株式会社ダイワハイテックス
代表取締役 大石 孝一
書店やコンビニで何気なく、見かけるコミック。そして、そのコミックの多くは包装されている。実はこの包装を自動で行う機械を作っているのが、今回取材を行った、株式会社ダイワハイテックスなのです。コミックを自動で包装することのできる同社の看板製品「コミックシュリンカー」は、きれいなコミックを購入したい消費者のニーズに応えるため、今や全国の書店に必須のものとなっている。また、同社のコミックシュリンカーは業界シェア90%と圧倒的な市場占有率。この圧倒的なシェア獲得の根幹は、製品の性能・品質は勿論のこと、それ以上に製品に関する綿密かつオーダーメイドのサポート体制。今回は、アパートでの創業から、一代で業界トップメーカーまで会社を成長させた大石社長のマインドの核心、同社の成長の軌跡に迫る。
伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
気遣いと思いやりの文化
ダイワハイテックスの社風を伺うと、大石社長は笑顔でこう言った。「一言で言うと、優しいということですかね。お客様に対しては勿論ですが、社内に対しても皆お互いに気遣うということができています」同社では、社員同士でもこまめに声を掛け合ったり、自然と助けあう文化が根付き、優しさ、思いやりの輪は、仕事、部署の壁を超えて広がっている。「良い意味で、おせっかいな人がとても多い」社内からはそんな声が出ることもしばしば。この優しさの源泉はどこからくるのか、その答えは、大石社長その人自身にある。大石社長の優しさが印象的なエピソードがこちらだ。「創業間もない頃、求人もほとんど集まらない状況でした。そんな中、若い男の子が来てくれて、あまりにも嬉しくてその日にスーツを仕立ててあげました」そんな大石社長の優しさに触れて、共感した人達が入社し、更に大石社長の背中を見て育つ。この中で、ダイワハイテックスの「優しさ」の文化は醸成されてきたのだろう。
コミックシュリンカー、業界シェア90%の秘訣
「私達のコア・コンピタンス、独自性は、徹底的な顧客密着にあります」圧倒的な占有率でマーケットを掌握している秘訣を大石社長はこう語った。その1つの例が、新店オープンのサポートだ。「私達は、例え沖縄だとしても、北海道だとしても、新店オー プン時に社員が直接現地に出向きます。納品機の設置と取扱説明だけでなく、無償で包装応援を行っています。当然費用はかさみますが、私達は目先の利益を追ってはいないから、ここまでできるのです」更に、同社では、製品を細かな部品も含めて全て一貫して自社で設計開発をしているため、機械の部品やボタンの位置など、細かな要望にもオーダーメイドで対応することができる。これも、同社の顧客密着を支える一つの武器だ。この徹底的な顧客密着こそが同社の独自性であり、そのまま強固な参入障壁にもなっている。ハード・ソフトの両面の取り組みを通じて顧客密着を確立している同社に、抜かりはない。
キーワードは「独自性と差別化」
「今まで築いてきた独自性とノウハウを持って、大手が参入しない、ニッチだが顧客に必要とされる市場で圧倒的なシェアを取る」この絶対的法則が、中小企業の安定的成長と、強固な経営基盤を作る秘訣だと大石社長は語る。
ダイワハイテックスにおいては、コミックシュリンカーで築いてきたノウハウを活かして、数年に一度、絶対的戦略に基づいた新しい市場を開拓していく計画だ。
その1つが、インターネット通販事業者へターゲットを当てた「通販支援事業」だ。当事業では、今までの技術やノウハウを活かした製品を開発している。商品の簡易包装を自動で行う“バブルシート包装機”や、商品に合った容器に自動で仕分ける“ボックスマガジンシステム”などを、増加する小~中規模の通販事業者へ向けて提供している。まさにこのような取り組みは、大石社長が大切している絶対的戦略を体現する好例だと言えるだろう。



引き継がれる「大石イズム」
―創業までの背景を教えてください
私は、もともと経営者を目指していたわけではありませんでしたが、商社マンになったことは、経営者になる上での大きなきっかけになりましたね。私は大学は理系だったので、本来であれば電機メーカーに技術職で入社するのが普通のルートだったのですが、そこで商社マンになりました。今だから分かることですが、創業者はほとんど営業出身で、抜群の営業力を持っていることが多いですよね。なので、自分も創業者として必要な営業力を商社マンとして磨くことができたのかな、と思っています。商社の仕事を通じて経営者の人達と出会えるようになって、その人達に可愛がってもらったことで、「ああ、経営者の世界って、面白いんだな」と思い、自分も経営者になりたいと考えるようになりました。
