株式会社西尾硝子鏡工業所
「社員力」による価値創造 そして、100年企業へ

株式会社西尾硝子鏡工業所

代表取締役 西尾智之

ガラス・鏡にこだわり続け約90年。これまでに培った技術と知識を駆使した質の高い製品で、お客様のご要望に常にチャレンジし続ける企業がある。それが株式会社西尾硝子鏡工業所だ。1932年の創業当時は、鏡の製造工場としてスタートし、高度経済成長のタイミングでガラス・鏡の加工取付工場へと事業転換を図ってきた。手がける製品は、大手百貨店やブランドショップにも納入されるほどの高い評価を得ている。西尾社長は33歳で社長に就任し、人材抜擢による組織改革や人材育成に力を入れ、創業100周年に向け同社を牽引している。そんな西尾社長が考える西尾硝子鏡工業所の、これまでの歴史とこれからの未来について伺った。

伝統の継承と、未来の挑戦を可能にする革新企業の本質

スピードと品質へのこだわり

”どこよりも早く正確に”これは、西尾硝子鏡工業所が大切にしてきた仕事への姿勢だ。なぜこの姿勢を大切にしてきたのかを伺うと、その根底に”お客様のために”という想いがあることがわかった。「好きなものをつくることは技術ではない。お客様に喜んでもらえて、初めて技術が活かされる」と西尾社長が語るように、同社では90年以上に渡ってこの想いが受け継がれてきた。お客様のために、早く正確に仕事をする。そして、その仕事を評価してもらい、「また西尾さんにお願いしたい」と思ってもらう。この流れが大切なのだという。ベテラン社員が体現し、同社のDNAともなっているこの想いが、若手社員たちにも受け継がれていることだろう。全社をあげて、お客様目線で、お客様が欲しいタイミングで、最高のものを提供し続けてきた同社。一度西尾硝子鏡工業所に注文をしたお客様は、もう同社から離れられなくなっているに違いない。

他社より優れた「社員力」

同社の独自性について考えた時に、真っ先に浮かぶのは「社員力」であると話す西尾社長。技術力は、ある程度の領域までいけば、その先の競合他社との差別化は難しいという。確かな技術力を持った上で、他社との競争に打ち勝っていくためには、「社員力」がカギを握る。「社員力」とは、技術はもちろんのこと、挨拶や対応力など、お客様に提供するすべてのサービスにおける価値創造力のことである。受注から出荷までのすべての工程において、「社員力」を高めることで、お客様に提供できる価値が増える。「これからの時代は、価格競争ではなく価値競争」と語る西尾社長。「社員力」を高めるために、コミュニケーションを円滑に行い、社員のエンゲージメント向上に努めている。同社の「社員力」が付加価値となり、お客様からすると、「値段以上のものを提供してもらえた」という感情が生まれているのではないだろうか。

次世代に繋ぐ事業と組織

西尾社長が目指す未来像を事業面と組織面の二つの視点から注目したい。事業面では、これまで困難とされていた鏡のリサイクル事業や自社製品を海外に展開する事業、ガラス・鏡の加工技術を学べる学校の設立などにも挑戦したいという。自社の発展だけでなく、業界や社会の発展にも繋がるビジョンを掲げているところに、「西尾社長らしさ」を感じた。また、組織面では、「主体的に生きる社員」を育成していきたいという。そのためのポイントは、自己肯定感とリーダーシップ。これらの力を磨くために、同社では社員一人ひとりが自分の意見をアウトプットできる場をつくっている。健康経営やSDGsなど、テーマごとにプロジェクトを立ち上げ、社員自らより会社が良くなる方法を提案をしているのだ。これらの発展により、「ガラスと言えば西尾硝子」と言われる立ち位置を築き上げていくことだろう。100年企業に向け、同社のさらなる挑戦・発展から目が離せない。

創業100周年の節目を迎える企業のこれから

ガラスや鏡の今後の可能性について教えてください

ガラスと鏡には大きく二つの可能性があると考えています。一つ目は素材の可能性です。例えば、鏡をリサイクルする時に銀の部分とガラスの部分に分け、銀はめっきとして使用し、ガラスは新たなガラスとして再利用することができます。この流れをプラットフォーム化することで、新しい循環型のビジネスモデルができると考えます。二つ目は、組み合わせによる新しい事業展開の可能性です。例えば、照明との組み合わせやサイネージとの組み合わせで、空間を演出し、新たな価値を生み出せる可能性があります。現在の工業製品としての活用だけでなく、クリエイティブな活用も取り入れ、各場面においてバランスを上手く取りながらやっていきたいです。

