株式会社畠山製作所
代表取締役社長 小泉庄太
畠山製作所は、工作機械のカバーを中心に、機械加工の現場で必要不可欠な製品を提供し続けている企業である。同社が手掛けるスプラッシュガードやテレスコカバー等の製品は、技術革新と品質向上を追求する中で進化を遂げ、業界のニーズに応え続けている。このように製品の設計から製造、現場対応までを一貫して手掛ける体制は、競争力の源となっている。それを支えているのは、創業以来積み重ねた技術力と社風である。社員の創造性を最大限に引き出し、部門間の連携を大切にする姿勢が、今もなお会社を成長させる原動力になっているのだ。今回はそんな同社で代表取締役社長を務める小泉社長に、同社の独自性や今後のビジョンについて伺った。
伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
歴史が育む自由と連携のものづくり
同社の社風を象徴するのは、社員がパフォーマンスを発揮しやすい環境と横軸での部門間の連携である。会社の基本的なルールやマニュアルは整備されているが、それは社員を縛るためのものではなく、各自が主体的にパフォーマンスを高めるための土台として機能している。この柔軟な環境が社員の創造性を育み、成長につなげる大きな要因となっている。また、各部門に根付いている文化や業務内容がそれぞれ異なる中でも、部門同士が横軸につながりを持ちながら協力し、一体となって製品をつくり上げている。こうした文化を支えているのは、業界でいち早く“工作機械のカバー”というニッチな製品を手掛け、独自の技術標準や製造基準といった同社ならではのものづくりの世界を築いてきた歴史と実績である。このように社員が最大限自分の力を活かすことができる環境と部門間の連携が、同社ならではの社風をつくり出しているのであろう。
設計から製造、現場対応まで続く一貫生産体制
同社の強みは、工作機械のカバー製品を設計から製造、現場対応まで一貫して手掛ける“トータルソリューションサービス”を提供している点にある。主力製品であるスプラッシュガードとテレスコカバーは、いずれも板金加工を用いたカバーだが、それぞれ異なる特徴を持ち、設計や製造の方法も全く異なる。同社はこれら2つの製品を独自に設計し、製造まで対応できる数少ない企業である。この基盤は、創業以来、市場の変化やお客様のニーズに応え続けようと脈々と努力を積み重ねてきた結果であると捉えている。また、現場で得た知見を設計部門に共有する仕組みも同社の独自性を支えている。現場でトラブルが発生した際には、品質保証部門が迅速に対応し、その結果を設計部門が製品改良に反映する。このプロセスを何十年にもわたり継続し、より良い製品を生み出し続けている。こうした一気通貫の体制は、同社の生産力を支える重要な仕組みであり、同業他社には真似できない大きな強みとなっている。
働きやすさが生むモノづくりの喜び
今後の展望について、「常に品質や性能に優位性を持つことに対して追従していきたい」と話してくれた小泉社長。同社は製造業界において機械の高精度・高機能なカバーの需要増加に応える準備を進めている。そのための品質の向上と絶え間ない改善を重ね、業界をリードする製品を提供しているのだ。このような環境規制の強化に対応するため、新たな材料の導入や提案力の強化にも着手しているという。これにより、環境対応型の付加価値を製品に与え、他社との差別化を図ることができているのである。「こうした取り組みが未来の市場での競争力を支える柱になる」と小泉社長は自信をのぞかせる。さらに、受け身の開発ではなく、市場全体のニーズや業界の動向を反映させた製品開発を推進している。同社はこのように開発力と生産能力を強化しながら、変化をチャンスに変える姿勢でさらなる成長を目指しているのだ。



技術の可能性を広げ、未来に繋げる
入社理由と当時のエピソードを教えてください。
前職では、大学のゼミの教授の紹介で、同じ工作機械を扱う企業に勤めていました。30歳のとき、叔父から「そろそろ帰ってこい」と言われて、うちの会社に入社することを決めました。実は、父から「社長になれ」と言われたことは一度もなかったので、大きなプレッシャーは感じていませんでした。入社を決めた一番の理由は地元に戻りたいという想いが強かったことです。入社後は、弊社の製品がどのようにお客様に届くのかを学びました。その後、生産技術や製造現場の改善に携わり、設計の管理を任されるようになりました。この一連の経験が、今の自分にとって大きな財産となっています。あの時期にしっかりと現場を理解できたおかげで、視野が広がり、今の会社運営にも役立っていると感じています。
小泉社長が大切にしている考え方はありますか?