―将来を担う次世代の人材について教えてください
組織は人ですから、人の問題が一番重要な課題になります。創業当初は非常に大変でした。会社を立ち上げて早々、一緒に働いてくれる人なんていません。いたとしても他に行く所がいないような人たちしか来ないのですが、そういう人たちと一緒に仕事をして、成功させなければいけません。
そこから、会社が成長するにつれて、徐々に良い人材を採用することができるようになりました。そして、13年前には新卒採用も開始しました。フレッシュな人材が、私のビジョンや展望に共感して入社してくれているので、会社にとって、非常に良い影響を与えてくれます。これから、彼らが5年、10年、20年経って成長してくれたら、更にものすごい力になると思いますよ。
―社員の方に大切にしてほしいことは何ですか
継続していく力。これに尽きますね。これが無かったら、新しいことをしたとしても何の意味もなくなってしまいますから。
どんなにつまらない、小さなことでも、「こんなに続けるの」って人には敵いませんよね。書店に行くと、『一週間で○○できる!』の様な、色々なノウハウ本が沢山ありますが、あれは世の中に継続できない人が沢山いるということの裏返しですよね。何でも継続するという事が非常に大切なんです。例え派手さはなくても、しっかりと地に足を付けているという事を大事にしてほしいです。この姿勢が、簡単には諦めない、絶対に意地になって続ける力に繋がりますからね。
お客様の要望に応える 創意工夫の挑戦
株式会社ダイワイノベーション
設計開発担当 橋本 雄大
メーカー企業であるダイワハイテックスにとって、開発力は会社の原動力だ。その設計開発担当の期待のホープとして活躍しているのが、橋本雄大さんだ。システムの設計から部品の選定、製品改善改良の取組み、現場への納品まで、全工程で同社のモノづくりに携わっている。その期待値は大きく、現在は子会社である株式会社ダイワイノベーションにて、同社の新事業である通販支援事業を推進するミッションを背負っている。
子供のころからモノづくりに興味があった橋本さんが、同社においてどのようなやりがいを感じ、どんな夢を持って働いているのか。橋本さんのお話を通じてダイワハイテックスの魅力に迫った。
伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い
身近な暮らしを支える、幅の広い仕事ができる
子供の頃からプラモデルをつくるなど、モノづくりが好きだった橋本さん。就職先としてメーカー企業を希望していたが、多くの企業が部品専業で一部の技術へ特化し、各人が携わることができる分野が狭いという環境に比べて、同社では自社製品を部品から完成品まですべて製造しており、各人が機械系や電気系などあらゆる分野の仕事をすることができる環境が揃っていた。「色々な分野の仕事を経験できるので、幅広い技術・知識が身に付きますし、仕事をしていても飽きないですよね」モノづくりに携わりたい橋本さんにとってはまさに、同社の環境はうってつけだったのだ。さらに、同社の製品は、普段目にしないところで使われているのではなく、コミックの包装という自身の身近な生活を支えるものであり、自身の仕事が社会に役立っていることが実感できるということも橋本さんにとっては魅力の一つとして映ったのだ。 身近な暮らしを支える、幅の広い仕事ができる同社で、橋本さんは日々、充実した毎日を過ごしている。
お客様の要望へ答える創意工夫の挑戦
お客様からの要望を答えるためにはどうすれば良いのか。それを常に考え続けて創意工夫し、お客様の要望に答えることが橋本さんの同社におけるやりがいだ。同社は書店におけるコミック包装で90%を超える国内シェアを獲得しているなど、お客様にとってはなくてはならない頼りの存在だ。それ故に、橋本さんはお客様からの細かな要望へ柔軟に迅速に対応することを大切にしている。社のチーム内で製品開発や改良に取り組むことはもちろんのこと、橋本さんが何より重視しているのは「現場の声を聞く」ことである。あるお客さんから異変を知らせるブザー音が聞き取りにくいという声を聞いた時には、自らの判断でブザーをインターネット通販から探し出し即座に交換するなど、その対応は実にスピーディーで細やかだ。「製品の納品の際も現場に出向きます」と徹底した現場主義を貫く橋本さん。お客様から橋本さんに寄せられる信頼や、「よく対応してくれたね、ありがとう」という感謝の言葉が橋本さんの原動力になっている。
