットが限られてきていることから、経済発展のスピードが速いアジアマーケットを狙い、アジア圏での代理店を増やす戦略を遂行。タイ、マレーシアの展示会に参加したが、日本国内から初めて出展したとのことで、インパクトを与えることができたという。このように、積極的な海外マーケットの開拓を行うことで、世界TOPシェアに向けて邁進しているのだ。

150年以上の経営者が次世代に引き継ぐイズムとは

今後の組織としての展望を教えてください

数年後に、息子に会社を引き継ぐ予定であり、その息子や若い世代を中心に会社を良くしていってもらいたいと思っています。私も変わっていますが、長男は私以上に良い意味で変わっています(笑)。現在も自分なりのやり方で会社を良くしようと邁進しているので、皆と協力しながらやっていってほしいですね。これからは新卒採用にも力を入れるなど、新たなチャレンジも行っていきます。

アイデアが豊富ですが、その理由を教えてください

アイデアの根源はお客様だと考えています。お客様が本質的に言わんとすることを突き詰めていくと、新しいアイデアが見えてきます。「どうすればお客様に必要とされるのか」、発想を広げ、向き合うことが大事だと思います。その結果、お客様からは商品だけではない相談、要望を受けるまでの信頼関係を構築することが出来ています。お客様の「小さな悩み」に耳を傾けることで発想を広げ、商品開発にも活かしています。

大事にしている考えや思いを教えてください

大事にしていることは、「変えるところ」と「変えないところ」をしっかりと決めることだと思います。これまで培ってきた社風やお客様のためにという考え方は「変えないところ」だと思います。また、絶対に外してはいけないのは、社員の幸せ。さらには、その社員の家族の幸せ、ひいては地域に貢献するという考え方も非常に重要だと感じていますので、そこはこれからも大事にしていきたいと考えています。

シマブンの未来を切り拓く後継者

シマブンの未来を切り拓く後継者

株式会社シマブン 

取締役 島英雄

島取締役は、2021年5月に入社。前職までの経験を活かし海外営業の基盤作りを行い、現在は取締役として同社の永続、さらなる成長に向けた経営環境づくり等に邁進し続けている。「社員の皆さんと一致団結し会社作りをしていきたい、会社の中心は社員の皆様であり、それを引っ張って行くのが自身の役割だ」と力強く語った島取締役。取材をする中で、「社員の幸せ」というワードが複数回出てきたことがとても印象的だ。社員を第一に考える島取締役が目指す会社像とは「社員の幸せを追求する会社」。現社長である父からバトンを受け取る島取締役が、入社から現在までどのような想いで働いているのか、そして今後どのような会社の未来像を描いているのか、様々な角度から話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

会社を背負える存在になれるよう挑戦し続ける

島取締役は、いずれは家業を継ぐという意識を持っていることを背景として、「死ぬまでやり続けよう」という決意のもと入社に至った。創業家の長男として誕生した島取締役であるが、現社長である父からは、一度も家業を継いでほしいと言われたことはないという。事実、入社する際も後継者としての切り口ではなく、海外営業職のポジションが空席となったため、ぜひそのポジションを担ってほしいと言われたことがきっかけだ。一方で、島取締役自身は、創業家の長男として入社する以上、経営に携わり、そしていずれは会社を背負っていくという大きな使命感を抱いていたという。入社してからは、海外営業職を経験し、現在は経営に参画している島取締役。永続、さらなる成長を目指す同社であるが、未来を考えるにあたり、これまで150年以上の歴史でシマブンが培ってきたDNAを明確にするという仕事を手掛け、次代に継承していく考えだ。歴史を背負い、未来を切り拓いていく島取締役の挑戦が、幕を開けたのだ。