私が大切にしている考え方は「否定しないこと」です。人の意見や物事の流れに対して、最初から否定せず、まずは受け入れてみることが大切だと思っています。もちろん、指摘しなければいけないこともたくさんありますが、まずはやってみて結果を見て判断する。その方が次に繋がりますし、失敗してもそれが経験になりますからね。私も何度も失敗してきたので、他の人の意見はしっかり聞くべきだと感じています。もし最初から否定してしまうと社員も自らの意見を提案しづらくなりますし、そういう会社にはしたくない。だからこそ、社員が提案してくれた時にはしっかり向き合い、正面から話をすることを大事にしています。
今後目指していきたい組織はどのようなかたちですか?
今後は生産ボリュームと生産能力を高めていきたいと考えています。とはいえ、私たちの業界はどうしても機械だけではなく、人の手が必要な工程が多くあります。特にカバーづくりに関しては、その技術や技能をしっかりと次世代に伝えていかなければなりません。そのためにも製品の質を落とさずに、社員をさらに育成しながら人員を増やしていくことが重要だと思っています。また組織面では、適切な判断をできる人がその人に合ったポジションに配置され、チームとして確実に連携しながら進んでいくことが理想です。最終的には社員全員が自分の役割をしっかりと果たし、自ら考えて動いてくれるような組織をつくりたいと考えています。
溶接に込める想いと 未来への決意
株式会社畠山製作所
班長 石田 洋嗣
技術を磨くためには、どのような覚悟が必要だろうか。畠山製作所で日々腕を磨く石田班長は、その答えを体現している。入社当初から技術職に憧れを抱いていた石田班長は、同社の資格取得支援制度や温かい職場の雰囲気、そして長年の技術が息づく現場に魅了され、この会社で自分を成長させると決意した。そして今、班長として現場を支える立場になり、仲間と共に成長する喜びを感じながら日々を送っているのだ。石田班長にとって技術を高めることの達成感や、それを仲間と分かち合うことは、仕事の最大の魅力となっている。今回はそんな石田班長の成長の軌跡と、畠山製作所で働く魅力について話を伺った。
伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
技術を磨くための決意
石田班長が同社に入社を決意した理由は、技術職への憧れ、そしてその技術力を身に付けるための制度が整っている点に魅力を感じたからである。前職に勤めている際に出張先の企業で溶接の仕事をしている社員と出会い、その技術を見て「手に職をつける」ことの重要性を実感していた石田班長は自分も同じように技術力を高めていきたいと思うようになった。そのような中で同社には熟練の技を持つベテラン社員が多いことを知った石田班長は、技術を身に付けられる機会が多く、自分の成長に繋がるのではないかと考えたのである。加えて同社の資格取得支援制度は、社員が自己負担なしで資格を取得できるという大きな魅力があり、技術を身につけたいという石田班長の想いとぴったり一致した。入社してからは、社内では若手社員としてベテランの社員たちから技術力を吸収しつつ、成長していくことを決意したのである。
積み重ねが生む真の成果
石田班長は、技術職として日々成長を実感できることにやりがいを感じている。入社当初から、溶接という仕事が毎日勉強と上達の繰り返しだと感じていた。同じものをつくる場合でもその時々でつくり方を工夫しながら試行錯誤を繰り返す中で、自分の成長を実感できるからだ。うまくいったときの達成感や、改善を繰り返して仕上げたときの喜びは、この仕事だからこそ感じられるものだと語る。特に、自分の技術が目に見える形で向上していくことが大きなやりがいだと感じている。大型で複雑な製品を今までの経験をもとに自分の力でつくりあげる。これは他の職業では得られない充実感であり、技術職ならではの魅力であるという。現在は班長として、他部署の課長と自部署の社員がスムーズにコミュニケーションを取れるようサポートする役割を果たす中でもやりがいを感じている。チーム全体が効率的に働けるよう支えることが、さらに大きな責任とともにやりがいを感じさせているのだろう。