メーカー企業として、技術力向上に尽力したい
通販支援事業が始まって3年。その中でも新しい製品である”ボックスマガジンシステム”という新しい商品を担当している橋本さん。その成功が短期の目標だ。「社内の中でも最先端の仕事に関わらせていただいておりますので、その責任をしっかりと果たしたいと考えています」と気合十分だ。さらに橋本さんは中期的な目標として、自分自身が設計の仕事をさらに極めることは当然として、社内に技術系の人をもっと増やしていけるように働きかけていきたいと語る。メーカーとして技術者の人材確保や技術力の向上は避けては通ることができない命題だ。先輩から教わったことを自分のものにして後輩に伝えていくことに加え、後輩が資格試験を受けられるように支援したり、会社の外部で開かれている技術セミナーへ誘ったりなど、周囲を巻き込みながら、技術レベルを上げていく心積もりだ。「今までは手を出したことないロボットなどの新しい分野にも参入してみたいなと考えています」と夢を生き生きと語る橋本さん。その強い想いが、同社の未来をさらに輝かせるに違いない。



橋本さんに聞く、ダイワハイテックスの魅力
―大石社長の人柄について教えてください
弊社では「つぶやき塾」という社内勉強会を定期的にやっていて、その後に懇親会として社長と社員でご飯を食べにいったりとか、交流も多いので、社員からも親しみ易い人柄の社長だと思います。あとは、もともと大石社長は電気系を専攻されていたのですが、ちょくちょく現場を見にきては、的確なアドバイスを下さるんです。現場に行って、お客様の要望を探してくることをとても大切にしていて、その姿勢からもいつも学んでいます。そういうこともあって経営者としてもすごいと思っているんですけど、個人的には技術系の先輩という印象も同じくらい強いですし、尊敬していますね。
―入社して以降、思い出に残っているエピソードを教えてください
図書館のコーティング装置を作ったことですね。入社してから2年目の後半のことでしたが、まだ分からないことも多い中で、同じチームの先輩に相談してアドバイスを貰ったり、使い勝手に関しては現場に機械を持っていって、1週間テスト運用してもらって感想を聞きにいったりと、色々と試行錯誤しました。実はこれが入社してから初めて製品化できたものだったのですが、お客様からも「かなり作業が早くなった」と言っていただくことができましたし、販売されて実際に売れた時はとても嬉しかったのを覚えています。今、この技術を基に、新しいサービスもスタートすることになっていて、そういう意味でも会社の未来に残る仕事ができたのかなと思います。
―どんな人が貴社に合うのか、教えてください
新しいことを勉強して学んで吸収して、チャレンジすることが楽しいと思うことができる人は、当社の環境の中で楽しく仕事ができるのではないかなと思います。今までやってきたことをしっかりと実践していくことも大事なのですが、新しいことへ挑戦していかなければ成長も発展もないですよね。弊社の場合ですと特に、電気系や機械系など幅広い分野の知識が必要なので、学校では学んでこなかったことを一から勉強することも多いです。そこに対してアレルギーなく、楽しんでやれる人であれば、学べば学ぶほど、自社の商品のことが分かってきて、色んな仕事にチャレンジすることができて、仕事がとても面白くなると思います。
創業年(設立年)
1978年
事業内容
店舗支援事業 書店様をはじめ、コンビニエンスストア様、アパレル店舗様、飲食店様など実店舗を運営しているお客様に対して、業務効率化を実現するための機械や設備を提案する事業です。 通販支援事業 通販支援事業では、書籍包装で培ったノウハウを活かし、「小型」「軽量」「簡単移動」を特徴とした包装機の開発・販売を行っています。 緩衝材(バブルシート)を用いた包装機を開発し、ネット通販業界など梱包資材や人件費がかかっていた部分をオートメーション化し、大幅な費用や時間のコスト削減を提案
所在地
東京都板橋区坂下1-34-27
資本金
6,000万円
従業員
59名(令和2年2月現在)
キーワード検索
監修企業からのコメント
コミックシュリンカーで日本一になり、大成功を収めてきたダイワハイテックスの、これからの活躍にも目が離せません。
掲載企業からのコメント