人材育成について教えてください

主体的に生きることができる社員に成長し、活躍してほしいです。そうなるためには、自己肯定感やリーダーシップを身につけ、他責にしない考え方が必要になります。なので、自身の意見をアウトプットできるプロジェクトや読書会を行い、自己肯定感やリーダーシップを身につけることができる環境を積極的につくっています。この取り組みを通して、主体的に生きることができる社員が増えれば、創業100周年という節目を迎えることやその先の未来に繋ぐこともできると考えています。実際、この取り組みを始めてから、社員に主体性が出てきているので、さらなる進化が楽しみです。

社員に今後期待していることを教えてください

今後期待していることは、自分に自信を持ってもらいたいということです。自分に自信を持つことは自己肯定感を上げることや主体的に生きることに繋がりますし、人生を豊かにするからです。なので、社員には、オンとオフを分けて自分を高める時間をつくることや、自分が夢中になれるものを突き詰めることによって、自信をつけてほしいです。夢中になれるものは、人によって仕事でもプライベートの趣味などでも良いと考えています。私もマラソンを突き詰めてから、より自分に自信を持てるようになり、人としての成長を実感しています。社員にはオンとオフを分けて、夢中になれることを見つけてもらえたら嬉しいです。

若い世代に受け継いでほしい ”未来へ繋ぐバトン”

若い世代に受け継いでほしい ”未来へ繋ぐバトン”

株式会社西尾硝子鏡工業所

業務部 部長代理 山田洋子

山田部長代理は、2007年に入社。2012年に業務部の部長代理に抜擢され、お客様から受注した仕事を工場へ伝達する重要な役割を担い、活躍している。また、その他にも仕入れや配送、お客様とのやり取りなど、工場での製造業務以外を一手に担っている。取材の中で、2032年に創業100周年という節目を迎える同社を支えながら、若い世代への継承にも力を入れたいと話す山田部長代理。西尾社長からの信頼も厚く、責任感を持って、会社全体のことを考えることができるという。そんな山田部長代理の入社理由や仕事のやりがい、社内改革の取り組み、同社のこれからについて話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

提供したサービスに見合う対価を得る

2007年に西尾硝子鏡工業所に入社した山田部長代理。入社を決めた理由としては、求人を探していた際に、西尾社長の「提供したサービスに見合う対価を得る」という言葉に惹かれたことだという。実際に入社してみて、その言葉を身を持って感じることはあるかと質問すると、誇らしげに同社の素晴らしさを語ってくれた。同社は高い技術力と社員力によって、大手百貨店やハイブランドの仕事を受注し、高い品質を要求されている。日々、その要求に応えることができているからこそ、受注に関しては基本的に新規営業ではなく、リピートが主になっているのではないかという。価値がある仕事であるからこそ、お客様の要求も高くなり、それ相応の対価を得ることができているのだ。入社して約15年が経つが、お客様のため、会社のために自分がやらないといけないという責任感は日に日に増すばかりだという。お客様と工場とを繋ぐ山田部長代理は、今後さらに提供するサービスレベルが向上していくことだろう。

お客様と現場、関わるすべての人に喜びを

山田部長代理に仕事のやりがいを伺うと、お客様が喜んでくれることだと答えてくれた。しかし、業務部のやりがいはそれだけにとどまらない。業務部は、お客様から受注した仕事を工場に伝達する役割があるため、お客様と工場を繋ぐ架け橋である。そのため、お客様から直接感謝の言葉をいただくことができる。一方、工場で製造を担っている現場の社員は、お客様と直接関わることが少なく、感謝の言葉をいただく機会が少ないという。そこで、山田部長代理を筆頭に業務部の社員は、お客様の声をできるだけ工場の製造社員に届けるよう心がけ、現場のモチベーション向上に繋げている。モチベーションが高まった現場がつくった製品はお客様の喜びに繋がり、好循環を生み出すことができているのだろう。業務部として、お客様と現場の間に立ち、関わるすべての人に喜びをもたらすこと。これこそが、山田部長代理のやりがいなのだ。