「この会社で働けて良かった」と思ってもらえるために

「今はまだやりがいはない。努力が実った時にやりがいを感じるために、今仕事に励んでいる」と話す島取締役。これまで海外営業、そして現在は経営に携わる中で、まさに今、挑戦を続けている真っ只中だ。その挑戦の先に見据えるのは、「シマブンで働くことができて良かった」という社員の声。その声を聞くことこそが、島取締役のやりがいになっていくのである。その声を聞くために、そして同社が永続、成長していくために、現在では社内環境の整備に着手しているという。具体的には、全社員との面談を通じて一人ひとりの考えを聞くこと、そして自身の考えを伝えること、さらには前述したように、同社のDNAを未来に繋ぐべく、同社をよく知る先人へのヒアリングや調査等々に勤しんでいる。それらをもとに、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を作っていきたい考えだ。現在、父である現社長が多くの仕事を担っていることからも、「まず自分のできることから全うしていく」と島取締役は力強く語った。次世代のシマブンへと、舵が切られたのだ。

実現することは従業員の幸せ

創業から150年以上の歴史を有する同社であるが、島取締役は「300周年時の状況」と「社員の幸せ」を作っていくことイメージしている。もちろん、今から150年経った時に、ご自身、そして今働いている社員は、この世界にはいないであろう。『今から150年後、300周年の時に社長を担う方に「ありがとう」と言ってくれたらどれだけ嬉しいか』、そう島取締役は語る。同時に150年後に働く社員からも「シマブンで働くことができて良かった」、そう思ってもらえる会社作りに励んでいるのだ。その実現に向け、今後は海外のマーケットをさらに開拓していくことや新たなメイン商材となる柱を作っていく必要があるという。それらは、社員の共感なくして実現はできない。経営と現場が一体となり、現在策定しているMVVに向かって進んでいく必要があるのだ。取締役という立場でありながらも、社員の気持ちに寄り添い、常に価値観や方向性を共有していくことが重要であると島取締役は考えている。300周年を見据え、社員の幸せを追求し未来を切り拓いていくのである。

シマブンの後継者が見据える、会社の未来

MVVを作る上で、具体的に行っていることを教えてください

150年の歴史がある当社ですから、これまでのストーリーが重要になります。親戚に、5代目がどんな人だったのかなど、聞いて回っています。それをどうまとめていくか。作業的なことをやるだけでは意味がないと思いますし、形骸化してしまうと思います。社員の皆さんと一緒になって作っていくことが大事だと思っています。もちろん、役割として皆さんを引っ張っていくのは私だと思いますが、面談などを通じて、社員の皆様の声を大事にしながら作り上げていきたいと考えています。

会社の未来を作る経営者として
大事にしていることを教えてください

私は、その会社を見て自分が継ぎたいと思える環境にどう持っていけるかが重要だと思います。そこに欠かせないのが「社員の皆さんの幸せ」がついてくることです。社員の皆さんは、家庭もありますし、欲しいものなど、それぞれイメージを持っているはずです。そういったイメージ、やりたいことを実現させることが私の仕事だと思っています。ただの金儲けのようなことはしたくありません。そのためにひたむきにやる、それが今の私自身の想いです。

海外営業について教えてください

国内も、海外も同じ戦略(代理店戦略)を取っているので、タイであればタイの代理店と契約を結んでタイ国内で販売してもらいます。私たちが海外で直接何かやるということ自体はあまり多くないですが、後方支援というか、一緒に営業に行くなどそういった支援が中心となります。実際に営業活動をメインで行うのは現地の代理店スタッフです。現在はアジア圏中心ですが、今後はヨーロッパや北米などにも代理店を設け、海外マーケットに打って出ていきたいと考えています。

監修企業からのコメント

コメント
創業150年の歴史を有するシマブン様の事業の変遷について、とても興味深くお話をお伺いさせていただきました。時代に適した事業を展開すると同時に、すべてはお客様の声が根幹になっていることが印象的です。事業承継を控える中、ますますの発展が楽しみな企業だと僭越ながら感じております。

掲載企業からのコメント

コメント
この度は取材をしていただきありがとうございました。
取材を受けたことで、改めて自社、自分を見つめなおすきっかけになりました。
近い将来、当社は世代交代しますが、これまでの良さは引継ぎ、
変えるべき部分は変えていき、さらに社員さんの幸せを第一に考えられる会社にしていってもらいたいと思います。
株式会社シマブン

創業年(設立年)

1871年

事業内容

多目的排水ユニット
ペーパーホルダー
セーフティグレーチング製造

所在地

福岡県久留米市瀬下町30

資本金

2000万

従業員

31名

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