後輩を育てる責任と誇り
石田班長の夢は「後輩ができた際に頼りにされる存在になる」ことだという。現在は後輩がいないため実感が湧いていないものの、将来的には技術面や困ったときに安心して頼ってもらえるような存在になりたいと語る。そのためにも技術職特有の「見て覚える」という文化だけに頼らず、わからないことは丁寧に理解しやすい形で指導し、後輩と向き合いたいと考えているという。また石田班長は一人仕事だからこそ、他者との関わりが希薄になってしまわないよう、コミュニケーションが取りやすい環境をつくることで、技術力の継承をスムーズに行えるようにしたいと語る。後輩が安心して頼れる環境を整えたいという想いだけでなく、人との関わり方やコミュニケーション能力も成長させたいと感じているのだ。後輩を指導する中で内面的な成長を促しながら、人間としても成長していきたいという石田班長。この姿勢は、同僚や後輩たちにとってより良い影響を与えていくに違いないだろう。



一歩先を行く、現場の知恵
石田班長が思う畠山製作所の強みは何ですか?
弊社の強みは、何と言っても工場の規模ですね。他の工場では受け入れられないような大型の機種や製品も、うちの工場ならつくることができる点が大きな特徴です。実際、取引先からも「他では難しいけど、畠山ならできる」と頼りにされることがあります。技術面に関しても、長年の歴史の中で積み重ねられたノウハウがあるので、自信を持って高品質な製品を提供できると思います。特に、規模や技術力が求められる案件に対しては、他の企業に負けない強みを持っていると感じています。また、大きな設備と技術の両方が活かされることで、難しい案件にも柔軟に対応できる力を発揮できる点が強みだと思います。
職人レベルの方と一緒に働いていてすごいと思うところはどこですか?
以前、僕がつくった製品で不具合が発生したことがありました。溶接が不足していたため、部品の一部が少し浮き上がってしまっていたんです。その時、どのように直したらいいのか全く検討がつかずに困っていたのですが、先輩に相談したところ、いろいろなアドバイスをいただきました。その中で、「こんな直し方もあるんだ」と驚くような方法を教えていただき、先輩方の技術力の高さを実感しました。こうした経験を通じて、長い歴史を持つこの会社で成長してきた技術力があり、それを継承し、発展させてきた先輩方が今私たちに教えてくださっているのだなと実感しています。
班長に昇格して他の社員の方との関わり方はどのように変わりましたか?
班長になる前は、親しい人とよく話し、あまり関わらない人とは話す機会もありませんでした。しかし立場が変わってからは、全員に平等に接することを意識するようになりました。仕事を進める中で他部署との関わりも増え、今まで経験しなかったことも出てきました。特に年上の方々には長年働いてきたからこその経験と考え方があり、それを理解することが大切です。そのためにも、相手の気持ちや考えを理解できるように心がけ、個々の立場を考えながら第三目線で関わるようにしています。個々の経験から出て来る考え方を尊重しながら仕事を進めることで、今ある仕事の幅を広げることができる良い機会になっていると思います。
創業年(設立年)
1922年
事業内容
スプラッシュガードの設計・製作
テレスコピックカバーの設計・製作
各種機械の周辺装置の設計・製作
各種安全・防音カバー類の設計・製作
所在地
〒410-0001 静岡県沼津市足高396-47
資本金
3100万円
従業員
107名
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