100周年を目指し、未来に受け継ぎたい想い

2032年の創業100周年の節目に向けて、若い世代にこれまで培ってきたものを継承して、繋いでいきたいと話す山田部長代理。その話からは、永続への強い想いを感じた。「会社が大きくなってほしいではなく、続いてほしい」と話す山田部長代理の想いには、近年、町のガラス屋が減少していることへの危機感が含まれていた。これまでの歴史の中でも時代に合わせた事業転換をしてきた同社。そのため、これまで培ってきたものから若い世代に継承すべきものは何かを考えるとともに、時代の変化にも対応できるように社員一人ひとりの主体性を育む取り組みを行っているという。多くの製造業で技術継承が課題とされている中、同社はただ単に技術を継承するだけでなく、変化に対応する術を継承することもテーマの一つとしているとのこと。若い世代への継承に成功し、創業100周年、そして、その先も刻まれていく同社の歴史に注目したい。

圧倒的な”社員力”を育てる取り組み

社内改革のための取り組みについて教えてください

社内改革はプロジェクトを通して行っています。プロジェクトとは、社内における委員会活動のようなもので、社員は必ずどれか一つのプロジェクトに参加し、社内改革に向けて取り組んでいます。また、プロジェクトを通して得られるスキルは、社会人として重要なスキルなので、幹部だけでなく全社員が身につける機会を得られるように意識しています。プロジェクト内容は、大きく7種類で、環境整備、健康経営、業務推進、行事企画、サンクスカード、BCP、SDGsがあります。部署を跨いだ社内改革の取り組みによって、社員のスキル向上や主体性醸成に良い影響があり、社内改革だけでなく、人材育成にも繋がります。

社員同士の関係性について教えてください

社員の年齢層が幅広く、歳の差が開いているメンバーもいますが、全体的に良好な関係が築けています。なぜかというと、プロジェクトや読書会などの取り組みを通して、自分の意見をアウトプットする機会を多く設けているからです。プロジェクトでは部署を跨いだ会話を行うことができますし、読書会では感想共有の合間に自然と雑談が生まれ、良いコミュニケーションになっています。コロナの影響で実施できていなかった食事会も、仲の良い人同士から徐々に復活しています。これからもプロジェクトや読書会での良いコミュニケーションを大切に、若い世代への継承が円滑に進みやすい関係性の構築に取り組んでいきます。

山田部長代理から見た西尾社長はどんな方ですか?

西尾社長は非常にバイタリティー溢れる元気な方です。社長としての業務に加え、プレイヤーとして大手百貨店やブランドショップなど、高い品質を求められる案件も対応しています。また、社員の主体性を育成するために、プロジェクトから挙がった提案に対しては、否定することなく挑戦をさせ、適切なタイミングでアドバイスをくれます。また、33歳から社長に就任し、これまで当社を支えている実績と手腕のすごさは言うまでもありません。さらに、プライベートでは各地で行われるマラソンに参加するなど、オンとオフを分けることや突き詰めて取り組むことを社員の模範となって行っています。仕事、プライベートの両側面で人としての魅力が溢れる方です。

監修企業からのコメント

コメント
この度は、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。創業100周年に向け、高い技術力と社員力を武器に、新たな未来をつくろうと取り組んでいる西尾硝子鏡工業所様のお話は非常に学びが多く、終始聞き入ってしまいました。社内改革や若い世代への継承がさらに進み、創業100周年という節目を迎える西尾硝子鏡工業所様の今後に注目して参ります。

掲載企業からのコメント

コメント
この度は取材をしていただきありがとうございました。取材の中で、これまでの組織改革や取り組みを振り返ることができました。取材の中でお話したことを一つずつ実現し、創業100周年という節目を無事迎え、その先に繋いでいきたいと思っています。この取材をきっかけに少しでも弊社に関心を持っていただければ幸いです。
株式会社西尾硝子鏡工業所

創業年(設立年)

1932年

事業内容

・一般板ガラス・鏡の加工卸、内装工事
・自社ブランド製品の加工・販売

所在地

〒143-0016 東京都大田区大森北5-9-12

資本金

1000万円

従業員

23名

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